◆第一回 新一年生からのメール 新企画「吹部Cheer!トーク 〜吹奏楽Q&A〜」が始まりました。 雑誌で言えば、読者のお便りコーナーのように、吹部フレンドの皆さんに参加してほしいなあ〜と思い、スタートしたコーナーです。 吹奏楽部で過ごしていてふと思った疑問や悩み、みんな聞いて!って思うこと。 どんどん募集しています。 感想もお待ちしておりますよ。こんなコーナーほしい!とかご意見もぜひ。ニックネームとメールアドレスも添えて下さいね。 応募フォームはこちらです。 第一回目に登場して下さるのは、この春吹奏楽部に入った中一女子からのメールです。 演奏家の皆さんが彼女の悩みや不安に回答して下さっています。 担当楽器は違っても、新入生の悩みはきっと皆さん一緒だと思います。 今回は、新入生皆さんへの応援メッセージなので、ぜひお読みくださいませ。 ◆類家心平さん(トランペット奏者) ◆戸田博美さん(トランペット奏者) ◆會田瑞樹さん(打楽器奏者) ◆関島岳郎さん(テューバ奏者) ◆中村誠一さん(サックス奏者) ◆神田勇哉さん(フルート奏者) ◆三嶋令子(Cheer Up!みやぎ編集長) 入学おめでとうございますー!! もう学校も部活も慣れた頃でしょうか? 正直、歯のことについては歯医者さんに相談した方がいいかと思います。金管楽器も前方向から歯に圧力がかかるので多少なりとも歯科矯正に影響があるかも知れません。 僕は小学校の四年生の時に吹奏楽部に入部しました。最初はドラムに憧れていて、入部したら絶対ドラムをやろうと思ってましたが、最初に任命されたのはトランペットでした。それ以来ずっとトランペットを続けています。そして今ではそれが仕事になりました。なんでもやってみないとわからないものですね。 楽器を練習することも大事だし上達しようと思う事も大切だと思います。また部活は仲間と一緒に沢山の時間を過ごせるので、そういう事も大事なんじゃないかなぁとも思います。一生付き合っていける友達に出会ったりコンクールや演奏会という同じ目標に向かって、みんなで想いを傾けられるという経験は大人になると段々と減ってきたりするので、今そういう経験ができる環境にいる事はとても素敵な事だと思います。 ホルンは管楽器の中でもとっても難しい楽器だと思います。どんな楽器でも一朝一夕では成し遂げる事は難しいですが、自分自身で決断してその結果を全て自分自身が受け止めるという経験はとても大事だと思います。自分が決めたことなら、たとえ失敗しても納得がいくし、そこからどう乗り越えていくかという経験もとても自分自身の為になる筈です。自分が決めた事が成功した時は、それは何物にも代えられない喜びがある筈です。 僕はトランペットの事しか分かりません。でも好きな事に巡り合ってそれに打ち込む事ができるという事はとても幸せな事なんだという事は知っています。 音楽が好きなら是非これからも音楽を続けてください。ホルンでもサックスでもピアノでもドラムでも、それらをやる事は全て音楽を表現する為の手段に過ぎません。どんな楽器でも音楽が表現できさえすればいいのだと思います。 もし他に好きなものがあればそれにチャレンジする事もいいと思います。 本当に何が好きなのかまだはっきりしなければ、今、目の前にある事を一生懸命やる事がいいのではないでしょうか?その先にきっと新しい発見があるのだと思います。 友達を大切に、時間を大切に、頑張ってください。応援してます!僕も頑張りますー! 類家心平 1976年4月27日、青森県八戸市生まれ。小学生の時にブラスバンドでトランペットと出会う。高校卒業後、海上自衛隊の音楽隊でトランペットを担当。国内外での演奏活動を行う。 2004年にSONYJAZZから、ジャムバンドグループ「urb」のメンバーとしてメジャーデビュー。2006年に自身のジャズカルテット「Shinpei Ruike 4 piece band」を主催。菊地成孔ダブセクテット、WUJA BIN BIN、菊地成孔率いるdCprG、沖野修也率いるKYOTO JAZZ SEXTET、RM jazz legacyなど様々なユニットに参加。2016年に「RS5pb」としての初のスタジオレコーディング盤「UNDA」をリリース。 また、ジャズを題材としたアニメ・映画「坂道のアポロン」やNHKのドラマ「ロンググッドバイ」では劇中のトランペットを担当するなどますます活躍の幅を広げている。 類家心平 Official Web http://ruike.daa.jp/ ruike's blog(ライブ最新情報はこちらから) http://ruike.exblog.jp/ https://twitter.com/SHINPEI_RUIKE ちひさん。はじめまして。 私は仙台フィルハーモニー管弦楽団トランペット奏者 戸田博美と申します。 中学生活には慣れましたか? ちひさん歯の矯正されてるとの事ですが「大丈夫でしょうか?」というのが正直な気持ちです。 