Cheer Up!初登場のバンド、サンゼンの登場!サンゼンは2003年結成、ヴォーカル・ギターのオザワタロウさんが手掛ける曲の美しさ、繊細さ、心地良さを誘う独自の歌声で長年愛されているバンドだ。この8月リリースの最新アルバム『レイとグリント』も発表当初から話題を呼び、夏から秋にかけてゆったり聴きたいアルバムとしてじわじわと拡がっている。
今回はオザワタロウさんに、この『レイとグリント』の魅力、サンゼンの魅力について迫ってみた。
また、サンゼンと親交が深く『レイとグリント』でコーラスアレンジとコーラスを担当された河合雄三さん(kagalibi)からコメントを頂いた。(2018年9月)


---Cheer Up!初登場のサンゼン。まずはこのバンド名がとてもインパクトあるなあと以前から思っていたのですが、由来を教えて頂けますか?

オザワ:薬剤師の父から聞いた話なんですけど昔から薬って「ん」をつけることによって柔らかい響きにしてたらしいんですよ。「バファリン」みたいな。
なので「ん」が入るバンド名にしたいなと。
あと「三千」であったり「産前」「燦然」とか意味を固定しないためにカタカナ表記にしました。

---現在は3人編成。ヴォーカルとギターはオザワタロウさん。
ベースの吉田靖雄さん、ドラムのFunky-Yukkyさんについて、お人柄や出会いのきっかけなどをオザワさんからご紹介頂けますか?


オザワ:Funky-Yukkyは結成時からのメンバーで大学の後輩なんですけど、サンゼンの前にも一緒にバンドやってました。
時間にルーズで彼に待たされた時間を合計するととんでもないことになると思いますね。
そんなときでも笑顔で登場するので一喝しても効かないんです。なので雑に扱ってますがその関係性が長くやれてる秘訣かもしれません。
ちなみに一度脱退してます(笑)。

靖雄くんは2008年にベースが抜けた時にサポートメンバーとして当時のギターが連れて来てくれて、その後正式メンバーになりました。
ストイックでいつも練習してますね。歌に対してのベースってのもよく考えてくれてます。誰もが認めるグッドプレイヤーです。
彼も当初はよく遅刻してましたが僕が時間にうるさいのを理解して気をつけてくれるようになりました。
酒を飲んでるときは要注意です・・・

---『レイとグリント』、絵本のタイトルのようなこの不思議なアルバムタイトルをつけた経緯について教えて頂けますか?

オザワ:ray(光線)とglint(輝き,閃光)なんですけど、ちょっと近い存在の言葉を並べたかったのと、「レイとグリント」と検索しても何も出てこなかったので決めました。

---このアルバムの制作期間、またレコーディングにまつわるエピソードについて教えて頂けますか。

オザワ:最初にレコーディングしたのは「夕闇」で2011年に録りました。
ボーカル等はアルバム用に録り直してますが、その他の曲も割とリズムトラックを録った時期はバラバラです。
2016年にFunky-Yukkyが生活の拠点を宮崎に移したので、そこでリリースするってことに動けない感じになりました。

アルバム発売をちゃんと意識出来たのは去年CM音楽制作のお話をいただいて「明日の拍子」「街に景色」を作ったあたりですね。
リリース後の事はその時考えようと思ってとりあえず完成させました。


「明日の拍子」


「街に景色」


---ジャケットがとても綺麗ですよね。曲のイメージを伝えたり、曲を聴いてもらってからイラストレーターの方に描いて頂いたのでしょうか。

オザワ:レコーディング後に曲順も大体決まってから近藤康平さんに曲を聴いてもらって注文等はとくにせず自由に描いてもらいました。

---全曲オザワさんの作詞作曲ですね。詞世界はどのように浮かぶのかなあととても気になりました。
物語、場面、それぞれリスナーが自身の体験に重ねてイメージをふくらませて共感する歌が多いと感じました。
詞と曲はどちらが先に浮かぶのですか?


