涼し気な音楽、夏をさらに熱く盛り上げる音楽、夏の思い出に浸りたくなる音楽。さまざまなサマー・ミュージックを皆さんと分かち合いたくて企画した特集、どうぞお楽しみください。9月いっぱいぐらいまで募集しております。(2024年6月)

【参加メンバー】(50音順・敬称略)
藍田理緒/青木孝明/青野りえ/キナコ@キナコA/木村孝之/小出雄司/小宮山聖/サクマツトム/白浜 久/ 鈴木 恵/鈴木奈美/土橋一夫/ 三嶋令子/元晴/類家心平/渡来宏明

藍田 理緒(シンガー、声優)

こんにちは。藍田理緒です。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
夏の暑さは年々増し続けて、ジリジリと体力を奪いに来ている気がします。
子供の頃、無防備に、身軽に、太陽の下で駆け回っていた日々が嘘のよう。
今では容赦ない暑さと陽射しから身を守るために、私はありとあらゆる文明の利器を駆使して、大荷物で移動しています。
皆様も文明の利器を大いに活用して、どうかご自愛くださいね。

夏に聴きたくなる音楽、たくさんありますが、小学生の頃から大人になっても大好きなのはポルノグラフィティの「ミュージック・アワー」
しかも初めて聴いたのは街中とか歌番組とかではなくて…小学生当時通っていたそろばん教室の合宿なのです。
音楽がかかる中、ひたすらそろばんを弾き進級問題を解くという…。
もちろんそれがデフォルトではなく、通常は静かな部屋にそろばんを弾く音のみが響き渡っていましたが、そろばん漬けの合宿の中、先生方が少しでも楽しい時間をと考えられた、ちょっとしたボーナスタイムのようなものでした。
当時は歌詞の意味もそんなにわかっていないし、ただただメロディーとボーカルが気に入って、すごく楽しくそろばんを弾いた記憶があります。
少しだけ大人になって、初めて好きな人のいる夏休みを迎えた時、歌詞の意味がわかって、もっと大好きになりました。
ああ私“R.N.恋するウサギちゃん”だ!って思った瞬間、めちゃくちゃ嬉しかったな。

今だからこそ言語化できることですが、地球上のあらゆる音楽は、自分が世界と繋がっていること、世界のいちぶであることを、作り手と受け手と両方に感じさせてくれるものなんですね。
だから、出会った時に全部をわかることが出来なくても、人生のどこかでまた出逢うし、待っていてくれる。
私は今でもずっと、私を待ってくれていた音楽に抱きしめてもらうのを楽しみに日々を過ごしています。

叶うなら、私の歌も、いつかの誰かと、どこかで出逢って、その人を抱きしめていますように。
そっと背中を押していますように。
遠くに花火の音が聞こえる部屋で、「通り雨」という曲を聴きながらこの文章を書きました。

夏を短く感じる時、人生が輝いている気がします。
今年はどんな気持ちで夏の終わりを迎えてるかな。





【近況】

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人生で声が出なくなったのは過去一度だけでしたが、先月二度目を迎えてしまいました。
わずか2日、喋れなくて困るのはお仕事だけなのでまだ良い(良くはない)のですが、歌えないのはとても寂しかったです。
歌えない時は自分に歌えない曲を良く聴きます。Crazy: Bの「NA NA NA SUMMER NIGHT BeeAT」とか。
治りかけの元気が出てきた時に、気分を上げたくて聴いていました。この曲が発表されてからORANGE RANGEにずっと感謝しています。
また会えて嬉しい、しかもこんな形で。歳を重ねることの良さがちょっとわかってきた今日この頃です。
療養時からパウチタイプのゼリー食品にハマり、いまだに色んな種類のものを冷蔵庫に溜めています。






青木 孝明(シンガーソングライター)

季節が変わる度にその時に初めて出会った音楽を思い出し、聴く。
僕にとって夏を思い出す音楽は「ウイングス・USA・ライブ」だ。
それまで日本の音楽ばかり聴いていたが、中二の夏休み、友達から薦められてこの3枚組ライブアルバムを借りた。

夏休みが始まった土曜日の夕食時、茶の間で聴く、その頃のポール・マッカートニーの最新作、「ウイングス・USA・ライブ」。
Venus & Marsの12弦ギターの静かなイントロからRock Showで突然大音量に、そしてJet!。
これを初めて聴いた時の胸の高鳴りは今でも昨日の事のように思い出す。
世の中にはこんなに素晴らしいものがあるのか、と思ったものだ。
その時テーブルに座っていた、大音量に驚いていた(ような気がする)父も祖母も、もういない。

夏休みの終わり頃にはそれだけでは飽き足らず、ウイングス、ビートルズのアルバムを借りたり、買ったり、可能な限り聴きまくっていた。
そしてそれはその後の海外の音楽への興味の入り口になった。
後から聞くところによればこのライブアルバムは、純粋なライブアルバムではなく、スタジオ録音の演奏に歓声を付けて作ったものとのこと。しかし、それがどうした。最高であることには変わりはない。
因みに中三の夏休みはジミヘンに夢中になった。夕食時に家族で聴くのはちょっと難しかった。

【近況】
青木孝明 Melody Circle
https://mcrandom.exblog.jp/
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10月にバンドでのワンマンライブを予定しています。詳細未定。
サポートライブは下記に参加します。

ザバダック(ヴォーカル、ギターで参加)

「zabadak 真夏の夜の夢」
ZABADAK
 小峰公子(vo.,acc. )、青木孝明(vo.,g. )、楠均(vo.,dr. )
2024年7月5日(金) 開場18:30 / 開演19:30
会場:STAR PINE'S CAFE(武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1)
https://mandala.gr.jp/SPC/
チケット料金:前売4,800円 / 当日5,300円(予約・当日ともドリンク代別途要)
(全自由・TiGET予約受付順入場)
TiGET予約
https://tiget.net/events/316458
STAR PINE'S CAFE(スターパインズカフェ)
https://mandala.gr.jp/SPC/
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1

「第24回 ZABADAK LIVE〜私の罪は三千年〜in郡上八幡 照明寺」
出演:ZABADAK 小峰公子(Vo. / Acc. )
ゲスト:青木孝明(Vo., G. )
公演日:2024年8月24日(土)
会場:郡上八幡 照明寺 本堂
http://www.shomyoji.com/
岐阜県郡上市八幡町相生193
時間:OPEN 15:30 / START 16:00(チケット受け渡し開始:15:00より)
料金:3,500円(軽食付)
チケット:予約サイト https://tiget.net/events/324426
定員:100名
・インターネット予約受付URL https://tiget.net/events/324426
・問い合わせアドレス zabadak10566official@gmail.com

綿内克幸(ギター、コーラスで参加)

