仙台市出身のシンガーソングライター 佐野碧さんが2018年秋に3rdアルバム『夢』をリリースしました。このアルバムでは、幅広い活動を経てますますパワーアップした佐野さんを感じることができ、またリスナーも大きなパワーをもらえる歌がぎゅっと詰まっています。
今回は佐野さんに直接お会いしてのインタビューが実現しました。このアルバムの一曲一曲にまつわるエピソードを中心に、ネパール支援のお話、佐野さんの曲作りやアルバムのテーマである"夢"についてじっくり伺うことが出来ました。ぜひ佐野さんの魅力をより多くの方に知って頂きたいです。(2019年6月)

---今回のアルバム『夢』、ますますバラエティに富んでいて、希望の光があって、まさに"Cheer Up!"なアルバムですね。何度も聴いています。制作期間はどのぐらいかかったのですか?

佐野:アルバムを作ろうと期間を設けたわけじゃなかったのですが、約1年ぐらいです。
女子プロ野球のコラボ曲を作らせていただいたり、株式会社イチイ様の会社のテーマ曲を作らせていただいたり、自然と曲が増えていきました。
その中で、共通するテーマが「夢」だなぁとふと思ったんです。そんな流れを大切にしました。

---「夢」というタイトル、シンプルだけど何かギュッと詰まってますね。「テーマが夢だなあ」って思ったいきさつを詳しく伺えたら!

佐野:私が野球をやっていたということもあり、スポーツ関係のイベントに出ることも多かったんですね。
スポーツを頑張って、その瞬間にかけている方々を見ていたら、夢って本当に素敵だなぁと改めて思えた瞬間がありました。

昔は「夢」という言葉があまり好きじゃなかったんですね。実現することから離れているように感じたからです。でも変わってきました。目標は、一人一人が持つもので、夢は、誰かと共有して無限に広がるものなんだと感じたんです。

さらに、女子プロ野球、埼玉アストライアの選手と縁があり、亡き初代監督の片平晋作さんに捧げる曲を作らせていただく機会があったんですね。
選手たちの想いを聞く中で、ますます「絶対、夢ってテーマでCD作りたい」と思いました。

---歌詞がストレートに心に届いてきます。そしてサウンドもバラエティに富んでいるアルバム。サウンドもご自身で作るそうですね。

佐野:そうですね。曲を作ってる時に一緒にドラムやピアノらベースラインなどもイメージとしてくるのですよね。
最近はそうした全体のイメージの下書きを私が作り、それをアレンジャーさんに渡して形にしています。アレンジャーさんもそれをくんでくれて、納得いくまでサウンドにこだわっています。
昔は全部自分でやってましたけど、パンクしちゃいました(笑)。
それに今は信頼できる素晴らしい仲間もいて、ありがたいです。
それでも、これだけは自分で編集(ミックス)をやりたい!というものは、アレンジ後の作業を自分で行います。

---ここからはアルバムの曲をピックアップしてお伺いします。

02. What your name?
---以前ライブで聴いてすごく気に入った曲です。軽快で盛り上がれる楽しい曲ですよね。
「ナマステ メロナム アオイ ホ」という歌詞が印象的ですが、どういう意味ですか?


佐野:ネパール語で、「私はアオイと申します」という意味です。
「ホ」は、「です」。is とか am と同じ意味ですね。
ネパール語と日本語を混ぜた曲なんです。
私がネパールと縁があったので、何かみんなと音楽で共有したいと思いました。
ネパール語といえば、私もそうでしたがナマステ!ぐらいしか知らないかもしれないと思い、簡単なネパールの言葉をリズムに乗せて知ってほしいなぁと思い作りました。

04. 水龍
---美しくて心に沁みる曲ですね。和風で厳かな感じもあり・・・まさに龍が見えるような。

佐野:これは宮城県名取高等学校の男子新体操部のテーマ曲です。
彼らの演技はYouTubeでも見られますけど、凄いんですよ!ぜひ見て下さい。

名取高校が東日本大震災の時、体操で使用するマットなどの練習用具などが使えなくなり、満足いく練習環境がなかったそうなんです。
そういう理由もあって、練習では、大技と言われるジャンプなどがあまりできなかったらしいのですね。そのなかで、自然に新体操では珍しいダンスの様なパフォーマンスの形になっていったようです。
本当に美しくて独特なんですよ、名取高校の新体操は。それが素敵なんです!
昨年「夢」の発売イベントの時に新体操部の映像を流しながら歌いました。





