サウンドプロデューサー、クリエイター、ギタリストとして幅広く活躍されている竹中俊二さん。Cheer Up!でも以前対面でインタビューさせて頂き、幼少の頃のお話から現在までの音楽人生について語って頂きました。
今回は2024年12月にリリースされたキャリア初のリーダーアルバム『Talkin’Guitars』について詳しくお伺いしました。バラエティに富んだ曲の数々、竹中さんのギターの音色に酔いしれながら飽きることなく何度も楽しめるこの冬のおすすめアルバムです。(2025年1月)


---『Talkin’Guitars』は、竹中さんキャリア初のリーダーアルバムとのこと。Perigunsインタビュー(2019年)の際、「オリジナルを沢山書いてるので作品集的にアルバムを何らかのフォーマットで出したい」と仰っていたことを思い出しました。今回、リリースすることになったいきさつを教えて頂けますか。

竹中:そもそも2024/10/22,23,24のJzBratでの還暦誕生祭ライブの為に記念アルバム出さないの?って周りからの圧力があり(笑)。
8月くらいからデモ音源などを作り始めました。

---今回はゲストミュージシャンお二人以外は、竹中さんの演奏と打ち込みで制作されたかと思いますが、レコーディングのエピソードについて伺えますか?

竹中:昔作ったデモ音源をベースにした曲が半分、新たに作ったのが半分くらいの割合で8月くらいから始めました。古いデモも良い機会なのでアルバムに納める為にまとめたり。
元々は打ち込み(と言っても殆ど自分で弾いている)は後で生演奏に差し替えるつもりで作ってたんですが、ある時「これでもいいんじゃ無いか!」と思える瞬間があり、そのままリリースする事にしました。
恐らく言われなければ自作自演だとは誰も思わないだろうし、自分の音楽を聴いてもらうのにこう言う作り方もありだろうと思いました。

---竹中さんの作曲法はどのようにされているのでしょうか。歌心あふれるメロディーが素晴らしいですが、ギターで作曲されるのか、キーボードに向かってなのか気になります。タイトルは後から付けることが多いのでしょうか?

竹中:作曲はギターもピアノも鼻歌も使います、決めない事によってマンネリを防ごうと思ってます。
タイトルは作家事務所に所属してた時にナンバーだとどれだか分からなくなるからタイトルは付けた方が良い事を知ったので仮でも付ける様にしてます。
若い頃はタイトルに大した意味は見出して無かったと思うんですが、ある時、作家の自覚が芽生えて何かしらのエピソードやその時に感じた事、風景などインスパイアされたタイトルを付ける様にしてます。

---アルバムタイトル『Talkin’Guitars』に込めた思いについてお聞かせいただけますか。

竹中:僕のギタースタイルのパーソナリティを考えた時に、普通は自分のスタイルで様々な楽曲を演奏するってスタンスだと思うんですが、僕はやはり楽曲が先で、それに合ったギタープレイをしたいんです。楽曲最優先で様々なスタイルで演奏するギタリストが居ても良いと思って「Talkin’Guitars」ってタイトルにしました。
ギターを語る様に演奏するって意味と「ギターってのはね、」みたいな意味を込めてます。

---ここからは一曲ずつお伺いします。
◆1.Eyes of the Night(Tribute to Marvin Gaye)
---深みのあるギターの音色にリラックスできます。タイトルが素敵ですね。今回のアルバムでは何本のギターを使用されたのですか?


竹中:この曲は真夜中に完成して窓の外の月が目の様だったのでこう言うタイトルを付けました。
僕の好きなマービン・ゲイのある曲のベースラインにインスパイアされて作ったので「トリビュート マービン・ゲイ」と副題を付けました。
今回5〜6本のギターを使いました、詳しくは「ジャズライフ」でも語りましたが岡山・倉敷のギタービルダー山岡さん作の竹中俊二シグネイチャーギターです。

◆2.You Never Know
---Slow Rockのリズムにノスタルジーを感じますね。竹中さんの以前のインタビューで、幅広い音楽を聴いていらしたことを伺いましたが、ご自身の曲以外でおすすめのSlow Rockナンバーがあれば教えて頂けますか。


