ベーシストの守家巧さんが、キャリア初のリーダーアルバムをリリースした。
ジャンルを超えた美しい曲の数々に胸が熱くなる名盤、そしてピアノトリオの編成で、曲によってメンバーが変わっているところがまた贅沢!
DETERMINATIONS、RUMBA ON THE CORNER、RM jazz legacyなど数々のバンド/ユニットで活躍し、力強く歩み続ける守家さんに、初のソロ作品への想いを伺った。(2016年11月)


---初のリーダー作とのこと。このアルバムを制作されることになった経緯を教えて頂けますか?
RM jazz legacyでもご活躍の守家さんですが、ソロ作品ではご自身のどのような面を表現したいとお考えでしたか。


守家:これまで、数多くのバンドやセッションでベーシストとして活動して来ましたが、いつかは自分名義の作品を作りたいと考えていました。
今だと自分のイメージする作品が作れるベストなタイミングだと思い制作しました。

RM jazz legacyではプロデューサーであるDJ大塚広子の意向もあり、楽器編成を楽曲単位で自由に構成していますが、ソロ作品ではアコースティックによるピアノトリオという編成に拘ってReggaeとJazzから受けた影響を軸に、自分なりの方法論で表現したいと考えました。
そしてアルバムコンセプトとして全てラブソングをテーマにしています。

愛情を込めて作りました。
この作品から少しでもEspoir(希望)を感じ取っていただけたら幸いです。


---今回、固定メンバーのピアノトリオではなく、曲によりメンバーを変えている理由・経緯などを教えて頂けますか。
主に、坪口昌恭さん(pf)・柏倉隆史さん(ds)、石若駿さん(ds)
平戸祐介さん(pf)・藤井伸昭さん(ds)、
Kan Sanoさん(pf)・mabanuaさん(ds)、という組み合わせなのですね。


守家:本作品の内容の構想に半年ほどかけました。
30曲近くあった候補曲から一曲一曲、時間をかけて厳選、イメージしていったんですが同時にこの曲は坪口さんのピアノ、この曲は石若君のドラム、この曲は柏倉君… など自然にミュージシャンと楽曲のマッチングがイメージ出来ました。

それで3人のピアニストと4人のドラマーが参加するというあまり前例のない変則的な内容になりました。
参加してくれたミュージシャンにオファー時に企画内容をお伝えしましたが、皆さん二つ返事で快諾してくれました。


---ジャンルを超越したカヴァー曲のセレクトですが、選曲の基準は?
ローリングストーンズ、Bob Marley、Sly&The Family Stoneなどバラエティに富んでいますね。


守家:選曲を通じて私自身のルーツも表現出来ればと思い、ジャンルを越えてセレクトしました。
アルバム中、唯一のオリジナル曲''Espoir'' は平戸祐介さんとのピアノとベースのデュオですがスタジオ内で自然発生的に生まれました。彼とのファーストミーティングの瞬間です。


---アレンジはあらかじめご自身でじっくり練っていかれたのでしょうか?
それとも録音時にメンバーの方とご一緒に考えていったのでしょうか。


守家:基本的には音響面も含めて楽曲の完成形のイメージはあります。
土台となる譜面は用意していきますが、私の音楽は譜面に記せない部分があり、そこを重要視しているので現場でメンバーにアイデアを伝え実際に音を出しながらイメージに近づけながらその瞬間を逃さず録音します。

同じリズム、メロディー、ハーモニーを演奏して録音しても音色や残響音のバランスで全く違った音楽になります。そこはReggaeやDubといった、質感が肝の音楽からの影響ですね。
今回はミックスとマスタリングをbig turtle STUDIOSのyasu2000さんに依頼しました。満足のいく仕上がりで既に幾つかの雑誌や評論家さんから高音質なピアノトリオ作品と評価いただいています。


---ジャケットの雰囲気がとても素敵ですが、今回のアートワークについてご紹介お願いできますか。

守家:ジャケットデザインはメジャーアーティストからインディーまで幅広く手掛けている池上祐樹さんです。
シックでクラシカルなイメージでと伝えました。
ラフデザインを見たレーベルの担当からはこれではクラシックのアーティストみたいだと言われましたが、こちらはイメージした狙い通りだったのでこのデザインにしました。
スタイリストは遠山直樹さん、カメラマンは本田織恵さんです。


---このWEBマガジン恒例の質問です。
守家さんにとってのCheer Up!ミュージックを教えて頂けますか?


守家:Bob Marleyの全てのアルバムと答えたいところなんですがあえて、ライブ盤の「LIVE!」。
それとMiles Davisの「Kind Of Blue」、Stevie Wonderの「Songs in the Key of Life」。
Cheer Up! ですね!

『LIVE!』Bob Marley (1975)



---今後、ソロではどのような作品を作りたいか等、展望や夢を教えて頂けますか。

守家:「Espoir」の続編を作りたいですね。1stでレコーディング仕切れなかった曲やアイデアがあるので。
音楽には人を幸せにしてくれる力があると信じています。
これからも皆さんに喜んでもらえる作品を作っていきたいと思います。


---どうもありがとうございました。今後の守家さんの作品もとても楽しみにしております。








『Espoir』守家巧

1. It Must Be Love (Labi Siffre)
守家 巧(cb)、坪口昌恭(pf)、柏倉隆史(ds)
2. Diamonds (Rihanna)
守家 巧(cb)、坪口昌恭(pf)、石若 駿(ds))
3. Soul Sista (Bilal)
守家 巧(cb)、坪口昌恭(pf)、石若 駿(ds)
4. Waiting In Vain (Bob Marley)
守家 巧(cb)、Kan Sano(pf)、mabanua(ds)
5. In Time (Sly&The Family Stone)
守家 巧(cb)、坪口昌恭(pf)、石若 駿(ds)
6. Espoir
守家 巧(cb)、平戸祐介(pf)
7. Feel No Pain (Sade)
守家 巧(cb)、坪口昌恭(pf)、柏倉隆史(ds)
8. Heaven (The Rolling Stones)
守家 巧(cb)、平戸祐介(pf)、藤井伸昭(ds)
9. I'm Not The Only One (Sam Smith)
守家 巧(cb)、平戸祐介(pf)、藤井伸昭(ds)
10. Riders On The Strom (The Doors)
守家 巧(cb)、Kan Sano(pf)、mabanua(ds)


レーベル:Key of Life+
発売日:2016年10月19日
規格番号:KOL6

アルバム出版元
http://diskunion.net/sp/diw/detail/1007170810



守家巧


◆守家巧 プロフィール:

トランペッター近藤等則のバンドへの参加、そして2014年夏よりJazz DJ大塚広子がプロデュースするRM jazz legacyにベース/バンドリーダーとして参加。ファーストシングル''Night Flight''はInter FM"Jamie Cullum's Jazz Riot"(BBC Radio 2)のテーマ曲に抜擢され、FUJI ROCK Festival (2015)、Blue Note Jazz Festival in Japan (2016)などの大型フェスにも出演。2015年12月にJazz DJ大塚広子が監修するレーベル key of life+より1st アルバムをリリースし2016年12月には2nd アルバムをリリース予定。


守家巧 facebook
https://www.facebook.com/takumi.moriya.39

Twitter
https://twitter.com/takumimoriya

RM jazz legacy Facebook
https://www.facebook.com/rmjazzlegacy/




(C)2009-2016 Cheer Up! Project All rights reserved.