暑い日も雨の日も涼やかで優しい青野りえさんの歌声を聴いていると気持ちが和らぎます。 2022年に2ndアルバム『Rain or Shine』インタビューでご登場下さった青野りえさんの新たなアルバム『Live in Tokyo 2022』が静かな話題を呼んでいます。『Rain or Shine』のリリースライブの音源で、ライブ会場と青野さんのネットショップ限定販売です。このアルバムが素晴らしくて!青野さんが大事にしている楽曲たちが新たな魅力を放っています。 今回はライブアルバムを出された経緯や、ライブ当日のこと、メンバーの皆さんのことなどを青野さんにお伺いしました。(2023年7月) ---今回のアルバム『Live in Tokyo 2022』は、2022年3月に神保町「試聴室」で開催された2ndアルバム『Rain or Shine』リリースライブの音源だそうですね。 このライブ音源をリリースしようと思った経緯について教えて頂けますか? 青野:もともと、2022年4月にTBSラジオ「アフター6ジャンクション」に出演が決まっており、番組内でオンエアするためにライブを録音する必要があったんです。その録音を佐藤清喜 (microstar) さんにミックスとマスタリングをしていただいてすごく良い音源になったので、一度のオンエアだけではもったいないので作品としてリリースしようということになりました。 佐藤さんがリリースしたら?と言ってくださったのも大きな後押しになりました。 ---『Live in Tokyo 2022』を聴かせていただき、素晴らしいメンバーの演奏、そして青野さんの歌声が臨場感たっぷりで贅沢な気持ちになりました。 ライブ当日の雰囲気や印象的だったエピソードなどお聞かせいただけますか。 青野:ライブ当日はまだコロナ禍だったので、お客さんも限定20名でした。昔から応援してくださっているファンの方がほとんどで、とてもアットホームな優しさを感じながら歌う事ができました。 レコーディング以来、初めてライブで演奏する曲ばかりで緊張感があったので、メンバーの皆さんのスリリングな演奏を楽しめたと思います。 途中でお客さんに録音することを話して、最後に「エンドロール」の2テイク目を演奏したのはここだけの話です。同じ曲を2回聴くライブは珍しいですよね。結局「エンドロール」はライブ盤に入りませんでしたし(笑)。 ---前回のCheer Up!インタビューでは、参加メンバーのうち関美彦さんについては詳しくお伺いしていましたが、他のメンバーの皆さんについて詳しくお伺いできませんでした。 伊賀航さん(bass)、北山ゆう子さん(Drums,Percussion)、山之内俊夫さん(Guitar)、長谷泰宏さん(Piano)、ミックス&マスタリングの佐藤清喜さん (microstar) について、お人柄や交流してのエピソードなど伺えますか? 青野:関さんチームのメンバーは固定で、関さんが信頼する方ばかりです。 そしてメンバーの皆さんも関さんの才能を絶賛していて、特別なリスペクトを感じます。 関さんがあまり語らずとも皆さんは関さんの意図がわかってしまうので、レコーディングやライブリハもびっくりする程短時間でさくさく進行します。 こんな現場は見たことがないです。 伊賀航さんとは一番長くて、伊賀さんが90年代にbenzoというバンドでデビューする前に、私はbenzoのコーラスのお手伝いをしていました。 出会いは吉祥寺のライブハウス曼荼羅で対バンしたのがきっかけで、私はまだ大学生でした。 伊賀さんは今や細野晴臣さんのバンドに参加するくらい大活躍されていますが、全く偉ぶることなく20代の頃と同じ感じで接してくれるので、そんな人柄がすごく好きだし尊敬しています。一番好きなベーシストです。 伊賀さんと同じく北山ゆう子さんも嘘のない人。関さんの曲やアレンジでも、良くないときははっきり違うと教えてくれる。言葉では言わないのですが、この2人の反応が良くないときは、関さんは容赦なく自分の曲をボツにします。 ゆう子さんがドラムを叩く時の恍惚とした表情を見るたび、音楽の神様が降りてきているんだなあと感じることがあります。 音楽の神様はそうそう降りてくるものではありません。すごい才能だと思うんです。 山之内俊夫さんは一見クールで中身は熱い、真っ直ぐな人だと思います。めちゃめちゃかっこいいフレーズをさらっと弾いてしまう天才。 tweedeesのサポートをされていた時にライブの打ち上げでお話しする機会があって、その時に関さんの話になり、関さんに私のソロアルバムのプロデュースをお願いしようと決意するきっかけになりました。 山之内さんが背中を押してくれた感じですが、ご本人は覚えていないみたいです(笑)。 長谷泰宏さんは細やかな気配りができてすごく几帳面な方です。 ゆるゆるな関さんチームの中で、譜面を起こしてくださったり、リハーサルの録音をしてくださったり、諸々の準備を抜かりなくサポートしてくださるので、今ではバンマス的存在になっています。 「九月の水」のピアノソロも繊細さのなかに情熱も感じられて素敵ですよね。 佐藤清喜さんは今回のライブ盤のキーパーソンです。 「あのライブ音源はとても良いからリリースしては?」と言ってくださったのがきっかけでしたし、それぞれの音を引き立てて立体感のある仕上がりは、佐藤さんにしかできない魔法です。 また、メール等でのやり取りも丁寧でお心遣いが感じられて(しかも速く!)、お仕事に対する姿勢も素晴らしく尊敬しています。 ---ここからは収録曲についてピックアップしてお伺いします。 冒頭の「Jingle 2022」、ピコピコした中に青野さんのハイトーンボイス、短いけれどインパクトある幕開けのジングルですね。関さんが作られたのでしょうか? 青野:こちらも「アフター6ジャンクション」に出演する際に、番組用に関さんが作ってくれたジングルです。 