竹中:この曲はフィリピン人ボーカリストのJayとの共作で歌物なんですが、今回はギターを始めた頃の原点回帰でインストゥルメンタルで入れました。
そもそもR&Bやブルース、ソウルミュージックが大好きなので沢山影響受けてます。
やはりレイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、BBキング、スティービー・ワンダー、ダニー・ハザウェイ、ビル・ウィザーズなどは永遠にオススメです。

◆3.Claris&Mac
---パソコンのMacをテーマになさったそうですが、リズムが独特で面白いですね。

竹中:この曲を書いた頃はMacがWindowsに押されて無くなりそうだったのでMacと言語アプリのクラリスワークスへの応援歌のつもりで書きました。
リズムはニューオリンズのお葬式行列の2番目のリズムで「セカンドライン」って名前が付いてます。

◆4.Eternal Love feat.Hikari Ichihara
---ロマンティックなスローバラード。切ないメロディーにグッときます。
ゲストは市原ひかりさん(Trumpet)。トランペットのエフェクトが音色の美しさを際立てていますね。
市原さんとの出会いのきっかけやお人柄について伺えますか?


竹中:ひかりちゃんは10年以上前に色んなジャズフェスで良く会う内にライブギグに誘ってからのお付き合いです。その頃歌を始めたばかりでこの曲にも歌詞を書いてもらって歌ってもらいました。今回はギターでメロディ弾いてますが、実はボーカルチューンもあるんです。
ひかりちゃんはお馬さん大好きな朗らかな人柄でトランペットや歌にもその雰囲気が表れてると思います。
今回のトランペットには深めのリバーブを掛けて心に吸い込まれて行く様な雰囲気を出してみました。

◆5.Sky Borne
---インパクトのあるメロディーが繰り返され、おおらかでゆったりしたサウンドに包まれてひたすら心地良いです。ベースがまたかっこいいですが、ご自身で演奏されているのでしょうか。


竹中:元々はボサノバとして書いたんですが、今回ちょっとテイストを変えたくてラテンフィールロックになってます。
今回のアルバムはベースも鍵盤も殆ど全曲弾いてます、ここも聴きどころかも知れません。

◆6.I Will Stay
---スローな三拍子の曲。この曲に限らないですが、このアルバムは竹中さんのギターのメロディーが話しかけてくるような感じがしますね。この曲では特にそれを感じました。


竹中:この曲は書いたのは古いんですが、2018に母が亡くなってから歌詞を書いてレクイエムにしました。天国へ届く様なギタープレイをイメージしてます。

◆7.Rock Life
---竹中さんの意外な一面を見たようなハードなナンバー。タイトルに想像が膨らみます。結構ロックなLiveもされているのでしょうか。


竹中:そう、僕は様々なスタイルの音楽をやるので誤解されてる事が多いです。是非ライブ20回以上は来て下さい(笑)。
オルタナティブな音楽もアヴァンギャルドな音楽も元々好きなんです。
昔はライブで演る機会があったんですが、最近めっきり減ってますね。楽曲に必要な要素だなって思ったらどこまでも行きます♪

◆8.DOMINO (Tribute to Wayne Shorter) feat. Toshihiro Nakanishi
---FUSIONファンにはたまらないクールなナンバー。アルバムの中でも特に好きです。Liveで聴いてみたいですね。中西俊博さんのヴァイオリンもかっこいい!


竹中:この曲はウェイン・ショーターの作曲法を元に作りました。
楽曲のタイトルDOMINOは近未来都市の名前なんです。
街の様子を表現してます、中西さんが出てくる少し前から未来のモノレールに乗るところが出て来ます。

◆9. Quest
---ちょっとリズムが難しく、不思議な曲と感じました。
バックのエレピの音が綺麗で気になるのですが、シンセでしょうか。打ち込みでしょうか。


竹中:この曲は昔ドラム音源ソフトとギター用のエフェクターを探究する為に書いたんですが、面白い曲なのでアルバムに採用しました。
そう、鍵盤も全て自分で弾いてます。

◆10.The Beatles
---ここまでのアルバムの流れからすると意外な曲調でちょっとビックリしました。リズムもギターの音色も最高に心地良いです。


竹中:僕の最初の楽器はピアノだったんですが、ギターを始めたきっかけはビートルズだったんです。
この曲はそんなビートルズへのコラージュミュージックなんです。
リズムはアフリカンビートを使った6拍子、長い長いメロディ。後奏のギターソロは少しリバーブ深めで右左をゆっくりパンニングしてます、ゆらゆら揺れて下さい。
このトラックの上でビートルズの有名曲のメロディを歌ってみて下さい、不思議とぴったりハマると思います♪