綿内克幸BIRTHDAY LIVE"MELLOW YELLOW"
7月27日(土)中目黒FJ's
http://fjslive.com
12時/ 12時半前売 \4200 / 当日 \4500
青木孝明(G)中原由貴(Perc)
ご予約↓
fspwatauchi@gmail.com 又はFJ's




青野 りえ(シンガーソングライター)

音楽を聴いて、身体がドキドキ、ワクワクして、つい踊り出したくなるような感覚、いわゆる「アガる」を初めて体験したのは確か小学四年生、10歳くらいのことでした。

当時の私は夜寝る前に部屋を真っ暗にして、枕元に置いたラジカセでお気に入りの音楽を聴きながら眠りにつくのが日課でした。
私の実家はかなり古く純和風の造りの家だったので、お洒落なポップスや煌びやかなロックに似合うような風景とは程遠くて、夜の暗闇の中でなら楽曲の世界に没入できる気がしていたのです。

とくに新しい音源を手に入れた時は、夜寝る前まで聴くのを我慢したりして、できる限りノイズのない状態で、初めて聴いた時に浮かぶ自分の想像の世界を子供ながらにとても大切にしていました。
今思えば少し風変わりな子供だったと思います。

田舎なので音楽の情報も少なく、テレビで流れる歌謡曲くらいしか聴いていなかった私でしたが、当時のクラスメイトのTさんはお兄さんの影響で洋楽をたくさん知っていて、よくおすすめの洋楽ヒット曲を集めたカセットテープを作ってくれました。
そのカセットテープに入っていた1曲が、Wham!の「Club Tropicana」です。

いつものように寝る前に布団の中で聴いていると、夏の夜の草むらに潜む虫の音、車から降りてパーティー会場へ近づく足音、やがて大きくなるイントロのリズムが始まると、なんだか身体の奥がそわそわしてきて、歌が始まる頃には身体中の血流がシュワーっと熱くなってきて、寝る前なのにもうすっかり元気になってしまったのでした。

まさに音楽で覚醒する、そんな初体験をした思い出の夏の曲は、今でも聴くたびに体温が上がってウキウキ、私を元気にしてくれます。



【近況】
青野りえOfficial Web Site
https://aonorie.com/
X(旧Twitter)
https://x.com/rie_aono

青野りえ3rdアルバム『TOKYO magic』が2024年8月12日配信リリースされます!
“海外から見たTOKYO”という視点で制作されたシティ・ポップの傑作!
今作は、ラジオやネットを中心に大きな話題となった先行配信シングル「Never Can Say Goodbye」「TOKYO スクランブル」を手がけた洞澤徹(The Bookmarcs)がプロデュース、作曲、編曲を担当。
“海外から見た東京=TOKYO”をキーワードに生み出される、ファンタジックで煌びやかな10曲は、70年代〜80年代の正統派シティ・ポップを踏襲しつつ、現代の東京の風景にもフィットする心地良さ!
…とご好評をいただいております。
ぜひチェックしていただけたら幸いです。

青野りえ『TOKYO magic』全曲試聴トレイラー
https://youtu.be/y7iXxKjMsrY
Spotify、Apple Music、他、各配信ストアへのリンクはこちら
https://big-up.style/GNTpGtTE3X
【青野りえのサインCD屋さん】←サイン入りCDを購入可能!
https://aonorie.booth.pm/items/5125059



『TOKYO magic』8/12配信リリース記念 「青野りえ×洞澤徹 生配信ライブ+鑑賞会」開催!
3rdアルバム『TOKYO magic』が8月12日に配信リリース(サブスク解禁)されるのを記念して、青野りえとアルバムのサウンド・プロデューサー洞澤徹による生配信イベントを行います。アルバム『TOKYO magic』を聴きながら全曲解説トークと、ミニライブを予定しています。
青野りえYouTubeチャンネルにて観覧無料(応援チケット有)
まだ語られていないアルバム制作秘話や、生放送でリスナーの皆さんのコメントを拾ってお喋りしながら、作品に込められた思いをたっぷりお話したいと思います。

日時:2024年8月12日(月祝)19:30〜(20:40頃までの予定)
場所:青野りえ公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/c/aonorie
料金:観覧無料(応援チケット有)
応援チケット(\500〜任意)*ご購入で未公開音源「Night and Day 〜Bossa Ver.」をダウンロードできる特典付き。
https://aonorie.booth.pm/items/5960722



キナコ(北九州産神戸発シンガーソングライター)

第一弾 「青い珊瑚礁」松田聖子

幼い頃、テレビの中にある人が出てきた瞬間画面がパァッと明るくなって見えました。その人の名を当時のままあえて、ちゃん付けで呼ばせて頂きます。
そう「松田聖子」ちゃん!!だーーー!!!!!
まさに♪天才的なアイドル様♪キラキラキラキラ光り輝いていて、聖子ちゃんが目に入っただけでテンション爆上がり。
そして聖子ちゃんが歌を歌い出すと理由はわからないけどむちゃくちゃ楽しくて、嬉しくて、テレビの前で「聖子ちゃん聖子ちゃん」とキャーキャーはしゃぎながら一緒に歌を歌っていました。観客は母、私の音楽人生の始まりです。

聖子ちゃんが歌う沢山のヒット曲は今もなお色褪せない名曲ばかりで、時代を超え愛され続け数々の歌手にカバーされ歌い継がれてきましたが(僭越ながら私も!)本コラムのテーマは「夏におすすめの曲」との事なので、圧倒的キラキラわくわくキュンキュントキメキ恋するサマー!な、かの名曲「青い珊瑚礁」について今日は語らせて頂きます。

ワクワク感MAXで駆け上がってくるスーパーイントロが流れ、聖子ちゃんのあの透明感と甘さと切なさが絶妙かつ唯一無二のバランスでブレンドされたミラクルハスキーヴォイスで「♪あー私の恋はー♪」が耳に飛び込んできた瞬間、脳内と体中にバッと広がる青い空!白い雲!なんか素敵な恋人!なんかキラキラした気持ち!あああ海行きたい!海!!そうだ 海、行こう!わー!!!って走り出したくなります。

そして今年驚いた出来事。世界中で人気爆発中の韓国のガールズグループNewJeansが日本でのコンサートの際、日本の曲をカバーするコーナーでメンバーのうちの1人ハニちゃんがなんと「青い珊瑚礁」を歌ったんです!!
衝撃の選曲に東京ドーム割れるほどの驚きどよめきと大歓声!!さらに驚いたのはドームの客席中から聖子ちゃんの時のお約束の合いの手が起こった事!大合唱!!
NewJeansの客層はK-POPの中では年齢層広いといえど...なんで合いの手まで知ってるの!?みんな何歳なの!??
2004年生まれの韓国のアイドルが1980年の日本のアイドルの名曲を歌うだけでも伝説的なのに、そこに集った人々から大合唱の合いの手が起こるっていうのが1番の伝説ですよ!だって今2024年ですよ!??凄すぎる!!