2ndアルバム制作時の「Rain Rain」のボーカルテイクが使用されています。 80年代のラジオで流れていたスタジオライブの雰囲気をイメージされたようです。 ---個人的には「九月の水」「Rain Rain」が特に好きなんです。伊賀さんのベースラインがどの曲でもかっこいいですよね。そして山之内さんのギターのカッティングとかギターソロもグッときますし、「九月の水」の終わり近くのピアノソロも印象的です。 「片影」は少しアルバムとは違ったアレンジですね。新たな魅力を感じました。 青野:ありがとうございます。「片影」は2ndアルバム制作の最後に急遽入れた曲で、時間的にギターと歌のみのシンプルなアレンジになりました。 自分の中ではこれでは未完成だと思って心残りがあったのですが、今回のライブ盤に収録の新しいバンドアレンジができた時に、これを世に出したい!と強く思いました。 このテイクを聴いて欲しくてライブ盤を作ったようなものです。 ---「さよなら、こんにちは」は関美彦さんの作品のカヴァーですか?普遍的な気持ちが歌われていると感じ、胸に沁みました。シンセのStringsも美しいです。この歌を収録することになった経緯を教えて頂けますか? 青野:この曲は関さんのカヴァーで、2ndアルバム『Rain or Shine』の先行特典のCD-Rに収録されていました。 こちらも「片影」と同じく、もともとアコースティックなアレンジだったのですが、ライブ用のバンドアレンジがとても良い感じになったのでライブ盤に入れました。 ラリー・カールトン風のリズムがお気に入りです。 ---アルバムの最後は、青野さんの1stアルバムのタイトル曲「PASTORAL」。 クールで素敵な曲で締めくくり。この日はアンコールもあったのですか?ライブが終わったあとのお気持ちはいかがでしたか。 青野:「PASTORAL」はアンコールで演奏しました。 最後の曲だったので、一番盛り上がったと思います。 ライブの後は、とにかく感謝の気持ちでいっぱいでした。来てくださったお客さん、メンバーの皆さん、スタッフの皆さんに支えられて、ありがたいなあ、幸せだなあと思いました。 ---そうだったのですね。もっと青野さんの歌声を聴いてみたい気持ちでいっぱいになるライブアルバムですが、3rdアルバムの構想は考えていらっしゃいますか? 青野:現在、3rdアルバムを制作中です。 The Bookmarcsの洞澤徹さんプロデュースの「Never Can Say Goodbye」を収録したアルバムを作る、というのは以前から公言していますので、その約束を果たしたいと思います。 ---それは楽しみです!最後に、今後の夢について教えて頂けますか? 青野:今後の夢は、自分のラジオ番組を持つこと。素敵な音楽をたくさん紹介する音楽番組をやりたいです。 そして、素晴らしいメンバーの皆さんの才能が集結したアルバム『PASTORAL』『Rain or Shine』が、もっとたくさんの方々に届くように頑張っていきたいです。 ---どうもありがとうございました。 『Live in Tokyo 2022』青野りえ 1. Jingle 2022 2. Waiting for you 3. 九月の水 4. Rain Rain 5. 片影 6. さよなら、こんにちは 7. 雨に唄えば 8. PASTORAL 発売日:2023/05/10 レーベル:aonote 規格品番:AONT-1004 価格:2,000円(税抜1,818円) 作詞:青野りえ(M6のみ関美彦) 作曲:関美彦 編曲:関美彦 with EASY PIECES 青野りえ(Vo. Cho.) 関美彦(Key. AG.) 伊賀航(B.) 北山ゆう子(Dr. Per.) 山之内俊夫(G.) 長谷泰宏(ユメトコスメ)(Pf.) ミックス&マスタリング:佐藤清喜 (microstar) ライブ会場、または【青野りえのサインCD屋さん】のみの限定販売です。 ◆青野りえ プロフィール 都会的なメロウ感と、無垢な透明感を併せ持つ歌声のシンガー。富山県出身。 1996年、亀渕友香率いるゴスペル・グループ"VOJA"のメンバーとしてデビュー。 沖井礼二(TWEEDEES/ex.Cymbals)のソロ・プロジェクト "FROG" にゲスト・ヴォーカルとして参加。またコナミ「pop'n music」「beatmania」等のゲーム音楽での歌唱や、資生堂、ユニクロの CMナレーション等、様々なレコーディング、ライヴ、TV、CM で活動している。 2017 年、関美彦プロデュースのもと、伊賀航、北山ゆう子、井上薫(ブルー・ペパーズ)ら参加の 1st ソロ・アルバム『PASTORAL』(VIVID SOUND)をリリース。 ジャパニーズ・シティ・ポップ/ AOR ファンの間で話題となった。 2021年10月、The Bookmarcsの洞澤徹が作曲・編曲・プロデュースを手がけた「Never Can Say Goodbye」を配信リリースし、好評価を得る。 そして 2022年3 月、待望の2ndソロ・アルバム『Rain or Shine』を FLY HIGH RECORDS からリリース。 青野りえ Official Web Site https://aonorie.com/ https://twitter.com/rie_aono https://www.facebook.com/aonorie.official https://www.instagram.com/aonorie/ YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UCsyQCI0Ecvg2D7PItoASRYw <Cheer Up!関連リンク> 青野りえ『Rain or Shine』インタビュー(2022年) http://www.cheerup777.com/2022aonorie.html |