■mixCD "Cheer Up!" Special 〜三谷昌平〜 Disc1 1.Menuet Sur Le Nom d'Haydn/Pascal Roge 2.Spartacus Love Theme/Vladimeir Shafranov 3.Bendito Tu Ser/Haydee Milanes 4.Sayonara Blues/Hideo Shiraki Quintet 5.A Night In Tunisia/Miriam Aida 6.Speak Low/The Walter Bishop Jr.Trio 7.Ride That Sunbeam/Wouter Hamel 8.Come To Me/Koop 9.Midnight In Trieste/The Five Corners Quintet 10.Vuelvo al Sur(Koop Remix)/Astor Piazzolla 11.Cafe De Flore(Original Trio reprise)/Doctor Rockit 12.Dot/Gonzales 13.Madame/Jane Birkin 14.Paris/Yael Naim 15.Sunray/Rosie Brown 16.Just A Boy/Rebecca Martin 17.Chasing After You/Erin Bode Disc2 1.Teardrops/Jose Gonzales 2.Hill Of Our Home/Psapp 3.Look Out for Yourself/Wunder 4.Rej/Sonar Kollektiv Orchester 5.Ready for Change/Part-Time Heroes 6.Higher/Michelle Amador 7.A Place To Go/DJ Day 8.Getting' Up/Q-Tip 9.Let Me Show Ya/Jazzanova feat. Paul Randolph 10.Never Give You Up/Raphael Saadiq 11.I Can Sho' Give You Love/Willie Hutch 12.Just For Me/Al Green 13.Breezy(Live version)/Wouter Hamel 14.Histoire D'une VHS/Hocus Pocus 2008年、小川充氏監修のクラブ・ミュージック名盤400(リットーミュージック)のお手伝いをさせていただき、自分なりにこの20年の音楽シーンを眺めてみる機会を得たのですが、ここ数年は全体的にプログラミングやサンプリング中心の音作りから生演奏への回帰がみられるように思います。これはクラブ・ミュージックが成熟し、方法論として新しいものが生まれ難くなっているという音楽的な要因も大きいと思うのですが、それ以外にも人々が先行き不安な情勢の中で、より人間味のあるサウンドを求める傾向が強くなってきたことがあるのでしょう。 08年を振返っても、クラブ・ミュージック世代の申し子、ジャザノヴァがモータウンのような温もりをもった音作りで話題を提供したり、Q−Tipが原点回帰のような新作をリリースしたりしています。またオーバーグラウンドなR&Bの世界でもアル・グリーンが復活したり、ラファエル・サディークなどのヴィンテージ・サウンドが受けています。ジャズやロックの世界でもポスト・ノラ・ジョーンズと言われるプリシア・アーンをはじめ、イギリスのロージー・ブラウン、そしてフランスのヤエル・ナイムなど、新世代のSSWが大勢デヴューしているほか、オランダのウーター・ヘメルやジョヴァンカをはじめとするベニー・シングス一派が活躍するなど、よりオーガニックでメロディアスな作品に注目が集まっているように思います。アーティスト達も消費される音楽よりも、より不変的な音楽を作ろうとする志向が強くなってきたということでしょう。これはある意味、喜ばしいことなのではないでしょうか? 今回、「Cheer Up!」がテーマということで、08年にリリースされたこうした作品を中心にセレクトしてみました。(勿論、全部がそうではないですが・・・。)聴いてみて下さい! 三谷昌平 プロフィール: 渋谷Organ Bar「Blue Cafe」等でDJをする傍ら、「Usen for Cafe Apres-Midi」等、USEN・FM・TV番組での選曲、CDのライナーノーツやディスク・ガイド・ブック「Jazz Next Standard」等で執筆を行う。また音楽ユニット、Novo Tempo、Ritmo Fantasticoのメンバーとしても活動中。 http://www.novotempo.info/ |