つまりそれだけ「青い珊瑚礁」が時代を超え更には国境も超えて愛され続けているスーパースーパー超名曲だという事ですよね、感動。
そしてハニちゃんが歌った事がきっかけで今韓国では「青い珊瑚礁」が大ヒット中だそうです、更にそれにより松田聖子ちゃんも知られ「日本にドドド天才的アイドル様がいる!」と今韓国では聖子ちゃんの曲が流れまくってるんだとか!またもや感動。
アイドルを最高に輝かす、聴く人々を最高にハッピーな気分にしちゃう超名曲「青い珊瑚礁」いやはや、凄い。

今や日本の夏はなかなかに、いや相当にしんどい季節になってきて夏が大大大好きな私でさえも「くっ、、夏め、、、」と憎くなる時がありますが、この曲を聴くと「やっぱり夏が好き!大好き!!」ってキラキラ明るい気持ちになります。そして海に行きたくなる。そうだ、海!行こう!南の風に乗って、青い風 切って、走っていこうー!!!

2024.8.1 キナコ



第ニ弾 「唐船ドーイ」沖縄民謡

お盆。皆様お盆いかがお過ごしでしょうか?
お盆の思い出といえば子供の頃は近所の盆踊りでした。近所のグラウンドにそこそこ立派なやぐらが組まれ陽が落ちるとわらわらと人が集まりスピーカーの割れた爆音で歪んで聞こえる音楽に合わせ盆踊りを踊る。特に盆踊りが好きというわけではありませんでしたが、一曲踊るとラムネの棒アイスが一本もらえるのでアイス目当てで毎晩せっせせっせと踊りに行ったものです。

しかしながらお盆とはそもそも「ご先祖様を家に迎え入れてもてなし自分達が今ここにあることへの感謝を伝える先祖供養」の行事。
お墓参りには行っていたけれど、迎え火・送り火は住宅事情的に炊いた事はないし茄子やキュウリで精霊馬を作った事もない私。「ご先祖様をおもてなしする」というのはどういう事なのかいまいちピンとこないまま漠然と「おかげさまで元気に暮らしております」と心の中で感謝し、ラムネの棒アイスを齧っておりました。

そんな私がはっきりと「ご先祖様のもてなし方」を知ったきっかけは沖縄民謡でした。
ご縁があり沖縄唄者・平安隆師匠に沖縄民謡を学んでいるのですがその中でひときわ強く胸に響いた曲が「唐船ドーイ(とうしんどーい)」という曲で「唐(中国)から船がやってきたぞー!見に行こう!」とワイワイ船を見にいく非常に楽しい曲です。この曲はおそらく沖縄民謡を知る人みんなが大大大好きな曲で「エイサー」にも用いられる曲です。厳密にはエイサー専用の曲というわけではないのですが、エイサーの最後に演奏される事が非常に多い曲でもあるので、今回はあえてエイサーに絡めてご紹介させていただきます。

「エイサー」とは先程話題に上げた「盆踊り」にあたる沖縄の伝統芸能のひとつで、旧盆の夜に地域内を踊りながら練り歩く行事です。
東京だと中野や新宿でエイサーが開催され観る事が出来るます。初めてエイサーを観た時はただただ圧倒されました。とにかく凄い迫力!
地方(唄い手)の三線と唄に合わせ声をあげながら、大きな太鼓を抱き抱え打ち鳴らしながら踊る人達、その迫力、躍動感と美しさに引き込まれ、体中から「生」というか喜びみたいなナニカが込み上げてきます。ナニカ神聖なものがジワーッと染み渡ると共に自然と体が動いてしまうような、そう、踊り出したくなるような。
そうして生命力、生きている喜びパワーみたいなナニカが沸点に達する頃に満を持して流れてくる曲が「唐船ドーイ」なのです。三線と太鼓のテンポがドンドンと上がり「♪唐船ドーイ さんてーまん いっさん走えーならんしやー♪」と唄が唄われるやいなや、待ってました!と観客も皆立ち上がりわぁわぁと踊り出す。この瞬間のテンション爆上がり方、凄い、本当に凄い、踊れる踊れない関係なく、見よう見まねで両手を左右にゆらしながら踊りたくなる。踊ってしまう。なぜか笑いが込み上げてくる。みんなみんな笑ってる。わけがわからないけどとにかく楽しくてしょうがない。
この両手で風をかき回すように踊る踊りがいわゆる「カチャーシー」と呼ばれるもので、沖縄方言の訛で「かき回し」という意味の踊りで演奏会や宴席のクライマックスとして踊られるものです。だからエイサーの最後もやはりカチャーシーでうんとはしゃいで盛り上がって楽しんで終わります。

個人的な話になりますが昨年最愛の祖母を亡くした直後、ある沖縄フェスで私は平安師匠のステージにコーラスとして参加させていただいてました。その時平安師匠がMCでお盆のお話をされ「今ここにいる皆さんの家族やご先祖も一緒に楽しみにここに来ているよ、だからうんと楽しもうね、楽しんでもらおうね」と、この「唐船ドーイ」を唄い出されました。大盛り上がり。ステージの上から見た皆さんの「カチャーシー」は本当に壮観で、変な言い方..天国にいるような感覚になりました。皆なんて幸せそうなのって。そして顔を上げると夕焼けの夏空が広がっていて、そこにおばあちゃんがいる。おばあちゃんが笑って観てくれているのをはっきりと感じました。気がついたら泣きながら笑って唄い踊ってました。♪ハイヤセンスルユイヤナ イヤ サッサ♪

こうして私はお盆において「楽しんでもらう事」がご先祖様へのおもてなしで、楽しんでいる姿を見せる..元気に生きている姿を見せる事がまさに「自分達が今ここにあることへの感謝を伝える」最大の先祖供養なのだと知りました。
お盆に限らず、いつでも、なのだけど夏そしてお盆という事で書かせて頂きました。

おばあちゃん、この夏も私の唄を聴いて楽しんでくれてますか?私もおかげさまで元気に楽しく生きてるよ。ありがとう。

と、ラムネの棒アイスを齧りながらこのコラムを書いている2024年、夏。

2024.8.15 キナコ






【近況】
※キナコさんは3回、サマーミュージックをご紹介してくださるそうです!お楽しみに♪(編集部)

キナコOfficial Web
https://www.kinako-uta.com/
X(旧Twitter)
https://x.com/KINAPOOON

【LIVE】8/24(土)幡ヶ谷36°5
36°5presents!『Music Bowl vol.109』
開場18:30 開演19:30
CHARGE \3000(別途1drink \600)
出演/キナコ・カトウマサタカ・赤羽一成(THE CHESS)





木村 孝之(The Laundries)

