90年代末に人気ビジュアル系バンドPlastic Treeのドラマーとして活躍した大正谷隆(おしょうだに たかし)さんが、仙台で活動する小野文也さんと出会い結成したバンドBMXX。この夏ミニアルバム『Make a blast』をリリース、全国ツアーを敢行し注目を集めています。小野さんのハイトーンのVocalが切なく思わず口ずさみたくなるようなキャッチ―さもあり、ロックはあまり聴かないという方でも親しみやすく元気が出る曲ばかり。そして今回は大正谷さんの盟友、Plastic Treeのギタリスト、ナカヤマアキラさんがサウンドプロデュースで参加。これはもう仙台発から全国展開して音楽番組にも出るようになってほしい!と思い、大正谷さんへの緊急インタビューが実現しました。ぜひ動画でBMXXの音楽に触れてみて下さい。(2019年8月) ---BMXXというバンド名の由来について教えて下さい。 大正谷:「Blast make xX」の略で、Vocalの小野文也君が命名しました。 Xは無限大を意味していて、無限大の可能性を作り出していく、というようなイメージを持ってつけました。 ---現在のメンバーとの出会いのきっかけについて教えて頂けますか? 大正谷:自分が仙台に来て、当初は東京に通いつつ活動していたんですが、もうちょっと腰を据えてと言うか、仙台でも活動しようかなと。 それでメンバー募集の仕方がわからなかったので、とりあえずネットに募集を出したのがきっかけです。 で、小野君が前にやってたバンドのデモをMDで送ってくれて。 「おー!これはいいVocalから連絡きた。ラッキー」って思いながら、でも東京でやってたバンドが結構忙しくもなっちゃって、実は1年ぐらい放置してたんです。 落ち着いた頃に連絡したら、まだメンバー探してたみたいで。そこから小野君との活動が始まりました。 ---メジャーシーンのど真ん中にいらした大正谷さんから見て、他のメンバー3人との関係性や人柄について感じることなどはいかがでしょうか。 大正谷:メンバーは良くも悪くも宮城、仙台での活動しかしてないので、なんと言うか、やはり地方ならではの考え方というか雑誌とかメディアとかそういうのから拾った情報を結構信じてて。 実際は違うことって結構あるんだけど、やっぱり表面的な部分での間違った情報を信じてたり。 そういうのは違う意味で新鮮というか、なるほど中央発信の文化はこうやって支配してくんだな、みたいな事は感じつつ勉強になりました。 それをどうひっくり返してやるか、ってのが自分のテーマというか、「こん畜生音楽業界!」って感じですね(笑)。 話は逸れましたが、そういう意味でもピュアで、真面目なメンバーだと思います。 メンバーは、、、やっぱり楽器ってある程度本気さとやる気があれば上手くはなってくからってのと、なんか偉そうな言い方ですが、自分とやってて上手くならない人なんて過去にいなかったので、プレイ云々よりは、かなり人柄重視で集めてて。 なので、人間的にちょっと違うなってなると、その時々チェンジして来たというか、チェンジになっちゃって。 そういう意味では、今のメンバーは本当に理想の形というか、奢りなく真面目に音楽に取り組もうとしてる人達だと思っています。 まだまだな部分は正直ありますけどね(笑)。でもまぁこれから色々知っていけばいいし、壁にも当たるだろうし。当たった時は、頑張ってくれればと思ってます(笑)。そうやって理解して行くというか、身について行くとも思っているので。 ---曲作りはVocalの小野文也さんが行っているそうですね。アレンジは皆さんでされるのですか?リハなどでつめていくのでしょうか。 大正谷:はい。アレンジはメンバーでリハでつめていく感じです。 小野君が弾き語りというか、簡単なリズムが入ってる場合もありますが、歌とギターで録った音源を皆に配り、それぞれが聴き、やりたいなって曲を合わせていく感じです。それで「なんか違うねえ」って没にする時もあれば、プリプロ形式で作り込んで行って一旦寝かせる場合もあり。 まぁノルマとかはないので、必要に応じ時間をかける場合もあれば、パパッと出来上がっちゃう場合もあって、まちまちです。 ---今回アルバムを出すことになった経緯について伺えますか? 大正谷:今のメンバーが集まるまでの間は小野君と2人でずっと曲は作り続けていて。 その間に2人でデモ形式では結構作りこんでたんです。 で、前のメンバーの時に、昔お世話になってたディレクターがLIVEを観に来て、「次に音源出す時は」って軽い話になりました。 そのあと、ベースのメンバーチェンジがあり、その前にギターをもう1本入れたんですが。 で、今のメンバーが決まって、LIVE数本して、「あ、これなんかいけそうだな」って思って。もう1回ディレクターの方とコンタクトとった形です。 ---今回のアルバムタイトル『Make a blast』に込めた想いについて伺えますか? 大正谷:はじける、爆発させる、とかが直接的なイメージですが、この音源を機にグググっと行きたい。仙台だけじゃなくて、もっと広い範囲に飛び出したい、届けたい!というような想いをこめました。アルバムタイトルも小野君がつけました。 ---今回はナカヤマアキラさん(Plastic Tree)がサウンドプロデュースで参加されています。その経緯についてはいかがですか? 大正谷:アレンジは割とつめてはいたんですが、俯瞰的にみた時にもうちょっと整理したいなって思いがあったのと、やっぱりロックバンドのレコーディングって音が大事で。トリガーバーン!とかピーキーに音突っ込むのとかは、その瞬間は派手に聴こえますが長く聴くにはなかなか辛いという自分の感覚があり。 あとは、やっぱりレコーディングと言っても、本当の意味でちゃんとしたレコーディングした事ないメンバーだったので。そういう意味で仮にもメジャー流通するなら、プロデューサーはつけたいなと。それで自分からナカヤマ氏に頼みました。 彼なら、変に背伸びしたミラクルみたいな音源も作らないし、BANDの現在・未来も想定してくれそうな気もしたし、楽器的な話をすれば、ギターの音作りだけではなくて他の楽器の周波数的な位置付けもわかるっていうか、イメージを伝えやすいと思っていて。 実際、曲を聞いてもらって、2人で打ち合わせしてたんですが、イメージを伝えるのも、こだわりというか、こう持って行きたいっていう部分とかもストレスなく伝えることができましたし、彼なりの案も提案してくれて、なんていうか一緒に作ってる感覚が懐かしかったり、久しぶりで新鮮だったりでちょっと不思議な感覚でした(笑)。 ---なかなか聞けないお話です。やはりナカヤマさんとはお付き合いも長いということでツーカーなのでしょうね。 大正谷:一緒にやってたときから一緒に音楽聴いてたし、移動中もほぼ一緒だったから、ポイント、ポイントが伝えやすいというか。皆まで話さなくても伝わるんです。 で、やっぱり我々が大切にしてるのが周波数の置き方ってか、どの楽器がどの位置に行くかってポイントなんですが、そこで音作りにストレス感じるのが嫌だったんで、彼に頼みました。 今回、スタジオとスケジュールの関係もあり、各楽器は別々で録ったんですが、ドラム用のガイドもナカヤマさんが作って来てくれて、それを聞きながらドラム録りしました。 ドラム録ったらベース入れてギター入れて、みたいな。 途中スケジュールキツくなって、ナカヤマ氏にはギターのディレクションを任せて、ベースのディレクションと小野君のギター・歌のディレクションは一部自分がやるなんて事もありましたが、ラフMIX含め、ほぼナカヤマさんがイメージ通りに持ってってくれた感じです。 いや、わかってはいたと言うか、期待してたんだけども、それ以上にいいプロデューサーでした。 やっぱりなんというか、、、予算観も含め、スケジューリングやディレクションを進めてくって大変なんですけど、その辺も完璧で。 もちろん、録り音のイメージとか出来上がり像も全く問題なく。 彼は、もっといっぱいプロデュースした方がいいと言うか、するべきだと思います。 そのためにも、今回のこのBMXXの音源を世の中に届けたいとも思ってます。 ---とても密度の濃い日々だったんですね。メンバーの皆さんとナカヤマさんの交流など、何か印象的なエピソードなどあればご披露頂けますか。 大正谷:今回ナカヤマさんのレコーディングやツアーの予定もあり、日数もなかったので仙台に来てもらってレコーディングしたんですが、1日の作業が終わったらやっぱりラーメン食べに行きましたね(笑)。 後は、彼が思ってた以上に小野君がちゃんとしてたのでビックリしてました。「いいボーカル見つけたね〜。というか、ちゃんとしてるね〜」って(笑)。小野君は、それなりに経験もあるしで正直あまり心配はしておらず、実際のレコーディングでもナカヤマさんも相当安心してたんですが。ヤナギ(八柳一哉)のギターには結構手こずり(苦笑)。正直今回のレコーディングはヤナギに色々経験・実感してもらおうと、ナカヤマさんにプロデュースを頼んだ思惑もあったので、その辺りはビンゴではありましたが。手こずるっていうか、曲の全体観を見据えたフレージングとかじゃなくて、多分自分を出したいだけのフレージングだったんだけども、まぁその辺はヤナギがどうこうじゃなくて、インディーバンドではありがちなんですが・・・。 最初は見守ってたんですが、最後の方は真剣に怒ってました(笑)。あんなに怒ってるナカヤマさんを見たのは、もう何十年もの付き合いですが初めてでした(笑)。 でも、「SPEED STAR」のBメロフレーズとかはヤナギらしさも出てて、ワビサビってのがわかってもらえたかもな、ってそこは希望的観測(笑)。 