2012/5/24に配信専門レーベルSmall Bird Recordsから、男性ボーカル企画ユニット、The Bookmarcsの「Transparent」がiTunes Store限定でリリースされました。 ポップスからエレクトロ、アンビエントまでノンジャンルに、聴く人のシチュエーションを想定した心地良いサウンドをコンセプトに発信し続ける、配信専門レーベルSmall Bird Recordsの自信作第三弾。 毎日をせわしなく働く大人達の側にそっと寄り添う、懐か新しい楽曲たちを提供するThe Bookmarcsの洞澤徹(manamana)、近藤健太郎(the Sweet Onions)のお二人にCheer Up!が迫ってみました。 (インタビュー:ハシゴウオカユウ) --今日はよろしくお願いします。まずは、The Bookmarcs結成のきっかけを教えてください。 洞澤:以前同じ、コンピレーションアルバムにそれぞれ違うユニットで参加した時に近藤くんの声にとても惹かれて何か作りたいと思ったのがきっかけです。 --なるほど。manamanaは女性ボーカルでしたが、男性ボーカルで作りたかったのでしょうか? 洞澤:そうですね。実は今まで男性ボーカルでユニットをやったりプロデュース的なことをしたことがなかったので非常に新鮮です。 --男性ボーカルを初めて手掛けるとは、意外でした。実際に制作してみて、録音やアレンジにおいて違いはありましたか? 洞澤:もちろんキーの問題はありますが、そんなに違うことはないですね。好みの声質がだいたい決まっていてマイクの選定もmanamanaと一緒です。ただこれからはもう少し機材とか設定はチャレンジしたいです。 --好みの声質というのに興味があります、具体的には? 洞澤:ソフトで繊細、かつ誤解を怖れず言えばいい意味で不安定要素も少しある感じ?声を張る感じではないです。 --不安定要素とは面白い表現ですね。 洞澤:ピッチやリズムなどを完全に正確に歌うというよりは、ちょっとした揺れや「ずれ」のようなものが心地よく感じられる歌といいますか、そういったボーカリストが好きですね。 --近藤さんは、今回はゲストボーカル的なスタンスでの参加になりましたが。 近藤:大変光栄です。manamanaは個人的にも好きなアーティストでしたし、洞澤さんの音楽に向き合うスタンスにも共感を覚えていたので、そんな方から声をかけていただいてとても嬉しかったです。 洞澤:いつかの高円寺のパーティーで近藤くんがビートルズのacross the universeを弾き語っているのを聴いて、制作意欲が決定的になりました。 --それはぜひ聴いてみたいですね。さて、The Bookmarcsの話に戻りますが、「遥かな場所」のサウンドがとても心地よく、特にバックに主に流れているシンセサウンドが懐かしい感じで印象に残りました。 『遥かな場所』PV 洞澤:あの曲は着想は70年代のソフトロックのメロディ感だったのですが、そこから80'のシンセブラスっぽいサウンドを足して広げた感じです。メロディはスティーブン・ビショップとかデニス・ランバートっぽいのがやりたかった。 --たしかに、メロディの70年代っぽさの上に80年代のテイストが乗っているのが新鮮でした。基本的な音づくりは打ち込みですか? 洞澤:ギターとベースは生で、他は全て打ち込みです。 --生演奏は洞澤さん自身での演奏? 洞澤:そうです。 (写真左:洞澤徹、右:近藤健太郎) --「遥かな場所」に限らず、全体的な音の流れがすごく穏やかに感じたのですが、いったいどんなパーソナリティの人がこのような音を作るのかに興味がわきました。普段はどのような生活を送っているのでしょうか? 洞澤:けっこうパターン化されてます。散歩の時間とか呑む時間とか。リズムを大事にしてます。いまは朝6時と夕方5時の散歩は欠かせないです(笑)。 --なかなか規則的ですね。ミュージシャンは夜型のイメージがありますが、今は違うんでしょうかね。 洞澤:僕は全然違います。夜はけっこう弱いです・・・オールとか今はあり得ません(笑) --あはは。近藤さんもわりと近い生活パターンですか? 近藤:僕はとても朝が弱くて毎朝格闘しながら起きてるんですよ。今年に入って朝活しよう!って思い立って朝活手帳みたいのを買おうとしたんですけど結局買いませんでした(笑)。どちらかというと夜型です。 --買ってないんですか(笑)。お二人はわりと対照的ですね。ちなみにボーカルのレコーディングはどんな時間帯に? 洞澤:夕方からが多かったです。ゴールは録音あとの呑みなので、それに向かって集中するという・・・。 --なるほど、そこにゴールがあるわけですね(笑)。 『黄昏のメトロ』PV --さて、近藤さん、作詞は一曲当たりどれくらいの期間がかかったのでしょうか。なかなかよく練られた歌詞だと感じたのですが。 近藤:ありがとうございます。作詞はとても苦労したんですよね。人様の曲に詞をつけるというのも初めての経験でしたし。それだけに出来上がった喜びもひとしおです。期間は、実際に書き上げている時間は丸一日とかなのかな。でも書き始めるまでに時間が相当かかってまして、毎日ぼんやりと歌詞のことを考え続ける日々が続くんですよ。実はここだけの話、レコーディングに向かう電車の中で最終的なまとめをした曲もあって、それでもまだまとまらずレコーディング直前まで悩んだ曲もあります。 洞澤:まぁ、一瞬不安になったときも正直ありました(笑)。あまりに詞があがってこないんで。 --ははは。まぁ結果オーライってことで。 --制作の裏側も知れてとても面白いです。なんとなく、大人の人が聴いてほっとするような作品になっているのは、このお二人だからかもしれませんね。Bookmarcsは、どんな人に聴いてもらいたいですか? 洞澤:普通に働いて、普通に生活して日々を重ねているアラサー・アラフォーの人に聴いてもらって、微かな彩を感じて欲しいです。 近藤:歌詞を書いていて気づいたんですが、今回意外にも等身大の自分が表現されているというか。普段自分は普通に仕事をしていて、忙しさにかまけて忘れがちな大切なことや、漠然と感じる無力感や悩み、楽しいことももちろん含めて生活しているわけで。同じようにそんな日々を過ごしている方々に共感してもらえたら嬉しいですね。忙しくて最近音楽聞いてないなぁっていう人にも是非届いてほしいです。懐かしくも新しいサウンドだと思います。 The Bookmarcs『Transparent』 1.遥かな場所 2.黄昏のメトロ 3.Transparent 4.君と (RoomRecording Version) The Bookmarcs 『Transparent』特設サイト http://smallbirdrecords.com/the_bookmarcs_transparent/ iTunesでの購入はこちらから http://itunes.apple.com/jp/album/transparent-ep/id530100661 実際にお会いしたお二人は、音のイメージそのままの穏やかな方たちでした。お酒を飲みながらのリラックスしたインタビューで、あっという間に時間が過ぎていきました。 |