05. 夢の星
---この曲は「feat 埼玉アストライア」ということで、女子プロ野球チーム埼玉アストライアとのコラボ曲なんですね。

佐野:女子プロ野球チームの方と会う機会があったんです。
その時に、初代監督の片平晋作さん(元西武ライオンズ)が亡くなられたことを知りました。
選手たちがたくさんの想いを綴ったYouTubeが、ホームページにあがっていて、拝見し、感動したんです。
片平監督が亡くなられたのは2018年1月でした。私が打ち合わせをしたのはたしか3月。私も野球をしていたので、人ごとでなかったし、痛いほど監督の存在の大きさがわかりました。だから今選手たちはどんな気持ちでいるのだろうと思いました。

片平監督がお亡くなりになられて、選手たちは今どんな様子なのですか?そう聞いたんです。
そうしたら、みんなすごく落ち込んでいる。四月から開幕戦が始まるけど、その監督の存在は大きかったから・・・っていう話だったんですね。そして選手だけでなく、コーチや関係者の皆さんも同じように片平さんを想っていることを感じたんです。

私も少年野球時代、監督がいたから頑張れたというのがあるからこそ、すごく分かるという話をしていたら、「じゃあ、開幕戦で歌ってくれませんか?」っていう話に発展して。

それじゃ何を歌うか?ってことになったとき、選手たちが片平監督を想っている気持ちを監督に捧げられないかな?と思いました。
ただ、あまり時間がなかったため、開幕戦に間に合うかどうか不安な気持ちはありました。
それで、翌日から選手や関係者たちから、監督への言葉を集めていきました。
結構バタバタしました。

そして、集まった言葉を見たとき、感動したことを今も忘れられません。
愛が本当にたくさんその言葉にはありました。歌詞をメロディーにあてて作りながら、一人感極まってました。

私はお会いしてないけれど、そのたくさんの言葉から見えてくるじゃないですか、監督の像っていうか。そしてこの曲は、悲しいだけでなく、あなたの意志を繋いでいく。そんな原点に還る曲にしたいと思い、出来上がった曲です。
フィーチャリングで、埼玉アストライア 加藤優選手、コーラスで選手のみなさまが入って下さいました。
練習からレコーディングからみんなで作った曲です。

06. ありがとうと書いて夢
---印象的なタイトルです。これはどんな繋がりで出来た曲なのですか?

佐野:「夢」をテーマに決めてから、もっといろんな方の話を聴きたいと思ったんです。
誰もが夢を見て、追いかけたことがあると思うんですね。
その中でも、沢山の挫折した方に話をしばらくお話を聞きにまわったんです。本当に尊敬する方ばかりで。

そんな中、ある方と話してるとき、ふと思ったんです。彼は村さ来の東北を統括してる会長さんで藤原賢一さんと言います。沢山の壁を乗り越えてきた彼の言葉はいつも私に衝撃をくださいました。そんなステキな言葉を頂く中で、もっといろいろな人にこの言葉を聞いてほしいなという想いにかられたんです。
彼の言葉をもとに歌を作れないかな?とふと思ったんです。

CDのジャケットでも、彼が描いたありがとうという字で描かれた「夢」を使わせて頂いています。
実はこの字ですが、彼が描かれた字なんです。2017年「夢 クリスマスチャリティライブ」にゲスト呼んでいただいた時に目にした字でした。
私の中にずっと残ってました。
それで、ダメ元で聴いてみたんです。
あなたの言葉をもとに曲書きたいんです。と。そしたらすんなりいいよと言って下さった。
そして、彼の言葉をいろいろメモっていたら、あっ、やはり行き着く先は「夢」だなって。