オザワ:自分の体験した事、感じた事が多いですが、なにか一つ強いフレーズが出てきたらそこから拡げて一曲にすることが多いですね。
詞と曲はどちらが先ってのは決まってなくて同時のときもあります。

---アルバム前半には夏らしさがあり、途中から「秋」「モヤモヤ」からどこか寂しさも感じて。
でも「夕闇」「明日の拍子」「街に景色」で力強さを感じました。
曲順についてはどのように構成されましたか?


オザワ:とりあえず1曲目はなにがいいかをメンバーと業界の人に聞いて「毎秒に波」がいいかなと。
それが決まってからラストは「フクロウ」、リードトラックの「雨に冷たい」は序盤、「秋」は「夏」よりも後ろかな。
と徐々に決まっていきました。

---「サーファー」では特に、このアルバムで8曲のコーラスアレンジを手掛けている河合雄三さん(kagalibi)のコーラスとオザワさんの声の相性が良くて、とても心地良かったです。
河合雄三さんとの出会いのきっかけや、お人柄について伺えますか?


オザワ:2005/3/3 下北沢モナレコードでの共演がきっかけでした。
共催のイベント含めて50回以上対バンしてると思います。
少し控え目だけど誠実で音楽に対するこだわりが凄いです。
僕は雄三くんのファンなので「一番好きな声」とか「一番好きなバンド」とか言ってたら、その甲斐あって雄三くんもサンゼンをよく褒めてくれるようになりました。
コーラスをお願いする曲を送る度に絶賛してくれたので自信がつきました(笑)。

---「明日の拍子」はCM曲で架空の子供にむけて作られたそうですね。
あったかく優しく、そしてサンゼンのサウンドとオザワさんの声の心地良さの魅力があふれる曲!
サンゼンの魅力が凝縮されていると感じました。


オザワ:CMの絵コンテの一つが「子供が安心して暮らせるように」って感じだったので心配する親の目線で書きました。
15秒のフレーズを5,6パターン作って制作会社の方達に選んでいただいたりしたので強く響くものになってる気がします。

---アルバムを締めくくる「フクロウ」は、WEBのセルフライナーに
「結成から15年、いろんな事があったけど 今となっては言うほどの苦労でもなく これからも自分達のしたことに対してそれなりの何かを受け止めていきたい。」
と書かれていて、オザワさんの想いにしみじみしました。
どんな15年だったのか・・・。サンゼンは2003年結成、当初このように長く続くと思っていらっしゃいましたか?


オザワ:こんなに続くとは思ってませんでした。
知り合いが開催した野外イベントに出るためのバンドだったんです。当初から良い曲が出来たらライブをやるみたいなゆるい感じだったので、事務所にお世話になってガッチリやってた時期もあったけど、最終的にはゆるい人間が残っただけですね。

---オザワさんは最初に音楽を意識したのは何歳ごろですか?学生時代はどのようなアーティストやジャンルを聴いていたのでしょうか。
また、お好きな本や映画について教えて頂けますか?オザワさん独自の詞世界に影響のある作品もありましたか?


オザワ:コピーバンドを始めた16,7歳ごろです。
熱心に聴いてたのはユニコーン、フリッパーズギターなどで上京してからサニーデイサービス、その流れで細野晴臣さんを知ったのが大きいと思います。

TSUTAYAで10年くらい働いてたんですが、その割に映画もあまり見ないですし本もあまり読まないですね。
なので詞曲に関しては聴いてきた音楽と日常が影響してると思います。

---このWEBマガジンの恒例企画です。
オザワさんにとってのCheer Up!ミュージックを教えて頂けますか?


オザワ:僕のCDプレーヤーはCDが3枚入るんですが聴きたいアルバムはそのDISC1を入れ替えて聴いてて、それが終わるとDISC2が自動的に再生されます。それがここ2年くらいはkagalibiの「見渡せるほどの小さな日々を」になってるのでそのタイトル曲が流れるとちょっとやる気になりますね。

---今後の夢や展望について教えて頂けますか?