なんとも記憶とは曖昧なものである。年月が経てばなおさらである。苦い記憶も甘酸っぱい記憶も自分のさじ加減でひん曲げられたりできる。もはや事実とことなっている事もしばしば。近年では量子力学、パラレルワールドなんて時空を超えた壮大な話しになっている。感情も自分のさじ加減次第なのだが、コントロールするのはなんとも厄介で、ネガティブな感情もポジティブな感情も全て受け入れる、というのが正しいのだけど、そんなに人間は高性能でもない。
そんな感情を整えてくれる自分オススメの曲は、去年よりはまっているharuka nakamura。その中から、2023年11月に配信リリースされた『青い森 U-蔦屋書店の音楽』。できればトータルで聴いて頂きたい。
心も体も正しい位置に戻して、夏のほてった体と頭を常温に戻してみませんか。

『青い森 U-蔦屋書店の音楽』haruka nakamura


【近況】
The Laundries Official Web
https://the-laundries.jimdofree.com/
X(旧Twitter)
https://x.com/The_Laundries

年内にthe laundriesは久しぶりにライブを行う予定です。
また、dj &liveイベント、ネオアコパビリオンは鎌倉ディスクブルーベリーにて年内2回開催予定です。

リリース情報
『The Selection of The Laundries』 [*blue-very label*]

10trks.LP 3,800円+税
発売日 2023年11月3日(土)




小出 雄司(HUSH)

あれは学生の頃だった。
義務教育を経てモラトリアムの真っ只中。

ありあまる時間の使い道を持て余しながら
夏休みに突入したばかりの宵の口。

知り合ってまもない女性と連絡を取っていた。
「好きな音楽は?」「好きな映画は?」
彼女の返答が見事に僕のツボをおさえてくる。
少しずつ彼女に惹かれてることにも気付いている。
でもまだ電話で話す勇気はなかった。
引き返そうと思えばいつでも引き返せる場所から
もう少しこのやりとりを楽しみたいと思ってたのかもしれない。

あっという間にテレビは砂嵐。
眠くなるのを忘れて僕たちは携帯の画面に夢中になった。
次第に話す内容は薄くなっていく、
返す言葉も短くなっていく、
それでも返信頻度のスピードは落ちることはない。

やがて空が明るくなり陽が顔を出すころ
彼女からの返信が途絶えた。
僕は少し物足りなさを感じながらコンビニへ出かけた。
何も意図せず手に取ったみかんのアイスバー。
帰宅への道すがらぺろりとたいらげてしまった。
みかんの果実が大きくて食べ応えがあった。
そんな些細なことを誰かに伝えたくなった僕は
彼女に「寝ちゃった?」とメールをした。

部屋に入り、音楽を聴きながらうとうとしていると
20分近く経った後に携帯の着信音が鳴った。
「起きてるよ。」

そのとき部屋で流れていたのがこの曲だった。

FISHMANS - あの娘が眠ってる

【近況】
HUSH Official Web
http://hushjp.jimdo.com/
X(旧Twitter)
https://twitter.com/HUSH_JP

僕たちは5人組のロックバンドです。
メンバー全員所帯を持ち、遠方で暮らすメンバーもいます。
ですので、メンバー全員が揃うことはしばらくありませんし、今後もその予定はありません。
しかし、楽曲制作は常に水面下で続けております。

全員作曲用に音楽用ソフトDAWを導入しています。
メインソングライターである僕を中心に
@バンド全員
A個人
B限られたメンバーのみ
C外部とコラボレーション
上記の4パターンを駆使して
新曲リリースを頻繁にしています。

台湾のCMや番組で使われることの多い
「Ready For The Blue」@


僕たちの曲の中でも露出度が高かった
「Do What You Want」@


メンバーが鳴らした音をDAW上で編集&再構築した
「Moratorium Boy」@


トラックは個人で作成し、メンバー全員で歌のみ歌った曲。
「Baby Come Back」A

過去の既存曲をメンバーが個人でリメイクした曲
「Interstellar Overdrive」A


ラップを録音してたメンバーと外部トラックメイカーがコラボした曲
「sustainable junkies」C

メインソングライターではないメンバーと一部のメンバーと共に仕上げた曲。
「TourinGOOD」B


メインソングライターと外部のソングライターとコラボした曲。
「Long Way Home」C

メンバーが単独で仕上げた宅録曲。
「NIght And Day」A




小宮山 聖(ザ・カスタネッツ)

僕は幼少期、
海沿いの田舎町に住んでいました。
夏休みになると毎日のように
友達と海水浴や魚釣り。
ある時はバナナの貢物を携えて
山に暮らす猿の群れに挨拶に行ったりと
自然に囲まれて暮らしていたのを
たまに思い出しては懐かしくなります。
遊んだ後は、隣に住んでいた祖母が
庭先で作ったスイカを食べて昼寝。
そんな暮らしも早50年近く前のこと。
今では「夢でも見てたのかな」
とさえ思われます。

そんな薄れゆく記憶ですが
不思議なことにスイカを食べると、
鼻から抜けるスイカの匂いとともに
あの頃嗅いでいた潮の香りや海から上がった後の
水シャワーの冷たかった感覚が
昨日のことのように鮮明に蘇ってくる時があります。

匂いの記憶って凄いね。

そんな僕が暑い日に聴きたくなるのは
Big MountainのBaby I Love Your Wayです。
あっつーい日にこれ聴くと
不思議と涼しくなるんですよね。

【近況】
ザ・カスタネッツ
https://the-casta.net/
小宮山 聖 X(旧Twitter)
https://x.com/SeiKomiyama

2024/7/13(土)下北沢CLLUB QUE
“CLUB Que 夏ノ陣 -RETURN TO NATURAL-2024”
勝手にしやがれ vs ザ・カスタネッツ
OPEN/START
18:15/19:00
チケット
[観覧]ADV.¥3,800/DOOR.¥4,300 [1D別]バンド Que店頭 [16:00〜21:00] 5/12〜 LivePocket 5/19 10:00〜 イープラス 5/19 10:00〜 ローチケ 5/19 10:00〜 [PPV/配信] ¥2,800 bitfan 5/19 19:00〜7/18 19:00(視聴期限23:59まで)




サクマ ツトム(ハックルベリーフィン)

ハックルベリーフィンのvo.gのサクマです。
夏のオススメとして私があげるのは、アルバムでHuey Lewis & The News『sports』です。



リリースは1983年、僕が中学一年生ぐらいですね。なんともご機嫌なロックンロールナンバーばかり。当時カセットテープに落として聴くのが主流で、僕はこれをA面とB面を間違えて録音してたなんて思い出もありますww
このバンドはこの後に、バックトゥザフューチャーで爆発ヒットになる訳ですけど、このアルバムから感じられる良きアメリカの西海岸サウンドが、行ったことないのに勝手にイメージ膨らましてワクワクして聴いてました。