もちろん自分の伝えたい想いを詩にしていきますが、いろんな方々の言葉を自分だけで持っておくのが、やはりもったいないなって変わってきました。

07. my secret number
---この曲はサウンド的にもすごく好きです。かっこいいし、ソウルフルで、佐野さんの魅力があふれていますね。

佐野:私はスラムダンク世代なんですけど、スラムダンクの桜木花道が天才だって自分のことを言ってて。
それで「1031」を my secret numberって。1031=天才、なんですよ。
「1031」って真面目な曲を作っても笑われそうだから、ちょっとラップ調にしたら面白いんじゃないかな?って思って作りました。
誰もが天から授かった才能がある、天才だって、今も強く思います。

08.+Life
---アルバム最後の曲は株式会社イチイさんのテーマ曲なんですね。イチイさんとの出会いのきっかけは?

佐野:イチイさんは不動産の会社です。代表の荻野社長は、海外に住んでいた経験もあり、外国人のためのシェアハウスなどを考案された方です。
また、人に寄り添う考え方で、高齢化社会の中でどうやって不動産業をやっていくかというところで、「+Life」というブランドを立ち上げたんです。
社長との出会いは国際紅白歌合戦というフェスティバルが東京であって、それを知って「なんて面白いことやってるんだろう!」って思い、オファーして出演したんです。
荻野社長が国際紅白歌合戦をサポートされていて、その縁で出会うことができました。

私が行なっているネパール支援活動にご興味を持って下さいました。
そういった流れの中で、この曲を作らせていただことになりました。

---軽やかでいい歌ですよね。

佐野:みんなで歌える、掛け合える曲がいいなと思って。
「+Life」のブランディングはこれからスタートするので、歌詞も自由でいいよと仰ってくださり、独自の「+Life」のフリーペーパーがあるのですが、そこに、シニアの生活をより豊かにという内容を拝見し、イメージを膨らませました。

実はこれまでは、プラスってあんまり良い印象を受けなかったんです。
求めてしまいがちな私たちは、むしろ色んなものをそぎ落として生きたいと思っていて。
それは今も変わらない。だけど、プラスはプラスでも+Lifeってとても素敵な言葉だと思いました。
人生は誰かと誰かで繋いで生きている。私自身、まさに繋がって生かされてる。
+Lifeのプラスは、繋ぐという想いを繋ぐもので描いてみたいと思いました。


---Cheer Up!インタビューでは毎回「あなたの最近のCheer Up!ミュージックは何ですか?」って質問をさせて頂いています。前回の佐野さんのメールインタビューでは、ネパールの国民的歌手アドリアンさんが歌う「ネパーリホー」がCheer Up!ミュージックだと教えて頂きました。
最近の佐野さんのCheer Up!ミュージックを伺えますか?


佐野:最近聴いてたのは、マイケルジャクソンの「You Are Not Alone」という曲ですね。




---今年もネパールに行かれたそうですね。ライブは盛り上がったでしょうね!
復興の様子、ライブの様子などいかがでしたか?


佐野:今回はネパールのソクラ村というカトマンズからバスで約7時間くらいにある村へいきました。ここは2015年のネパール大地震の時に大きな被害を受けた場所で、今だに電気はほとんどが来ていない状況でした。
今回はこの村の特に厳しい状況の家102世帯にソーラーランタンを日本から届けることができました。そして、その光は、音楽と共に、笑顔と共にほんとに綺麗に輝いてました。
音楽を通し、言語と文化も国境も越えて一つになる時間がそこにありました。
また、今回ははじめて市長さんがこのフェスティバルに参加してくださり、ソクラ村の方々に電気を通すことを約束してくれました。これまで光の当たっていなかった村に本当の光が当たり、本当にみなが喜びました。

※佐野さんの活動のご様子、今回のネパール訪問のご様子がNHK仙台のニュース番組「てれまさむね」にて特集されました。以下のURLから動画を見ることが出来ます。
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20190606/0005800.html

---今後の展望、佐野さんの夢について教えていただけますか。

佐野:ネパールの活動も糧にして、アジアを代表するシンガーになりたいです。

また、音楽家という立場を超え、音楽を活用し、様々なプロジェクトをしていきたいと思ってます。世界中の人々と繋がっていきたいです。

---今回は貴重なお話をどうもありがとうございました。Cheer Up!でも佐野さんをますます応援していきます。またお話聞かせて下さいね!




