Cheer Up!でも登場回数が多くおなじみの平戸祐介さん。最近では遂にタワーレコードの「NO MUSIC NO LIFE」のポスターにご登場!ファンをますます喜ばせていますが、12月にリリースされたばかりのニューアルバム『Tower Of Touch』も凄い!今までの平戸さんの音楽とはまた何か違っていて、でもすごく心地良くて気分が高揚する曲ばかり。巷でも話題になっています。今回もまたアルバムの魅力に迫るべくインタビューさせて頂きました。
また今作に参加されたアーティストお二人、中山拓哉さん(bass,Gecko and Tokage Parade)、永田真毅さん(drums,在日FUNK)からこのアルバムに参加しての思いなどコメントを頂きました。併せてお読み頂ければと思います。(2020年1月)


平戸祐介 インタビュー コメント


---平戸さんの新作はどんな感じになるのかなと楽しみにしていましたが、今回はかなり驚きました。
シンセやローズがメインで、コズミック、スペイシー、ファンキー、ソウルフルというキーワードが並んでいることにも驚きました。今作のサウンドに至った経緯などお伺いできますか?


平戸:ずっと、ピアノと電子楽器の融合を1枚のアルバムでquasimodeの時代でもやってきましたし、ソロアルバムでもそれを通してきました。
ただ、ピアノ=平戸祐介というイメージをベースにしながらも拡充したい思いがどうしてもあったのです。
なので、ある意味挑戦で今作ではピアノは弾かないと決めたんです。なので電子楽器しか触ってません。

また、昨年の暮れあたりから、UKのDEGOやKaidi Tatham, Henry Wu等の作品を聴き漁り、クラブサウンドを踏襲しているけど、ハイクオリティーな作品を作りたいと思ったんです。
また曲も簡単なラフスケッチからできたものばかりで演奏し、そして創造、発展していくことで曲が徐々に膨らんでいくものばかりなんです。ですので素晴らしい力量のある音楽性をもつメンバーでしかなし得なかった作品だと思っています。
しかも編成は一番ミニマムとも言える、キーボード、ベース、ドラムという編成でです。

---今作は中山拓哉さん(bass,Gecko and Tokage Parade)、永田真毅さん(drums,在日FUNK)という意外なメンバーとタッグを組んでいらっしゃいますね。
お二人と一緒にアルバムを作ることになった経緯などご紹介頂けますか?


平戸:永田君は、僕が2001年に上京した時からの知り合いで、某バンドのサポートを一緒にやっていた仲でした。
そこから一時期付き合いは途絶えていたんですが、ある日どこかのジャズクラブで彼の名前を見たんです。「あ〜、頑張っているんだなぁ」と。
そこからちょくちょく気になりだして…今回のアルバムでヘビーでタイトなドラムはいないかなぁと考えた時「マサキだ(永田君)」と!
そこから速攻すぐ彼に連絡をとって参加をしてもらった次第です。

中山君は、僕のラジオ番組に彼が参加する"Gecko&Tokage Parade"の一員としてゲストで来て頂いた時にスタジオで生演奏してもらったんです。
そこで黒いファンクネス溢れるベースを弾いていたので、是非やって欲しいなとその時点で思っていました。本当に若く、才能溢れるベーシストです。ですが、普段は大変おとなしいです(笑)。

---完成にいたるまでの流れはいかがでしたか。

平戸:昨年の暮れあたりからイメージが湧き始め、同時に曲も作り始めました。
なんと、その1ヶ月後には永田君、中山君を引き連れてスタジオでリハーサルを開始してました。
全収録曲モチーフだけ持ち込んで、中山君、永田君らとその場でセッションしながらグルーブ感を高めていった感じです。本当に彼らはまだ僕よりも若いけど、音楽アイデアをたくさん持っている素晴らしいアーティストたちです。

レコーディングは7月でしたが、曲もその頃には良い具合に育ってレコーディングをしながらでもいろんな試行錯誤できるくらいのレベルになっていたと思います。
今回楽器に関してもいろんな挑戦をしていまして、Fender RhodesとCASIO電子楽器のみで挑戦してます。
レコーディングの際は5台使用してレコーディングしましたし、そんな事は僕の音楽人生でも初めての経験でした。

---Ryuhei The Manさんが率いる話題のレーベル「AT HOME SOUND」からのリリース。
Ryuhei The Manさんとの出会いや、こちらのレーベルから出すことになった経緯について教えて頂けますか?