管楽器では歯が非常に重要で、私自身も定期的に歯科医院にてケアしたりまた歯形取る等もしてますので少し心配です。 ちひさんも多分かかりつけの歯医者さんいらっしゃるかと思いますが信頼できる歯科医の先生のアドバイスよく聞いて無理しすぎないように気をつけてください。 ちひさんピアノやエレクトーン習われていたようですが現在も続けてますか? 今ホルン担当されてますので和声和音が非常に重要ですのでピアノ習われていたのが結構生かされます。 楽器吹かなくても自分が今何の音(和音の中の)担当しているのか?等ピアノで弾いてみると分かりやすいと思います。 私もピアノもっと真面目にやっていればと少し後悔することもあります。 ちひさんの充実した中学生活と吹奏楽部でのご活動を応援しています。 そして何より歯をお互い大切にしていきましょう。 戸田博美 広島県出身。私立埼玉栄高校。尚美学園短期大学音楽学科および東京コンセルヴァトワール尚美音楽社会研究コース卒業。 第8回埼玉県新人演奏会出演。 現在公益財団法人仙台フィルハーモニー管弦楽団トランペット奏者。 若林区吹奏楽団常任指揮者音楽監督。 大宮吹奏楽団音楽監督。 トランペットを奥山泰三。戸部豊各氏に師事。 仙台フィルハーモニー管弦楽団 https://www.sendaiphil.jp/ 演奏会情報 https://www.sendaiphil.jp/concerts/ ちひさん、メールありがとうございます。 はじめまして、打楽器の會田瑞樹です! 入学、入部おめでとうございます♪楽器も決まって新鮮な気持ちかと思います。 ホルンは確かに難しいといろいろな方からも話を聞きます。でも、とてもかっこいい楽器です。打楽器奏者の僕ですが憧れます。まずは、ホルンの協奏曲などを聞いて見たらいかがでしょう?そしてたくさんの素晴らしいホルン奏者がいます。そういう人たちの演奏に耳を傾けて見ると、どんどんホルンが好きになると思いますよ! 応援してます♪ 會田瑞樹 1988年宮城県仙台市生まれ。武蔵野音楽大学ヴィルトゥオーソ学科打楽器専攻卒業、同大学院修士課程修了。 佐々木祥、星律子、吉原すみれ、神谷百子、有賀誠門、藤本隆文の各氏に師事。 日本現代音楽協会主催第九回現代音楽演奏コンクール「競楽\」第2位入賞。 デビューアルバム『with...』は朝日新聞夕刊推薦盤、音楽の友12月号推薦盤に選出。 2016年12月にはNHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」において「打楽器百花繚乱 Percussion Extraordinaire -Mizuki Aita-」が全国に渡って放送された。最新アルバムは『五線紙上の恋人』。 會田瑞樹 Official Web Site http://mizukiaita.tabigeinin.com/ 最新演奏会情報 http://mizukiaita.tabigeinin.com/AMHp-schedule.html ちひさん、はじめまして。 僕も高校で初めて吹奏楽部に入った時に一番やりたかった楽器はサックスだったのですが、何の因果かテューバのパートに回されました。そして、その後何十年もテューバを吹いています。 アンサンブルが大好きなちひさんならもう気がついているかもしれませんが、吹奏楽のアンサンブルの中では、いろいろな楽器がそれぞれの役割を果たしていて、そのどれもが大切でやりがいのあるパートです。ちなみに僕は一見地味なテューバの役割を大好きになり、一生の仕事としてしまいました。 ホルンは「管の長さ」と「使う音域」の関係で、金管の中でも独特の難しさがある思います。しかし、吹奏楽でもオーケストラでも、アンサンブルの要となる重要でやりがいのある楽器です。名曲の数々でホルンは大活躍しています。いろいろな曲を聞いてみて下さい。まずホルンを好きになることが上達の早道だと思います。ホルンの場合は、高らかに旋律を奏でている場面も素敵ですが、他のパートの後ろで和音を鳴らしているような、アンサンブル全体の背景を描くような役割も僕は好きですね。それから、指使いは心配しなくてもすぐ覚えられると思いますよ。 勉強との両立に関して、僕が学生の頃とは時代も違うと思いますが、中学校の勉強は予習と復習を習慣づけることが大切だと思います。そして、楽器の練習と勉強は、コツコツと毎日積み重ねていくという点において共通しているところがありますね。楽器の練習をして、課題をひとつひとつクリアする面白さを知るということは、きっと勉強にも良い方向に作用するでしょう。ぜひ吹奏楽も勉強も楽しく続けて欲しいものです。そして、アンサンブルに必要な集中力は、授業を受ける集中力につながるのではと思います。 それでは、これから始まる中学校生活、部活も勉強も目一杯楽しんで下さいね! 関島岳郎 1989年に篠田昌已、中尾勘二と当時は珍しい管楽器3人という編成のバンド、コンポステラを結成する。