オザワ:さまぁ〜ずの大竹さんと三村さんが大好きなのでミュージシャンとしていつか会いたいって10年くらい言ってます。

---どうもありがとうございました。これからもサンゼンの新しい曲を味わえることを楽しみにしております。




『レイとグリント』リリースにに寄せて、コーラスアレンジとコーラスを担当された河合雄三さん(kagalibi)から、コメントを頂きました。


今回「夕闇」と「フクロウ」以外の8曲のコーラスアレンジをさせていただきました。
それぞれの楽曲の世界観を僕なりに感じ取った上で、どの部分をどんな声質で、過不足なく広げるかというところを気をつけながら。

お話をいただいた時点で特に締め切りもないということだったので、オザワさんからいただいたデモ音源を移動の車でじっくり聴き込んで、基本的には自然に聴こえてきたイメージを自宅で形にしていくという感じでした。
あまりにのんびりだったせいか4,5曲め辺りやってる時に一度催促のメールきましたけど(笑)。
どの楽曲もデモ音源の時点で素晴らしいクオリティーだったので、総じてとても楽しい作業でした。

「サーファー」は数年前に出した共作アルバムで既出の楽曲だったので、旧バージョンとの違いをどう出すか意識しつつ、間奏やCメロなどの背景的なコーラスに力を入れてみました。
この曲のオザワさんの声から感じる、ちょっとダークな雰囲気を広げられたらなと。

「モヤモヤ」はサビのメロディーラインのハモりが特に難しい曲でしたが、間奏以降の背景的なコーラス部分含めていいバランスでできたんじゃないかなと感じてます。

あと「夏」の1,2番のAメロ後半で「あー」っていう厚めのコーラス入れたんですけど、夏の日差しをイメージした個人的にお気に入りのパートなので、かなり地味ですが感じとっていただけたら(笑)。

河合雄三(kagalibi)







サンゼン 『レイとグリント』

1.毎秒に波
2.雨に冷たい
3.夏
4.サーファー
5.秋
6.モヤモヤ
7.夕闇
8.明日の拍子
9.街に景色
10.フクロウ

2018.8.8 Release
FOY-3003
¥2,000(Tax in)


『レイとグリント』ティザー











サンゼン プロフィール

Ba:吉田靖雄 Vo,AG:オザワタロウ Dr:Funky-Yukky

2007年6月1stアルバム「瞬間描写」リリース
同年末に開催されたJFN系FM38局によるFM FESTIVAL「RADIO MUSIC AWARD IN JAPAN」ではインディーズ部門にノミネートされ全国のFMリスナーによる投票で見事グランプリに選ばれる。
2008年3月「夕方から雨」2009年2月「アルベド」をリリース。各音楽雑誌で高評価を得る。
2013年5月、現メンバーでの初音源「かさねる」
2014年4月kagalibiとのスプリットアルバムをライブ会場、配信でリリース。


サンゼン SANZEN OFFICIAL WEB SITE
http://sui-renn.com/sanzen/

『レイとグリント』特設サイト
http://sui-renn.com/sanzen/ray-to-glint/

オザワタロウ Twitter
https://twitter.com/ozawataro

吉田靖雄 Twitter
https://twitter.com/yasuobass


♪最新Live情報
詳しい情報や予約についてはサンゼンのLive情報ページをご確認下さいますようお願い致します。

2018年09月08日(土) キャメル
下北沢LIVE HOLIC
出演/サンゼン/塚本雄司(Hamabe) / 百様箱 / 病気くん / and more
OPEN : 17:00 / START : 17:30
ADV : \2、000 / DOOR : \2、500 (D別)
サポートEG和田建一郎との3人編成です。

2018年09月24日(月)
夏に秋、レイとグリント
代々木barbara
open12:00 start12:30
adv \2.500 door \3.000
Vo、オザワタロウ
B、吉田靖雄
Dr、Funky-Yukky
EG、和田建一郎
key、none*([lifter])
and more



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