ただ、こうは言ってますが彼が劣ってるとかではなくて、彼が見てきた周りがそうだったとは思うんで、そういう意味でもナカヤマさんを近くで感じられたのはいい結果だったんじゃないかなって信じてます(笑)。 なかなかね、授業料払ってもできない経験というか、体験ですから。 今のツアーでも日に日に良くなってってますから、そういう意味でそういうのは若い早い段階で経験しとくべきかなって思いますね。人前で責任持って音出したりプレイしたいなら。 まーでも、ヤナギもたけちゃん(日下健)も本当に頑張ってると思います。2人は本当に日々良くなってってるので。 それに引っ張られて小野君も良くなってってて。後ろから見てても今回のツアーはいいツアーだなってか、BMXX強くなってってんなって感じています。 ---演奏レベルかなり高いバンドで、さすがだなあと思うんです。ライブも盛り上がるでしょうね! ツアーで全国回られて手ごたえなどいかがですか? 大正谷:毎回毎回、本当に良くなってくんです。長年BANDやってて、ツアー経験もいっぱいありますが、あとは自分が丸くなったのかもってのもありますが(笑)。 こんな絵に描いたように良くなってくって経験がなくて。もう本当に楽しくてしょうがないって感じです。 ツアー先では毎回、他のBAND観に来たお客さんが必ず1人はCD買ってくれるんです。それもとても嬉しくて。初見のLIVEでCD買おうって思ってもらえるLIVE出来てるんだなって。 やればやるほど良くなるんで、今出てるスケジュール以降もツアーは続ける方向で今調整中です。 ---大正谷さんは1997〜2001年まで、Plastic Treeのドラマーとしてご活躍。当時音楽雑誌にもたくさん掲載されていましたね。かなりご多忙な期間だったと思います。今振り返って、どんな時期だったと感じていますか? 大正谷:あの頃は当たり前ですが、音楽とそれに纏わる事しかやってなかったんで、色々吸収も出来たし勉強にもなったし。やっぱりメジャーに行ってあの規模で活動できたからこその経験ってあるし。 それをやれる、出来るようになるために、十分お金をかけて経験・勉強・トレーニングさせてもらえたし、交流関係というか人脈も築く事が出来たし。 当時は、しんどい事や、やりたくない事もいっぱいあったけど(笑)、音楽にとっては、とてもありがたい知識・経験を得られた重要な期間だったと思ってます。 ---現在も当時のメンバーやほかのバンドと交流は多いのでしょうか? 大正谷:お互いに用があれば連絡する程度ではありますが(笑)。 仙台に来るときは声かけてくれる方もいるので、LIVE観に行ったりって感じです。 ---その後はずっと仙台で活動されていますが、大正谷さんにとっての仙台とは? 大正谷:住みやすい!雪がなければもっと最高!!(笑) 来るまでは思ってなかった事も、来てみると感じたり。 BAND活動だけでいうと、ちょっと特殊な地域性は感じますね。 大阪に近しいイメージを昔は持ってたんですが、なんというか。。。東京が近いのかな。。。 昔は男女別学だったじゃないですか。昔は仙台で売れれば全国で売れる、みたいなのがあって、仙台は集中的に攻めるというか、マーケティングしてたんです。 でも今はそういう感覚というか、あの時みたいな雰囲気は感じなくて、なかなかやりがいがあるというか、それはこの土地に居続けた重鎮たちもふまえどうしてやろうかなって思ってます(笑)。 ---ドラムの練習はどこでされているのですか? 大正谷:基本的に自宅で練習パッドを叩くか、町のスタジオに個人練習に行くか。 基本的なことは、昔嫌になるぐらいやったので(笑)身体が忘れない程度にやる感じです。 それこそ素振りというかイメージトレーニングしてる時間が一番長いかも。 ---もしよろしければ、ドラムを習っている人たちにアドバイスなどお願いできますか? 大正谷:ドラムやってる人は。。。ドラムって叩くって事じゃなくて演奏するのが大切だと思ってて。 音楽教室の発表会とかも観に行く機会はちょこちょこあるんですが、やっぱり気持ちというか、歌詞含めた楽曲の理解というか、自分がその曲に対してどう伝えたいか、どう表現したいかってイメージを持って叩くことが大切なんじゃないかなって思います。 上手なんだけどね、、、ゲームみたいなプレイになっちゃってる人が割といるかなって感想です。 なんというかそういうのを見る度に自分が教えたいななんて気持ちも浮かんできたり(笑)。 こんなんですが、昔は塾の先生とか家庭教師もしてたんで、割と教えるのは上手い自信もあり(笑)。 ---大正谷さんにドラム習ってみたい!っていう方はたくさんいるでしょうね。 ところで、このWEBマガジンの恒例企画です。 大正谷さんにとってのCheer Up!