平戸:Ryuheiさんとの出会いは、僕のラジオ番組でAT HOME SOUNDからリリースしていた新進女性シンガーのNAYUTAHさんがゲストで出演された時に、Ryuheiさんがre-editされた楽曲を聴いて、HIPHOPが良いバランスでブレンドされていて、すごくいいセンスしている方だなと思ったんです。
またその後、DJの沖野修也さんもAT HOME SOUNDから作品をリリースされていることも知り、JAZZとHIP HOPを良いバランスで融合しているレーベルなんだなと知ったんです。
そこで、今回はまさしく私の作品がJAZZとHIP HOPの融合はマストですので、是非、Ryuheiさんにお願いしてみようと思い、今回ご一緒させて頂きました。

---アルバムタイトル『Tower Of Touch』に込めた想いについてはいかがですか?

平戸:私が率いていたジャズバンドquasimodeの活動休止から約4年。(2020年で5年)
また原点に戻って世界を狙うアルバムを作ってみようと思い、今回制作させて頂きました。ですのでこの、アルバムタイトルにはそういう僕の固い、そして強い意思が詰まっております。

また収録曲も全て、僕のオリジナルで、客演陣一切なし!
不純物なしの1本勝負です。

---ジャケットの写真にも、平戸さんの強い決意表明のようなパワーを感じますね。

平戸:今回は世界を改めて目指すという目標がありますからね。それも当然かもしれません… それはアルバムタイトルからにしても感じ取って頂けると思います。

---平戸さんとは曲ごとの感想をお伝えしてコメントを頂くのが恒例ですが、今回はとても難しいです。シンプルにお話を伺います。

1. THE KICKER
---特に好きな曲です。バッキングのkeyが心地良いですね。シンセベースに聴こえますが、ベースにエフェクトをかけているということなのでしょうね。

平戸:バッキングのKeyは、VOX WOWをかけたCASIO PX-5Sです。
ベースもかなりエフェクト駆使しています。

2. HEADY DAYZ
---真ん中あたりのベースが印象的でドキドキします。

平戸:場面転換の部分ですね。あそこはギアを曲中でも上げたくてあの部分を作りました。

3. RHYMES
---細かいドラムの刻みが印象的ですね。

平戸:これは、最近のクラブサウンドにも聞かれますが、ゆったりの曲で細かいリズムを出していくという手法。ちょっと実験してみました。

4. EARLY BIRD
---ミニマルな曲なのかと思ったら、だんだんエレピがエキサイトしていくところがかっこいいです。

平戸:ハービーハンコックとかの70年代JAZZ FUNKですね。タメたっぷりの腰の座ったグルーブが心地よいと思います。

5. SONAR
---ワウのかかったようなベースから始まり、だんだん盛り上がってストリングスのようなメロディが迫力!

平戸:これは70年代JAZZ FUNKとクラブサウンドの融合がテーマでした。

6. BLUE SKY
---ベースをフィーチャーしたような感じを受けましたね。

平戸:この曲は、あまり考えすぎずセッションを楽しむことに集中しました(笑)。

7. GALAXY HIGHWAY
---これもまた好みで気分アガります。学生時代のことですが、自分がよく海外のFUSIONを聴いていた頃のことを思い出しました。

平戸:僕は70年代のWeather Reportなどちょっと意識しました。あとはソロに入るとハービーハンコックのヘッドハンターズのような空気感ですよね。今作のリード曲の様相が強くなってきました。

8. CIRCLE
---ふんわりとしたエレピの美しさが寂しい。平戸さんのどんな思いがこもった曲なんだろう?と感じました。

平戸:もっと聴きたいですか?... 僕も別れ惜しいですが、ライブ会場その他で近いうちにお会いできたら…みたいな気持ちで演奏してます(笑)。

---以前『Heritage』のインタビューでは「若いクリエイターからの意見を取り入れたり刺激を受けたかった」というお話をお聞かせいただきました。今回永田さん、中山さんなど若い世代のミュージシャンと組んでみてどのような感想をお持ちになりましたか?