その後、栗コーダーカルテット、シカラムータ、こまっちゃクレズマ、渋谷毅エッセンシャルエリントン等多数のバンドやユニットに参加しつつ、貴重なポピュラーミュージックシーンのテューバ奏者、リコーダー奏者として数多くのレコーディングやコンサートに参加する。 個性的な作編曲家として映画やアニメーション、CMなどの音楽も手がけ、生楽器と電子音の混在するアンビエントサウンドと美しいメロディに定評がある。2010年にはサウンドトラックを集めたアルバム「2009 〜関島岳郎映像音楽集〜」をリリースした。 関島岳郎の部屋 http://www4.point.ne.jp/~office-mama/ 最新ライブスケジュール http://www.bloc.jp/sekizima/ 中村誠一です。私も、中二だったかな?吹奏楽部に入りました。 サックスをやりたかったけど、もう、やっている人がいてクラリネットになりました。 初めは、あまりと思ってましたがクラリネットがだんだん好きになって、音大にクラリネット科で、入学しました。 どんな楽器でも管楽器は、面白い!そしてどんな楽器も難しいです。楽しく、良い音が出るように努力しで下さい。工夫と努力で上手くなりますよ。 中村誠一 国立音大在学中より山下洋輔トリオでデビュー、フリージャズを演奏。その後、自己のグループ、ジョージ川口NewBig4で演奏活動を行う。 1978年渡米、帰国後NTV『今夜は最高』にタモリと出演。 現在、自己のバンドでデュオから多人数編成まで、様々なユニットでジャズクラブやコンサートに出演する傍ら、洗足学園音楽大学名誉教授として後進の指導にあたっている。 中村誠一 Official Website http://seiichijazz.com/ 最新ライブスケジュール http://seiichijazz.com/schedule/ 皆さん入学おめでとうございます。そして数ある部活の中で吹奏楽部をえらんでくれてありがとう! 音楽が好きな人、楽器を演奏してた人、友達に誘われて入った人、入部の理由は様々かと思います。 ひょっとしたら中には「楽器決め」で、好きでない楽器、聞いたこともない楽器に決まってしまった人もいるかもしれません。 そうであってもなくてもまず私がオススメしたいのは、 楽器名で「ググる」事。 先輩や顧問の先生から話を聴くだけでなく、自ら進んで楽器のスペックや働き、練習方法、そしてプロの演奏を聴く事で、目指すべき姿や全体の合奏の中での働きを理解する事ができる。 そしてもう一つ、理屈を覚えたらあとはひたすら楽器を「触る」事! 音を出さなくてもよいから楽器を一日1回、毎日ケースから出して触ってあげることで愛着が湧き、技術も不思議と上達していく。 これから数年で人前で演奏できる程に上達しなくてはいけない。 そのためにはまず自分の楽器を好きになるのが一番! とはいえ顧問の先生は怖いし、先輩はうまいし、楽譜は読めないし、お休みは無いし、ソロは緊張するし、 …とこれから壁にいくつもぶち当たる事でしょう。 そんな時はひたすら黙って耐え忍ぶのです。 そうすればきっとやっててよかったと思える日が絶対に来ます。 どうぞ楽しんで楽器を演奏して下さい。 神田勇哉 東京フィルハーモニー交響楽団、首席フルート奏者 他にもソロ、Magnum trioメンバーとして多彩な活動をしている。 神田勇哉 Official Website http://yuyakanda.webcrow.jp/ 最新演奏会情報 http://yuyakanda.webcrow.jp/concerts_2018.html ちひさん、記念すべき第一回目のメールをありがとうございます。 希望していたのとは違う楽器ということですが、歯も楽器も一生の大事な友達。 歯の矯正をしっかり終えたら、サックスに取り組むという方法もありますね。 楽器は学生時代が終わってもずっと続けられるものなので、今はホルンを顧問の先生や、パートの先輩のアドバイスを大切にして、頑張ってくださいね。 私の中学校一年生の頃を思い出すと、最初はなかなか小学生気分が抜けず、中学校生活に慣れるだけで精いっぱいでした。 でも、毎日の地道な練習、学校の周囲を走って体力をつけたり、よその小学校の体育館を借りて練習するために暑い中リヤカーで楽器を運んだり・・・だんだん根性や根気が身に付いたような気がしますよ。 根性や根気が身につけば、勉強の習慣もついて、自然に3年間続けられるんじゃないかな?って思います。 先輩や友達と一緒に演奏する楽しさを存分に味わってくださいね。 今からフレッシュな気持ちで吹奏楽を始められるちひさんがうらやましいな(笑) 3年間ちひさんが吹部を続けられるようにCheer Up!みやぎスタッフ一同応援しています。 そして、新入生の皆さん。 楽しく元気に吹部ライフを送れるように、良い企画をお届けしていきますね。 Cheer Up!/Cheer Up!みやぎ編集長 三嶋令子 |