『夢』 佐野 碧

01. 野球の虫
02. What your name?
03. 情熱100マイル
04. 水龍
05. 夢の星
06. ありがとうと書いて夢
07. my secret number
08. +Life

リリース:2018/11/22
発売元:合同会社AOI FACTORY
規格品番:AOI-0001




プロフィール:

佐野碧(SANO AOI)
仙台出身シンガーソングライター

幼少期より世界各国を訪れ、異文化に触れる。
学生時代は野球に明け暮れ、リトルリーグで女子初の東北選抜に選ばれる。
大学卒業後、上京。インド声楽を学ぶ。彼女の声は世界的ボイストレーナー、グル・デブ・カマット師にも認められ、「魂の声」として評される。
作詞、作曲、プロデュースを自身で手掛け、その歌詞は、深い悲しみに寄り添いそっと背中を押してくれる。
ふるさとを襲った東日本大震災が大きく音楽性を変える。
地元東北と、ネパールでの支援活動を並行してして行い、毎年開催するチャリティフェスティバルは述べ5000人以上が参加。
ゲスト出演したネパールの国民的人気番組「Namaste TV」のYouTube再生回数は110 万回を突破。

【経歴】
・2ndアルバム「NAMIDA」をリリース。全国ツアーを開催(2017/10)
・スペースシャワーTV 「スペシャのヨルジュウに」出演 (2017/10)
・女子プロ野球開幕戦 埼玉アストライアー京都フローラにて、故片平初代監督に捧げた曲「夢の星」を歌い上げる (2018/04)
・ネパールのTV HIMALAYA TV「GOOD NEWS」に、HIKARI SONG GIFTのこれまでの活動が特集として放映(2018/05)
・日本テレビ「ZIP!」ハテナビコーナーにて、海外で有名な日本人として大々的に特集される(2018/05)
・プロ野球 楽天―西武ライオンズ戦にて 国家斉唱を務める(2018/9)
・3rdアルバム「夢」をリリース。アルバム収録曲「ありがとうと書いて夢」が居酒屋チェーン「村さ来」TVCM曲に採用(2019/01)
・野球 日本代表公式サイト 侍ジャパン内「世界の野球」にてHIKARI SONG GIFTの活動が掲載(2019/04)

佐野碧オフィシャルHP
https://aoisano.com/

公式Youtubeチャンネル
http://www.youtube.com/user/Aoifactory

佐野碧公式Facebook
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Twitter
https://twitter.com/aoi_factory


♪最新Live情報

【ワンマンライブ】
アコースティックライブ
※60名限定
2019年7月4日(木)
開場:19:00 開演:19:30.
仙台 REFRAIN(ルフラン)

ネパールドキュメンタリーライブ
※40名様限定
2019年8月13日(土)
開場 13:30 開演 14:00
神奈川県藤沢、湘南朝日ビル4階 SHOWHALL

令和元年 CD発売記念ライブツアー
2019年9月10日(火)
開場:19:00 開演:19:30
仙台 誰も知らない劇場

令和元年 CD発売記念ライブツアー
2019年9月22日(日)
開場:17:30 開演:18:00
東京 八重洲ホール

令和元年 CD発売記念ライブツアー
2019年10月6日(日)
開場:18:00 開演:18:30
大阪 歌う魚

【ゲスト出演】
「震災復興応援レッスン ファイト大船渡&陸前高田第12回目」
ポスチュアウォーキングKIMIKO氏が毎年震災後に行ってる応援企画。
※ゲスト出演
2019年7月1日(月)
19:00〜20:30
働く婦人の家 軽運動室
2019年7月2日(火)
10:00〜11:30
13:00〜15:00
陸前高田 陸カフェ


<Cheer Up!関連リンク>

佐野碧インタビュー 〜ネパールに灯す光と歌声〜(2017年)
http://www.cheerup777.com/sanoaoi.html

佐野碧 2ndアルバム「NAMIDA」リリースに向けクラウドファンディングに挑戦(2017年)
https://ameblo.jp/cheerup2009/entry-12293660941.html




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