"Shima&ShikouDUO"や「名曲を吹く」シリーズなど、トランペットの魅力の奥深さを伝えてくれるトランぺッター/プロデューサーの島裕介さん。
その高い音楽センスでも定評があり、この度リリースのアルバム『SilentJazzCase2』も大好評だ。人気レーベルPlaywrightのbohemianvoodoo、13soulsや、fox capture planの井上司さん(ds)、エスカレーターズの堀越昭宏さん(key、xs)など演奏陣も豪華!

1曲目の"Sukhumvit Street"から新たな島さんの世界に惹きこまれる。
曲ごとにミュージシャン、楽器の組み合わせが変わり、トランペットを軸としながら様々なサウンドを楽しめるこのアルバム。まさにジャケットデザインのようにカラフル!ゆっくり楽しんでいってね、と島さんが差し出すショーケースのように思えた。

今回は島さんに『SilentJazzCase2』について曲ごとに詳しくインタビュー!また参加ミュージシャンの皆さんについてもじっくり伺った。


---アルバム名『SilentJazzCase2』 ということで、シリーズ2作目ですが、名義をSilentJazzCaseというユニットから島裕介さん名義に変えたのですね。


島:以前はSilentJazzCaseというプロデューサー名義を使っていて、そのサウンドコンセプトのオリジナル作品ということで、SilentJazzCase名義で5年前に1作目をリリースしました。
最近は個人名義での活動が増えたので、解かりやすく自分の名前でリリースさせていただきました。


---今回多くの曲で、ホーンは島さんがご自身でトランペット、トロンボーン、フリューゲルホーン、フルートなどを多重録音なさっているんですね。お一人でホーンセクションをこなしてしまうのが凄いなあと思うのですが、ホーンのミュージシャンを呼ばずにご自身で多重録音なさった理由を教えて頂けますでしょうか。


島:はい、結局ホーンは全部自分でやってしまいました。
アレンジ段階でひとまず自分で全楽器を録音しちゃうんですけど、どの楽曲もそれで良い感じになっていたんで、他に呼ぶ必要なかった、というだけの話ですね。
特に最近フルートは結構使ってますからね。
昨年、由紀さおりさんの最新作でフルートだけのホーンセクションも私がやってたりするんですよね(笑)。


---島さんは13才からトランペットを始めたとのことですが、数ある楽器からトランペットを選んだきっかけは?


島:ブラスバンドを見学して、一番かっこよく見えたんですよね。
楽器=もてたい、単純な衝動です(笑)。


---"Shima&ShikouDUO"や「名曲を吹く」シリーズをいつも聴かせて頂いておりますが、SilentJazzCaseではまた一味違った島さんの音楽を堪能できるのが魅力ですね。
島さんは、いわゆる「Cool」を「Silent」と呼んでいらっしゃるとのこと、それはどういった経緯で?


島:「Cool」とういのが「クラブジャズ」と同じくらい死語になりつつある気がしたので、それに代わる言葉として「Silent」をはめました。
スタンスとしては「名曲を吹く」は、自分の日々のジャズライブをそのまま表現したかったことで、トラディショナルソングへのリスペクトでもあり、トランぺッターとしての歌心を追求したい、というプロジェクト。
「SilentJazzCase」は、自分のクリエイティビティ、サウンドプロデューサーとしての可能性を試したい、というプロジェクト。
「Shima&ShikouDUO」は、その両方をやりたいプロジェクト。
Shima&ShikouDUO 4作リリースして、ツアーもさんざんやってきて、、、
でもやっぱりその想いが伝わりきれてないなー、と感じ始めて、「SilentJazzCase」「名曲を吹く」という両極端なプロジェクトを始めた、、という気がしています、振り返ってみると。


---ここからは曲をピックアップして伺いたいと思います。

1. Sukhumvit Street
---これから何かが始まりそうな予感を感じさせる、まさに1曲目にピッタリの曲ですね。
公開されているMVも島さんがダンディーでかっこ良いです。
エスカレーターズの堀越昭宏さん(key)のバッキングが効いてますね。


