大野方栄さんの最新作『Pandora』リリース、そしてデビュー・アルバム『マサエ・ア・ラ・モード』初復刻を記念して、アルバムに参加なさった音楽家の方々や、『マサエ・ア・ラ・モード』ライナーノーツのインタビュアー田中雄二さんから、大野さんへのメッセージやコメントを頂きました。
(敬称略・五十音順)


大平光美(koto player、シンガーソングライター「てみ」)

大野さんとは今回はじめてお会いし、レコーディングに参加させていただきました。
すごい方だというのは聞いていたので少し緊張感をもってスタジオに伺ったところ、まずはお茶をだしていただき軽食やお菓子が山のように用意されたブースに案内していただき。
あまりにアットホームで飾らない、親切すぎる人柄にビックリ!
と思えば、本番では鋭い感性と思い切りの良さ、分析能力に驚かせていただいたり。
その人柄はまさに、歌声そのもので、のほほんと、のどかにかわいく歌ってるかと思えば、ここぞの時にはリズムと音程が小気味よくキマる。
最終的には「なんかいい時間をすごしたな」、そんな、心地よくスキップしたくなるような気持ちにさせてくれる、そんなアーチストであり、歌だと思います!
出会い、それから参加させていただいたことに感謝!


TEMI KOTO WORLD
http://www.geocities.jp/temideojaru/



小畑和彦(ギタリスト)

ドラムの久米ちゃんに誘われて今回のレコーディングに参加しました。
若い頃少しやってた横倉さんの曲は懐かしく又色褪せてない素晴らしい曲だなと改めて思い知らされました。
大野さんとも初めて一緒させて頂きましたが、実にユニークな歌詞がついていて楽しく仕事させて頂きました。


小畑和彦 公式ウェブサイト
http://www.geocities.jp/obata_335/



菊地康正(サックス/フルート奏者、作編曲家)

大野さんへ

前回のベーシスト古屋君が先立ってしまって残念でしたが、彼の希望も有り、また新作ができてしまいましたね?もちろん彼の旅立つ前の演奏も入っています。

いつもながら、膨大な世界のアーティストの作品から自分のボーカリーズの素材となるものを見つけて来て、見事に自分の世界を作り上げる才能は健在です。

僕も、メンバーの紹介、アレンジの提供、演奏などで手伝わせていただき、やりがいのある良い仕事を再びさせていただきました。

一人でも多くの方に、大野さんの世界の素晴らしさを知ってもらいたいと願っています。

また音楽を作り上げる才能もさることながら、あの可愛らしい声をいつまでも維持しているのもただ事ではないと思います。

CD発売おめでとう御座います。


菊地康正(KOSE)オフィシャルサイト
http://kose-sax-flute.jp/



久米雅之(ドラマー、パーカッションプレーヤー)

 大野さんとは近年CDの制作に参加させて頂いていますが、今回のアルバムは私にとって思い出深いものとなりました。
 そもそも、私の旧友の古屋が食道がんになってしまい、最後の仕事として大野さんにCD制作を勧めたのがきっかけでできました。メンバーの人選も私に任されたのですが、古屋の病状が急変し、レコーディングできるか危ぶまれましたが、最後の力を振り絞り最高の演奏をしてくれました。

 そして私のまさかのヴォーカルデビュー!かつてブラジルを代表するベーシスト、ルイザンマイアのバンドで私が演奏していた時、彼が好んで演奏した曲がブラザジアでした。このアルバムではヴァカンスというタイトルですが、当初この曲のコーラスだけ是非やらせて欲しいと彼女に言ったのですが、どうせなら歌詞も一緒に歌って欲しいと言われ、驚きました。今年若いヴォーカリスト出口優日のアルバムをプロデュースした私は、歌が大好きです。歌ってみると意外にうまく歌え、自分でも嬉しかったです。

 そんなこんなでとりわけ自分にとっても大事なアルバムになりました。大野さんは本当に様々なコアな音楽を良く知っていて、それを独自の路線で歌うユニークな存在だと思います。


久米雅之 オフィシャル・ウェブ
http://homepage2.nifty.com/gakio/



高田信(作曲家)

 もともと自分は大野さんのメジャーデビュー以来のファンでして、2013年の7月、たまたまツイッターでつながった際に、投稿サイトに上げていたVOCALOIDのオリジナル作品に大野さんが興味を持って下さり、高田の曲を歌いたいとの話を、その日のうちに伺ったのが最初です。
 長年敬愛していたアーティストですから、自分の実力程度や業界経験の無さなどは意識から飛んでしまい、二つ返事でお受けした後、あれれっ、オレで大丈夫?と一抹の不安がよぎりました。でも、こんなチャンスは二度とありませんし、元来が楽天家なので躊躇はありませんでした。

 学生の頃からアマオケでオーボエを吹く傍、ソングライティングを見よう見まねでしてたものの、作曲は完全に我流です。その後、日常に埋もれ音楽の現場を離れていた中、VOCALOIDの登場をキッカケに楽曲制作に復帰しました。ニコニコ動画界隈で言う所の、「出戻りDTMer」です。
 幸い、演奏情報を自分のPCとスタジオのシステムの間で直にやり取りする時代になりましたので、その辺のギャップは殆ど感じずに完成イメージを演奏家・エンジニアの皆さんと共有できましたが、あの憧れの大野さんの仕事に参加している、という現実に未だに実感が湧かない状態が続いています。大野さん、大切な商品であるアルバムに入れるのがホントに俺の曲でいいんですかね?的な気持ちとでも言いましょうか(笑)。