【近況】
ハックルベリーフィン Official Web
https://www.hucklejp.com/
サクマツトム X(旧Twitter)
https://x.com/sakuben0301

ハックルベリーフィンは今年でデビューから25年が経ちました。この度キングレコード時代の音源がサブスク解禁にもなったので、是非この夏に聴いてみてください〜。
https://bio.to/HUCKLEBERRYFINN_King




白浜 久

July morning(邦題:7月の朝)/ Uriah Heep



英国ロックバンド ユーライア・ヒープが1971年(日本は翌年春)に発表したアルバム「Look at yourself」(邦題:対自核)のA面最後の曲で10分もあった。
ビートルズ解散後のロックシーンはと言うと、ボーカリストはギターやキーボードのソロの合間にちょろっと歌うだけで、楽器奏者がイニシャチブをガッチリ握ったバンドが主流だったから間奏は勿論、イントロやエンディングもやたら長い曲が多かったのだ。
ヒープも似たり寄ったりではあったけど、シンガーのデビッド・バイロンのハイトーンは一度聴いたら忘れないほどの存在感だったし、メンバー全員による分厚いコーラスも素晴らしく他のプログレバンドとは一線を画していた(と思う)。
当時の日本のレコード会社はというと「PA1600ワット!」というなんともアホらしい宣伝文句をつけて(要は音がデカいと言いたかった)多くの音楽誌に売り込みをかけていた。
まぁその甲斐あってか、ボクもまんまと乗せられこのアルバムを買わされたわけだけど。
高校1年の1学期末テストが終わるやその足でレコード店に駆け込み、¥2.000のアナログ盤を手に入れ、文字通り擦り切れるまで聴いたな。なかでもこのJuly morningは起きがけの一発として夏休みが終わるまで、その座を頑なに守り続けた。

あれから半世紀以上経つけど、朝からうだるような暑い日には今でもたまに無性に聴きたくなる。
ゲリラ豪雨も線状降水帯も、熱中症もコロナもPM2.5もなく、若者が未来に希望を持てたあの時代。
あの頃の青い空を忘れたくないからなのかもしれないな。

【近況】
白浜久 Officialサイト
http://pandars.net/

Live information
2024年7月27日(土):TAKUJI, HISASHI & TOBEN live at RUTO (sold out)
※小山卓治、湯川トーベンと白浜久の3人からなるコーラスユニット。2023年暮れに結成。

2024年7月28日(日):金尾よしろう Live at Silver Back
2024年8月2日(金):金尾よしろう Live at Younger than Yesterday
2024年8月25日(日):金尾よしろう Live at 中央林間ハイダウェイ
2024年9月28日(日):金尾よしろう Live at Silver Back




鈴木 恵(鈴木恵TRIO/EXTENSION58)

2024年の夏オススメのナンバーは、もう断然、LENNY KRAVITZの新曲『HUMAN』ですね。



レニーと言えばやはり『自由への疾走』。洋楽ファンならずとも「このギターのイントロは聴いたことがある!」って方も多いと思います。楽器屋でエレキギターや歪み系の踏み物の試奏はやはりこのフレーズですよね。今やT-REX『20th Century Boy』のイントロまで席巻しているほど。(今や、の今っていつのこと言ってんの?ってくらい時代止まってますが)
余談ですが、シンセの音出しならVAN HALEN『JUMP』一択です。殿堂入り。

あとは何と言ってもやはりあの「フライングV」姿ですよね。僕は単純に「あのイカついフライングVをお茶の間に持ち込んだ張本人=ロックスター」だと思っています。

目を閉じて時代を振り返れば『It Ain't Over 'Til It's Over』を聴きながら、恋人と過ごした甘酸っぱい夏を思い出します。
そして天性の美少女、VANESSA PARADIS『Be My Baby』に世のレコードリスナー男性陣は、その美貌、歌声、そしてサウンドにノックアウトされたことでしょう。

レニークラヴィッツは、僕らに「ロックとポップの上手な楽しみ方」をよりカッコ良い形で、そしてよりわかりやすい方法論で伝えてくれた偉大なるミュージシャンだと思うのです。



その上で、今年出た新譜『Blue Electric Light』。正直、ぶっ飛びました。
代表曲『HUMAN』の稀に見るフレッシュネス感は一体何でしょう?AZTEC CAMERA『Oblivious』を彷彿とさせるイントロ、中間部はまるでTHE STYLE COUNCILよろしくブルーアイドソウルの逆輸入感、シンプル・イズ・ベストなリズムの脱力感、などなど。2024年の今、レニーから発信された音楽がこんなに僕らの胸を打つとは誰が予想したでしょう?歳を重ねて渋くなるどころかさらに清涼感アップですよ。
前述の通りノスタルジーを和音やヴィンテージ楽器で盛り込むいわゆる「レニーマナー」も全く変わらない彼の新曲。僕には今年、人生何度目かのレニークラヴィッツ・ブームが舞い降りています。

併せて『HUMAN(Remixes)』という8バージョンが収録されたものもストリーミングで楽しめますので、ドライブや家事、様々なシーンでどうかお聴きになってみて下さい。胸が熱くなって、サマーブリーズどころじゃないかもしれないですが、笑。

Lenny Kravitz - Human (Official Music Video)


【近況】
<ライブ予定>
音楽百景#54「からすぐち/鈴木恵TRIO/尾瀬四郎とすなめり座」
〜音で塗ったり描いたり〜

良質なポップ・ミュージックをお届けする老舗企画「音楽百景」の54回目。
今回は、東京より男性フォークデュオ「からすぐち」さんをお迎えします。90年代東京のフォークロックシーンの筆頭「ヨシンバ」としてデビュー。以降メンバーチェンジ等を経て、2021年再びフロントマンのお二人がカントリーフォークデュオ「からすぐち」を結成しました。
現代の「サイモン&ガーファンクル」と呼ぶに相応しい素晴らしいハーモニー、そして西海岸フォークロックのフレーバーを今に伝える唯一無二のアコースティックギターのアンサンブルは必聴です。
現在、吉井(vo,g)さんは「ヨシンバ」「カランツバターサブレ」のフロントマンとして活動。一昨年までは「ザ・ぶどうかんズ」のメンバーとしてNHK「シャキーン」にも出演していました。五目亭ひじき(g,vo)さんは「ミチマチガエタズ」に加え、様々なサポートギタリストとして活動。また、地元FM局音楽番組のパーソナリティという顔もお持ちになっています。
音楽も、そしてお喋りも、本当に楽しいです。是非、いらして下さい。
共演は、新潟の「鈴木恵TRIO」「尾瀬四郎とすなめり座」。