平戸:そうなんです。若いアーティストの意見、プレイを取り入れたいのは、確かに前作の『Heritage』からですね。
今回も中山君や永田君と演奏して自分自身にないエネルギッシュな一面であったり、フレッシュなアイデアやプレイ。ますます、若手をどんどん登用していきたいと強く思っているところです。

---今後の展望や、2020年のご予定についてお聞かせ頂きたいです。

平戸:来年はいろいろとまた忙しくなりそうです。
まずアンバサダーとして契約しているCASIO電子楽器が40周年になりますし、自分のFMレギュラー番組も5年目に突入。そしてアルバムのツアー、次作の構想。また、私の地元長崎でも新たに音楽事業を始める予定で、いろいろと試練も待っているのかもしれませんが、チャレンジの一年になりそうです。

---どうもありがとうございました。来年の平戸さんの活動もますます応援しております!




「Tower Of Touch / YUSUKE HIRADO」

1. THE KICKER
2. HEADY DAYZ
3. RHYMES
4. EARLY BIRD
5. SONAR
6. BLUE SKY
7. GALAXY HIGHWAY
8. CIRCLE

平戸祐介(key)
中山拓哉 (el-b from Gecko and Tokage Parade)
永田真毅 (drs from 在日FUNK)

レーベル : AT HOME SOUND
発売日 : 2019年12月11日
規格番号 : AHS15
価格 : 税抜 2,500円+税

https://diskunion.net/black/ct/detail/1007998306




◆平戸祐介 プロフィール

長崎県生まれ。
父親の所有する膨大な ジャズ・レコードを聴きながら育ち、中学生の頃からジャズピアニストとして活動を開始。
高校時代にはNYマンハッタン音楽院のサマー・ ワーク・ショップで トップ・レベル・コンボに抜擢され、最優秀賞を獲得。
高校卒業後渡米し、NYにあるニュースクール大学ジャズ科に進み、Walter Bishop Jr.に師事する。

1995年にはRichard Davis (Bs), Winard Harper (Ds)と共演、ジャパン・ツアーで成功を収める。
大学卒業後に帰国、上京し、quasimodeを結成。国内外屈指のアーティスト群と共演を果たす。
2012年に自身初となるソロ作品 「Speak Own Words」をリリース。
個人活動を充実させるべく2015年2月をもってquasimodeが活動を休止、
2015年にはピアノソロアルバムの決定盤2ndアルバム 「Voyage」をリリース。

2017年ソロプロジェクト「Yusuke Hirado Prospect」始動。
同年にには、Yusuke Hirado Prospect 待望の第一弾「Heritage」をリリース。

2019年には自身初の教則本「3年後確実にジャズピアノが弾ける練習法」をリリース。
amazon等では軒並みベストセラーを獲得。

12月に2年ぶりの待望の3rdニューアルバム「Tower Of Touch」をAT HOME SOUNDよりリリース。

Yusuke Hirado Official Web Site
http://yusukehirado.net/
平戸祐介 公式facebookページ
https://www.facebook.com/yusukehirado.funpage
Twitter
https://twitter.com/hiradospree

♪最新Liveインフォーメーション
最新のLive情報は平戸さんのOfficial Siteで確認をお願い致します。

TOWER RECORDSの『NO MUSIC, NO LIFE.ポスター』に出演。



<Cheer Up!関連リンク>

特集Cheer Up! Christmas/My Favorite Christmas Music参加(2019年)
http://www.cheerup777.com/xmas2019/xmas2019-2.html#section15
教則本『3年後、確実にジャズ・ピアノが弾ける練習法』インタビュー(2019年)
http://www.cheerup777.com/hirado_text2019.html
Yusuke Hirado Prospect『Heritage』インタビュー(2017年)
http://www.cheerup777.com/heritage.html
Selim Slive Elementz『Resurrection(復活)』インタビュー(2017年)
http://www.cheerup777.com/selim2.html
KYOTO JAZZ SEXTET『UNITY』インタビュー(2017年)
http://www.cheerup777.com/unity2.html
平戸祐介インタビュー(2017年)
http://www.cheerup777.com/hirado2016.html
KYOTO JAZZ SEXTET『MISSION』特集 コメント参加(2015年)
http://www.cheerup777.com/kjs2.html
『Voyage』インタビュー(2015年)
http://www.cheerup777.com/hirado_voyage.html
quasimode『My Favorite Songs』インタビュー(2014年)
http://www.cheerup777.com/quasimode.html
『Speak Own Words』インタビュー(2012年)
http://www.cheerup777.com/hirado.html



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