---竹中さんには毎回新鮮なCheer Up!ミュージックを教えて頂いていますが、最近よく聴いていらっしゃるCheer Up!ミュージックを教えていただけますか。

竹中:最近はデイブグルーシン、リーリトナーのライブで聴いたベーシスト、シンガーのMunir Hossnを良く聴いてます、お気に入りです。

---2025年のご予定についてお願いいたします。

竹中:アルバム発売記念ライブをやらないのか?って言う圧力があるので5/29に渋谷JzBratで開催する事にしました、是非チェックしておいて下さい♪これを逃すと2度と見れないかも知れません。

---どうもありがとうございました。今後の様々な新譜なども楽しみにしております。



『Talkin’Guitars』竹中俊二

1.Eyes of the Night
(Tribute to Marvin Gaye)
2.You Never Know
3.Claris&Mac
4.Eternal Love
feat.Hikari Ichihara
5.Sky Borne
6.I Will Stay
7.Rock Life
8.DOMINO
(Tribute to Wayne Shorter)
feat. Toshihiro Nakanishi
9. Quest
10.The Beatles

Shunji Takenaka
Guitars,Bass,Keyboards,Programming
All Compose & Arrangement
Produced by Shunji Takenaka
《Guest Musician》
Eternal Love / Hikari Ichihara(Trumpet)
DOMINO / Toshihiro Nakanishi(Violin)

発売日:2024年12月1日
レーベル:Shunzzy Music
規格品番:FPCD-1014

購入サイト
https://synzzy55.thebase.in/items/93304247
Amazon TSUTAYA 楽天 ディスクユニオン

『Talkin’Guitars』サンプラー
https://youtube.com/shorts/-LuTaMu5VyA?si=KhFLCb2Q2U7bsowJ



◆竹中俊二プロフィール
竹中俊二(たけなか しゅんじ)(ギタリスト、アレンジャー、コンポーザー、サウンドプロデューサー、サウンドクリエイター、エンジニア)

7才からピアノを、10才からギターを始める。
ポップス、R&B、ジャズ、ロック、ワールドミュージックなどジャンル差別無しのミュージシャン。
自己のバンドtiron、Periguns、BiG TriCksの他、与太郎夜奏団、FretLand 、triangle max tone、PIGNOSE、風雅、など、多くのユニットに参加。
2004年〜2013年まで女優、脚本家の高泉淳子の舞台「ア・ラ・カルト_役者と音楽家のいるレストラン」にレギュラー出演。

サウンドプロデュース:原久美、河原秀夫、野宮真貴、TOYONO、Geila Zilkha、ばんばひろふみ、斉藤由貴 等
レコーディング:平井堅/ゴスペラーズ/中島美嘉/斉藤由貴/和田アキ子/松崎しげる/中森明菜/ばんばひろふみ/八神純子/森昌子/高橋真梨子/モーニング娘/東儀秀樹/中西俊博 等多数
コンサートツアーサポート、CM製作、TVドラマ音楽(「私立探偵濱マイク」)、ゲーム音楽、インストラクションDVDやBOOKなど活動は多岐に渡る。

竹中俊二 ブログ
https://ameblo.jp/hanazo555/
竹中俊二 Facebook
https://www.facebook.com/shunji.takenaka
竹中俊二 Twitter
https://twitter.com/shunjitakenaka
YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCel-bH4maP-Kq9cAnCtEXEw

♪最新Liveインフォメーション
最新Live情報・詳細は竹中さんのブログでご確認ください。

2025年1月
https://ameblo.jp/hanazo555/entry-12880780602.html
2025年2月
https://ameblo.jp/hanazo555/entry-12880899804.html

<Cheer Up!関連リンク>
竹中俊二インタビュー(2020年)
http://www.cheerup777.com/takenaka2020.html
Periguns『FLYING PERIGUNS』インタビュー(2019年)
http://www.cheerup777.com/periguns2019.html
特集 Selim Slive Elementz 「私の好きなマイルス」寄稿(2019年)
http://www.cheerup777.com/sse2019/selim2019-6.html#section10



(C)2009-2025 Cheer Up! Project All rights reserved.