ミュージックを教えて頂けますか? 大正谷:ぶっちゃけもう何年もそういうのなかったんです! aikoさんは別ですが!!(笑) そんな中、本当最近知ったっていうと失礼なんですが、ヤバイTシャツ屋さん、を知りまして!! もう本当にヤバTは最高で、自然と身体が動くテンポ感、リズミカルな歌詞、関西バンドに継承されるメロディーライン。どれをとっても完璧だと思ってます!! ---今後BMXXとしての展望や夢について伺えますか? 大正谷:今がとてもいい感じで、LIVEの度にバンドが強くなっていってるのを実感しています。 なので、このままツアーを続け、やっぱり次回音源に繋げたいなと思っています。 今は小野君がメインで曲を書いていますが、ゆくゆくはメンバー全員が書くようになれば幅も広がって行くかなと。 その辺も追求できるように取り組んで行きたいです。 ---どうもありがとうございました。今後のアルバムやツアーなど楽しみにしております! 『Make a blast』BMXX 1.SPEED STAR 2.ALIVE 3.I 4.それでも尚、続く… 5.NAKED 発売日:2019年7月10日 レーベル: エレックレコード 規格品番:YZAG-1004 価格:\1,500+tax all songs written by 小野文也 arranged by BMXX&ナカヤマアキラ produced by ナカヤマアキラ(Plastic Tree) BMXX are: 小野文也(Vo&Gt) 八柳一哉(Gt&cho) 日下健(b) 大正谷隆(ds) ◆BMXX プロフィール 2009年5月、Vo&Gu:小野文也(Beast Bash Scrapper)、Drs:大正谷隆(MILLION RED FEVER/ex-Plastic Tree)を中心に宮城県にて結成。bassistのメンバーチェンジを繰り返しながら、ミニアルバム1枚、シングル3枚、アルバム1枚のリリースを実施。東京、宮城を中心に精力的な活動を行う。 2015年3月活動の幅に限界を感じ解散。 その後、小野と大正谷でo+o結成。楽曲可能性の追求をもとに音源制作活動に入る。 2017年5月、小野と大正谷にてBMXX再結成。BMXXとして再び活動を始める。 2017年6月、新Bassistを迎え、2018年3月、復活ミニアルバム「exhume」をリリース。7月にはTSUTAYA、フタバ図書などでレンタルされるオムニバスCD「ミライオトロック β(ベータ)」に過去楽曲「stranger」にて参加。2018年9月、Bassist脱退。 2018年10月、八柳、日下が加わり現在の4人体制となる。 2019年7月、現メンバー初となるミニアルバム「Make a blast」発売。本作はBAND初となる外部プロデューサーにナカヤマアキラ(Plastic Tree)を迎え制作。また発売にあわせ過去最大規模のTOUR「have a break,have a blast」実施。 BMXX Official Website https://bmxx-for2009.jimdo.com/ BMXX Twitter https://twitter.com/BMXX_sendai 小野文也ブログ https://blog.goo.ne.jp/bmxx238 小野文也Twitter https://twitter.com/bmxxVoGt1 八柳一哉Twitter https://twitter.com/KKyy68 日下健Twitter https://twitter.com/HxCxTAKESHI ◆大正谷隆 プロフィール 大正谷 隆 (おしょうだに たかし) birth:1972/1/15 blood type:B 15歳でDrumsを始め21歳で上京。その後数々のBANDにて活動を行い1997年Plastic Treeでメジャーデビュー。 2001年脱退後、自身のBAND・サポートなどにて活動。2007年仙台へ移住。小野と出会いBMXX結成。 YAMAHA DRUMS・Zildjian Cymbalsモニター 大正谷隆HP https://takdrums.amebaownd.com/ 大正 駄 日記-今夜も赤提灯- http://blog.livedoor.jp/takdrums/ 大正谷隆Twitter https://twitter.com/takdrums_tsv ♪最新Live情報 2019/8/25 長町LIVE STUDIO RIPPLE(仙台) 2019/8/31 郡山PEAK ACTION(福島) 2019/9/1 大塚welcome back(東京) 2019/9/14 HEAVEN’S ROCK KUMAGAYA VJ-1(埼玉) 2019/9/15 名古屋Heart Land |