【日時】2024年8月11日(日) OPEN18:00 / START18:30
【会場】沼垂ビアパブ (〒950-0075 新潟市中央区沼垂東2-9-5)
【料金】前売¥3,000 / 当日\3,500(1ドリンクオーダー制)
【出演】からすぐち(東京) / 鈴木恵TRIO / 尾瀬四郎とすなめり座
【ご予約】沼垂ビアパブ 025-383-8720 / 鈴木恵Official Site のご予約フォーム / 各出演バンドのSNS より

<TRIOワークス>

「GFGS CARLIFE」イメージソングを共同制作しました。

新潟県加茂市より「完全受注生産」のオリジナルカットソー・ORDER BORDER(オーダーボーダー)を全国へ発信するアパレルメーカー「G.F.G.S.」と「鈴木恵TRIO」のコラボレーションがついに実現しました。

「G.F.G.S.」小柳雄一郎代表 × 「鈴木恵TRIO」鈴木恵
この2人のクリエーターががっぷり四つに組んで挑んだ共作、タイトルは「ROCK’N ROLL MAGIC」。
懐かしくて新しい、いつの時代も色褪せない曲を目指して制作された今作品。これからスタートする「GFGS CARLIFE」の前途を予感させる痛快で軽快なポップナンバーです!キャッチーな映像がより楽曲を華やいだPOPソングへと昇華してくれました。YouTubeにて絶賛公開中です。



<レギュラー開催中>

・毎週金曜22:00より
インスタグラムライブ「TRIOの気まぐれヒツジ放送局」
・雑談&演奏の番組を定期的に配信中。
@suzukisatoshi_trio

<インフォメーション>

鈴木恵 Official Site
https://suzukisatoshi.com
鈴木恵 Instagram
https://www.instagram.com/suzukisatoshi_trio/
鈴木恵 Facebook
https://www.facebook.com/szkststrio
鈴木恵 X(旧Twitter)
https://x.com/szkststrio





鈴木 奈美(キーボーディスト、アレンジャー)

『さよなら夏の日』



アルバム「Thousands of Covers Disk1」
リリース  1987年

作詞、作曲   山下達郎
編曲      朝川朋之
歌       広瀬香美

今から20年くらい前、スタジオから出てきたらロビーで流れていたこのサウンドに一瞬にして心を掴まれました。

受付に走りCDだったことから『もう一度最初から聴かせて欲しい!』とお願いを聞いていただき…
イントロからもう素敵で、サビで我慢していた涙がドバーッ。
最後まで涙は止まらず、しばし放心状態となりました。

山下達郎さんのオリジナルも大好きなところ、ストリングス・アレンジものが好きなこともあり、朝川朋之さんの美しいオーケストレーションの素晴らしさ、広瀬香美さんの伸びやかな歌声に心を射抜かれてしまいました。
どんどん打ち寄せてくる音の波に、こんなにも心を動かされたのは初めてでした。

歌唱力ゼロの私ですが、後半、オケの盛り上がりで気持ちが高揚して、両腕を広げて熱唱したくなるのは今も変わりませんwww

この曲に出逢えてとても嬉しいです!



【近況】
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスからピアノ曲集、ぷりんと楽譜、月刊ピアノなどピアノアレンジ譜を多数発刊中。





土橋 一夫(FLY HIGH RECORDS主宰/構成作家)

夏と言えば、アウトドアにはまっていた小学校〜高校時代のことを思い出す。私の父は若い頃、会社の山岳部に所属して、日本の名だたる山の多くを制覇したほどの山好きだった。そのせいもあって、私は幼い頃から父と一緒に秩父や奥多摩などへ山歩きに出かけることも多く、さらに中学に入ると同級生に山好きがいたこともあって、一緒に出かける機会も増えた。奥多摩の高水三山に始まり、川苔山、霧藻ヶ峰といった日帰りの低山から、両神山、富士山、谷川岳、那須茶臼岳、安達太良山、木曽駒ヶ岳といった泊まりのコースまで、この頃は休みになると色々なところへ足を伸ばした。

そして高校では「天象部」というクラブに入った。これは天文部と地学部が一緒になったようなところで、天体観測から地質調査まで、自然に関する様々なことを研究し発表するサークルだった。実際、クラブの中には太陽班、気象班、星雲・星団班、流星班、惑星班、地質班というグループがあって、部員はそのいずれかに所属しなければならない。太陽班は基本的に毎日、太陽黒点の観測を、気象班は毎日16時からラジオの気象通報を聴きながら天気図の作成を、星雲・星団班と流星班、惑星班は主に週末や休みの時期に合宿を組んでそれぞれの観測を、地質班は地元中心に地質調査に加わったり、ボーリング調査をしたり、というのが主で、それ以外に1年生の時には交代で百葉箱の機器を毎朝チェックして、気温、湿度、気圧、天気などのデータを取るというのが主な活動だった。年に何度かは秩父の城峯山や美の山に行ったり、また高校に泊まり込んで屋上で星の観測をすることもあった。しかし星や惑星に関する班は夜が主体の活動なので、当然放課後はやることがなく、私たちは草野球に興じることになる。ちなみに私は地質班と流星班を兼ねていた。

そんな緩いクラブ活動だったが、年に一度、夏休みになると全体合宿、つまり所属班に関係なく1年〜3年まで全員参加の泊まり合宿が行われた。場所は星空が美しく見えるところ。1年の時には車山高原で、そして2年の時には日光の戦場ヶ原近くのキャンプ場でテントを張った。

この合宿では主に流星観測が行われた。8月に入ると、特に明るい流星が多く流れることで知られるペルセウス座流星群が中旬に極大期を迎えるため、それに合わせて毎回、日程が組まれた。現場では10人で1つのチームを組む。そして東西南北、その間(北東、南東、南西、北西)を入れた8方位にそれぞれひとりずつ担当を置き、それぞれが円を描くように等間隔に並んで寝転び、天を仰ぐ。さらに天上担当の1人を加え、この9人が空を見ながら数時間、自分の担当する空域に流れる流星をその場で口頭で報告するという、原始的なやり方だ(ちなみに残りの1人は記録担当で、報告された流星が見られた時間、明るさ、方位、流れる早さ、流星痕の有無、流星群の輻射点から流れたものかどうか、といったことを即座にメモする)。2年の時に訪れた戦場ヶ原では空の条件も良く、一夜で200個以上の流星を観測することが出来た。また観測前、19時頃にテントの前で飯盒炊飯をしているときには、マイナス4等クラスの非常に明るい火球(大きな流星)も目撃した。爆発音を伴いながら空を切り裂く流星を見たのは、あれが初めてだった。

あの夏の夜空のイメージが未だに強いのか、だから私は8月を迎えると決まってこの曲のことを思い出す。それは吉田美奈子さんの「恋は流星」(1977年のアルバム『TWILIGHT ZONE』に収録)。初めて聴いたのは高校時代。ラジオから流れてきたこの曲は、ちょっと大人の世界を感じさせるゴージャスなサウンドと、美奈子さん独特の歌声がすごく魅力的で、すぐに好きになった。私はまだ十代半ばから後半にかけての年頃だったが、当時は目一杯背伸びをして、大人たちが作る音楽に本気で向き合おうとしていた。そしてその頃の探求心があったからこそ、今がある、そう真剣に思っている。