 「春のコンチェルト」はバロック風のVOCALOID協奏曲として書いたダンスチューンです。ボカロ用なので、肉声では再現困難な「早弾き」の面白さを狙いました。作曲時点で、ポピュラー音楽の世界で歌えるのは大野さん位だろう、と意識したのは事実ですが、ホントになるとは自分でもビックリです。
 「コリエンテス通りにて」は、精力的にGood Musicを産み出す道を突き進む大野さんへの応援歌として書き下ろしたものです。曲想をタンゴ風にしたのも、ブラジリアンよりも一層、直進的な疾走感を強調したかった為です。メロディも欲張り過ぎて、サビが2つある曲になってしまいました。

 業界の作法もスタジオのイロハも知らない私を我慢強く導いて下さった大野さんはじめ雲の上の音楽家の皆さんと、Studio Dedeの吉川さんには心から感謝します。そして短い間でしたが、惜しくも6月に逝去された古屋栄悦さんと、プロへの入り口で音楽の喜びを分かち合えた事を誇りに思います。
 このような機会を設けて下さった事に改めて感謝申し上げます。日本が世界に誇る才能、大野方栄さんの為に微力でもお役に立てればこんな幸せはありません。


高田信 Twitter
https://twitter.com/heartwarming_c



田中雄二(映像プロデューサー)

 個人的な話で申し訳ない。あるムックで依頼された70年代に一世を風靡したタモリのレコードの取材で、当時のディレクター氏にお会いしたとき、担当を兼任されていたカシオペアの話題から、彼らがバッキングを務めた『マサエ・ア・ラ・モード』の話になった。赤塚不二夫が熱狂したように、まさにあれは「女版タモリ」とでも呼びたい、ジャズへの偏愛と見事な話芸(リリック&ヴォーカル)が詰まったアルバム。タモリ本人がどこまでも謎の人であるように、大野方栄という存在もずっと謎の人であった。

 たまたま今春、ブレッド&バターの単行本で有賀恒夫ディレクターの仕事ぶりに思いを馳せ、今は今で『ひらけ!ポンキッキ』の回顧録で、彼女のもっとも知られる「やせろ!チャールス豚三世」について原稿を書いている。実はプロフィールについてはほとんど知らなかったのにも関わらず、ずいぶん生意気なもので、これまで他の誰より以上に大野方栄について書いてきた私だ。収録曲「Eccentric Person,Come Back To Me」を初CD化したのも、小生が編んだコンピレーション盤というささやかな自慢もある。

 今回、『マサエ・ア・ラ・モード』の初復刻に関わらせてもらったレーベルに感謝。そしてライナーノーツ取材で、念願のご本人との対話を果たすことができた。資料封筒いっぱいの質問を抱えて臨んだインタビューの成果は、1万5000字という自己記録の文量として紙ジャケのインナーに掲載されている。マスタリング前に急遽決まった取材だったため、まだマスター音源を耳にしておらず、往時のサウンドがどう聞こえるのかパッケージの到着が楽しみ。

 そしてもうひとつの自慢は、取材現場でいただいた最新作『Pandora』のサンプルを、誰よりも先に耳にできたことだろう。復活からの3枚はすでに耳にしていたが、なかでも『Pandora』というアルバムの持つ現代性は、『マサエ・ア・ラ・モード』発売日に予約して買ったときのようなフレッシュさで聴く者を圧倒する。まさかボカロとの競演が聴けるとは、また一足先に届いたパッケージで、クレジットに横倉裕の名前を見つけたときの驚きといったら。いち早くブラジル音楽の才能を輩出したアルファレコードの2つの才能が、『マサエ・ア・ラ・モード』、『Pandora』の新旧アルバムを結びつけている。これは同時に聴くべき2枚なのだ。


田中雄二 Twitter
https://twitter.com/ugtk



中村隆志(ギタリスト)

いや〜30年ですよ!30年!30年何も創っていなかったくせにこの2年余りで5枚のフルアルバムって異常でしょ?(笑) こりゃギネスもんですよ、奥さん!
というわけで前作「Brasil」に呼んでもらい今回の「Pandora」と、楽しい時間を共有させていただきました。現場が楽しいといい音が出来るのは世の常であります。
Pandoraは古屋栄悦という名プレーヤーがいなければ録音されなかった作品。彼の最後のレコーディングに参加できたのも光栄なこと。(詳細はまさえちゃん本人のライナー読んでね)
そして長年の夢だったまさえちゃんとのDuoも実現!万歳!
そんなこんなでこの次はモアベターよ!みなさん
(と、次回作にも参加のお願いをするわたくしであります)



原田芳宏(作曲&スティールパン奏者)

大野さんとは初めてお会いしたのですが、とても個性的な声と、あと歌詞が面白くて録音しながら思わず聴き入ってしまいました。
楽曲は個人的には大好きな作品です。こういう音楽でのスティールパンは自分のルーツなので、とても楽しんで演奏させて頂きました。もちろん歌を楽しみながら!
大野さんってCMの女王なのですね!曲のほんの冒頭だけで全てを伝えられる感じがしてましたが、すごく納得です!


原田芳宏ホームページ
http://yoshihiroharada.wix.com/home




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