『TWILIGHT ZONE』吉田美奈子


【近況】
FLY HIGH RECORDS関連のリリース情報

The Bookmarcsのニュー・シングル「Maybe」リリース



AORやCITY POPを基調とした楽曲を提供してきたThe Bookmarcsが、R&B、ソウル、ドリームポップの要素をシームレスに取り込み、新たなフィールドを目指した意欲作であるニュー・シングル。2024年8月22日に配信リリース。
The Bookmarcs Official Web Site http://smallbirdrecords.com/

玉城ちはる メジャー・デビュー10周年を記念したミニ・アルバム『笑顔の花』リリース



今年、メジャー・デビュー10周年を迎えた玉城ちはるの最新ミニ・アルバムは、シンガー・ソングライター奥華子が作詞・作曲した「笑顔の花」を含む、充実の1枚。玉城ちはるが日々の活動の中で体現する「苦しみと葛藤」「多くの喜び」…そしてそれらの両方が存在するからこそ、そこから生まれる「笑顔」。そんな彼女自身の日常に根ざしたストーリーから紡ぎ出される、笑顔溢れる温かな作品だ。また収録曲「夢よりも儚き世の中で」は、優れたアジアのドキュメンタリーを世界へ配信する「アジアンドキュメンタリーズ」のテーマソング。
なおメジャー・デビュー10周年を記念した「玉城ちはるコンサート〜笑顔の花〜」も10月17日に高崎芸術劇場スタジオシアターで開催予定。

[作品概要]
『笑顔の花』玉城ちはる
VSCF-1779(FRCD-076)/2,000円(税込)
12cm CD(紙ジャケット仕様)/2024年10月16日リリース
レーベル:FLY HIGH RECORDS/流通:ヴィヴィド・サウンド・コーポレーション

[収録曲]
1. 笑顔の花(作詞・作曲:奥華子/編曲:小泉信彦)
2. 女札匁(作詞:玉城ちはる/作曲:鈴木敦史/編曲:小泉信彦)
3. 夢よりも儚き世の中で(作詞:玉城ちはる/作曲:菅大祐/編曲:永田ジョージ)※アジアンドキュメンタリーズ テーマソング
4. 笑顔の花(インストゥルメンタル)
5. 女札匁(インストゥルメンタル)
玉城ちはる Official Web Site https://tamakichiharu.com

担当ラジオ番組放送中!
・K-mix(静岡エフエム)『ようこそ夢街名曲堂へ!』
毎週土曜21時〜21時55分 オン・エアー
出演:土橋一夫/近藤健太郎/洞澤徹/青野りえ/清浦夏実
Official Web Site https://yumemachi.hatenablog.com/
※Radikoプレミアムを使って全国で聴取可。

・渋谷のラジオ『さはしひろし』
毎月最終木曜22時〜23時 オン・エアー
出演:佐橋佳幸/延江浩
構成・選曲:土橋一夫
※放送翌月の3週目または4週目の木曜(本放送の1週前)22時から再放送あり。
渋谷のラジオ Official Web Site https://shiburadi.com
※スマホ・アプリRadimoやPCなどを使って全国で聴取可。




三嶋 令子(Cheer Up!編集長)

学生時代の夏休みはいつも吹奏楽コンクールと共に。ハチミツレモンの甘酸っぱさ。スネアドラムの練習をする横目には、プールの水がキラキラ光って涼しそう。
「波の見える風景」を聴くと、そんな光景がリアルに蘇ります。



「波の見える風景」は吹奏楽コンクールの課題曲。作曲者の真島俊夫氏はブラバンっ子ならみんな大好き「宝島」の編曲者。
「宝島」のオリジナルはT-SQUAREの爽やかなナンバーだけど、真島氏のアレンジで踊り出したくなるようなラテンパーカッションで始まり、各楽器の見せ場もたっぷりの華やかな曲に生まれ変わっています。
一方、真島氏を一躍有名にした「波の見える風景」は、寄せては返す波や海の持つ多様な面を表現した交響詩。
冒頭のグロッケンシュピールのフレーズが、波のきらめきを感じさせます。

水に光が当たってキラキラした様子を表現したくて、どれだけグロッケンを練習したことか。この曲を聴くと、吹奏楽に取り組んだ10年分の思い出が寄せては返し、心地良い放心状態になってしまうのです。

夏に私の心を震わせるもう一曲は「オレンジサンシャイン」。
これまた学生時代に打ち込んだエレクトーン。塚山エリコさんのオリジナルで、タイトル通りの明るく華やかな16beatの曲。ちょっと難しかったけれど、全身で演奏する楽しさを体感できて大好きな曲でした。
と同時に、この曲は、私がエレクトーンを上手くなりたくて仕方なかった、でもなかなか上達できなくてもがいていた頃の苦しさや、ただひたすらに弾くことが楽しかったことも思い出させてくれます。

そんな「オレンジサンシャイン」との再会は2022年。
塚山エリコさん(key)、土方隆行さん(gt)、コモブチキイチロウさん(eb)、渡嘉敷祐一さん(ds)という長年日本の音楽シーンを彩り続けているベテランたちによるバンドPoppin'4の2ndアルバム『from TOKYO』に、この「オレンジサンシャイン」が収録されていて、その演奏を聴くと本当に幸せな気持ちになれます。



夏になると聴きたくなる音楽。切なくなる音楽。思い出が蘇る音楽。他にもたくさんあります。
フリッパーズ・ギターの「Summer Beauty 1990」、ワルター・ワンダレイのアルバム『サマー・サンバ』(アルバム原題はRain Forest)、Roman Andrenの『ファニータ』、カシオペアの「THE SOUNDGRAPHY」(グアムで撮影のマクセルのCM覚えてますか?)、いくらでも出てくるのですが、ここから先は自分のブログでゆっくり綴ることにします。

【近況】牛乳寒天を作ることにハマっています。





元晴(サックスプレイヤー/ ex-SOIL&"PIMP"SESSIONS)

ボストンの夏は気持ちが良い!
厳しい冬を超えると一気に夏になって、みんなフライング気味にタンクトップと半ズボンになる。
野外ステージでのライブもたくさん開催され、無料で観られるフリーライブも豊富。貧乏留学生のわたくしにとっては本当に素晴らしい環境だった。ソニーロリンズやSoulive feat.ジョンスコフィールドなど当時流行りのアルバムをひっさげ最新最前線のライブを、しかも、当時まごう事なく世界一のジャズ都市であったボストンの聴衆を前に、この上なく気合いの入った演奏を観られたのだ。
現在はNY, そしてLAも巨大ジャズ都市となったが、ボストンは有名な音楽大学や一般大学もたくさんある学園都市で、JAZZの音大としてはバークリーがほぼ世界一強の時代であった。

有料のジャズライブも毎日あちこちで開催されており、学生でも毎週いけるくらいの金額で素晴らしいライブを観ることができた。
マイケルブレッカーやケニーギャレットのライブを16ドルで観たおかげで、自分のライブを2000円以上の設定にする事にしばらく抵抗があった。
その中では少し割高ではあったが、金額は忘れた。パットメセニーグループ!フルメンバーで、ボストンハーバーで、野外ワンマンLive!友達に誘われて、行ってきました!!
大きな船が汽笛を上げてすぐそこに着岸する。最後方にはビールや料理などのキッチンカーも並んでいる。友達や家族と一緒にパットメセニーグループ聴きに集まった人々で広大な会場はいっぱい。ジャズファンの層の厚さからもJazzが人々の生活に入り込んでいる事が伝わってきて、アメリカにいる事を実感しワクワクする!!

ライブは、メンバー板付きの中、上手からボーダーの長Tを来たパットメセニーが小走りでステージ中央まで、ステージも広い!笑顔と歓声の中、名曲名演のオンパレードが始まった。中でも脳裏から離れないのは「First Circle」の快演!安い1番後ろの席で立ち見だが、大きなビジョンに映し出されるボーカリストの表情、そして美しく完璧なサウンドシステムの環境とオペレーターの腕前。気持ちよい、音、風、一生忘れない感覚であろう。アメリカが、ボストンが、大好きだ!!!

会場の後方ではアメリカを感じてほっこりする場面があった。ライブ中にビールで乾杯して会話で少し盛り上がっていた大人のグループに向かって、椅子の上に立って観ていた小学生が『うるさくて音楽が聴こえない!静かに!』と言った。こんな小さい子がメセニーグループに夢中!!そして、そんな場面でもほっこりにっこりするのもアメリカの大好きなところだ〜。



「The First Circle」 Apple Music / Spotify



【プロフィール】
元晴 / MOTOHARU
サックスプレイヤー。
北海道名寄市生まれ。名寄高校在学時に吹奏楽部を創部。
競馬で万馬券を的中させ、それを資金にアメリカへ留学。
2000年バークリー音楽大学(ボストン)卒業。帰国後SOIL&"PIMP”SESSIONS(以下ソイル)を結成(’16脱退)。
感性と技術の粋をみせた唯一無二のプレイスタイルで観客を魅了してきた。
2003年ソイル結成1年余りでフジロックに出演。音源をリリースする前にライブの評判だけでフジロックに出演したバンドとして、複数のレコード会社からオファーを受ける。
2003年Victorと契約。2005年ファーストフルアルバムが英国BBCラジオでパワープレイされ、その年のBBCラジオの年末アワードを受賞。受賞式をソイルの演奏で締めくくった。
イギリスBBCラジオWORLD WIDEアワード2005受賞。
Jazz Japanアワード2011受賞。
ソロ活動での南米ツアー、チリ、ジャマイカライブを含めて、5大陸33か国以上の海外ツアーを行いグラストンベリー、モントルージャズ、ノースシージャズ、ワールドワイドフェス、トランスムジカ、アレッツォウェブ、モントリオールジャズ、ジャワジャズ、ケープタウンジャズ、ジャジスタン、ウォーマッド、フジロックのメインステージをコンプリート(グリーン、ホワイト、レッド、ヘブン、オレンジ)、ロッキンジャパン、サマソニ、ライジングサン、ジョインアライブ、サンセットライブなど、国内外の主要フェスに出演。
NHKトップランナー、紅白歌合戦、Mステ等出演
リオ・オリンピック閉会式トウキョウショーレコーディング参加。
ビュッフェ・クランポン・ジャパンのオフィシャル・アンバサダー
ジャムセッション東京宣言/ Battle Of Study / music lab. / Rythm's"KING" 主催
カイルベルト/ アンティグアエンドーサー
名寄観光大使

元晴スケジュール http://bit.ly/3PvZgkP
元晴リンクツリー https://linktr.ee/motoharu_fukada
元晴オンラインショップ"MOTOHARU OFFICIAlL SHOP"
https://motoharu.base.shop


元晴20th&50th記念コンピレーションアルバム発売中
『 Emergency Kit 』 税込2500円
https://motoharu.base.shop/items/75749545


2024 8月16日IWAZARU 1stアルバム『IWAZARU』配信開始!!
元晴(sax)
竹内朋康(g)
ハタヤテツヤ(key)
TANCO(b)
YUKKY(ds)
https://linkco.re/Nxqh5dyM?lang=ja




類家心平(トランぺッター)

僕はスチャダラパーがすごく好きで。「サマージャム'95」っていう、ヴィブラフォン奏者ボビー・ハッチャーソンの「Montara」をサンプリングした曲が特に好きなんです。
ボビー・ハッチャーソンを知る前にスチャダラパーを知って、「Montara」もスチャダラパー経由で知ったんですよ。

90年代の終わりごろは、日本のラップの人たちだったり、ジャムバンドだったり、アシッド・ジャズだったり、結構いろんなジャンルの音楽が出てきた時代。その頃はジャズだけじゃなくて、そういう音楽も聴いていたんです。
その中で「サマージャム'95」はすごく思い出に残ってますね。(談)





【近況】
RS5pbニューアルバム『TOTEM』好評発売中!
https://ruikeshinpei.com/






渡来 宏明(ミュージシャン/実業家)

夏がテーマということで、3曲選んでみます!

1.NewJeans (뉴진스) 「How Sweet」

夏は美少女がコーラを飲む。コレですよ。

あと808のスネアっていうんですかね?
こういう音が涼しくて良い。

NewJeansは音源では凄く歌がクールっつうか
絶対零度って感じでかつ、うるさくなくて良い。

2.渡来宏明 「つまさきのストライプ」



自分の4枚目のアルバムから。

避暑地のバルコニーの影がつま先にかかってる感じで作りました。このドラムパターン、ドラマー2人が挑戦してできなかったので自分でパーカッションをたたいたり、結局自分で楽器を全部担当しました。そういえばサウンドがスタカンぽいという人もいました。

3. The Soft Machine 「Hope For Happiness」

夏はサイケもいいですね。このボーカルのディレイが涼しいってのとイギリスなんでリズムが薄いのも夏にはいいんではないでしょうか。ベースが全然黒くないとこもポイント。

【近況】
wattack records
https://hiroakiwatarai.stores.jp/
X(旧Twitter)
https://x.com/wata3death

旧友とアルバムを作っています。
自分のソロアルバムもそのうちやります!




罫線素材については、Frame illustさんの素材を利用させて頂きました。



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