島:ありがとうございます。
この曲はホーンのメロだけ決まっていて、コードも付けずに堀越さんに丸投げしたんですよ。絶対いいリフが上がってくれるだろーな、って思ってあえてそうしたんですね。
そしたら最高のリフが上がってきてね。なので、作曲者は共同名義にしいています。
2014年10月にタイ(バンコク・チェンマイ)ツアーを行ったのですが、バンコクの大通りSukhumvit Street"のゴミゴミしたディープなタイと、発展して洒落たバーなどもできてきているタイ、両方をイメージできるサウンドだったので、曲名にしました。


2. Run into the B feat: bohemianvoodoo
13. Cradle feat: bohemianvoodoo
---この2曲はPlaywrightレーベルのbohemianvoodooをフィーチャー。
bohemianvoodooとの出会いや、Playwrightレーベルとの出会いのきっかけを教えて下さい。


島:bohemianvoodooの1st「Lapis Lazli」ではプロデュース、ホーンアレンジ、すべてのホーン演奏をやっています。その流れから2nd「SCENES」でもホーンアレンジ・演奏参加しているのですが、この作品がPlaywrightで発売され、記録的ロングヒットを続けているんですね。その流れが大きいですね、Playwrightでリリースすることになった理由は。


3. Line on the sea
---スリリングな曲で、PRIMITIVE ART ORCHESTRAのベーシスト森田晃平さんのウッドベースにもしびれます。


島:ベースラインは僕の方で指定しました。今回の作品、大半の曲はベースラインを指定しています。当初はエレベの予定でしたが、ウッドにして正解でした。倍音がいい感じです。さらに緊張感を演出したかったので、あえてコードレス(ピアノやギターなし)にしました。


4. Quiet Pho
---堀越さんのキーボードがピリッと効いた、ちょっと独特のリズムの曲ですね。


島:これもSukhumvit Streetと同様、堀越さんとデータのやりとりで作った曲。独特のリズムを演出しているは、ファンタジードラマー福森康くんのおかげですね。


5.Silentloop 2.7
---徐々に盛り上がっていく曲ですね。fox capture planの井上司さんのドラミングがまた盛り上がりますね!
ちなみに2.7とは?


島:この曲は作った瞬間、foxが頭に浮かんだんですよね。そのfoxのロックなカラーを作っているドラム井上司くんに叩いてもらいました。
2.7とは、Silentloop2の7拍子の曲、という意味です。


6. 白州の夜
11. Volvo in the Sky
---Water Water Camelの田辺玄さんのギターと島さんのホーンセクションの織り成すサウンドが美しくて魅了されます。相性抜群ですね。ホーンとギターにかかっているエフェクトがきれいですよね。
Volvoは島さんの愛車でしょうか?


島:山梨在住のギター兼エンジニアの田辺玄くんとは、いろんな現場を仕事をしてきた素晴らしいクリエーターです。彼のギターリフを送ってもらって、それにメロを俺の方でつけた感じですね。この2曲だけ彼にミックスしてもらいました。
Volvo in the Sky は、わたくしの愛車Volvo V70が、東名高速から新東名に分かれるジャンクション直後の光景です。あそこ、まさに天に昇っていくんじゃないかってくらいスピード出ちゃうんですよね(笑)。
そのVolvo V70もMV撮影中にオーバーヒートしまして、結果廃車、今はFIATが愛車になっております(笑)。


7. 涅槃和音
10. Steppin' the Doisuthep
---この2曲で登場の魚返明未(おがえり あみ)さんのピアノが素敵ですがどんな方ですか?


島:2014年ハードバップリバイバーズという作品をプロデュース・演奏参加させていただきましたが、そこでサックスの石井裕太くんが連れてきたのが彼でした。
いまでも現役の芸大生23歳かな。もうすでに多方面から注目されているし、間違いなく、日本ジャズの中心人物になることでしょう。


---タイのドイステープなど、今回地名が出てくることが多いですね。
島さんは旅先でイメージが湧いて作曲をすることが多いのでしょうか?


島:今回の作品は、全曲名後付けです(笑)。
「SilentJazzCase」では、ホーンのリフ、ドラムのグルーヴから発想することが多いです。PCに向かって、さあ作ろう、としてできた曲ですね。


8. Move on-off feat: 13souls
9. Thirteen Sources feat: 13souls
---13soulsとの演奏曲。13soulsは今回初めて知りましたがどこか懐かしくファンキーでいいですね。オルガンにもグッときます。
島さんもノリノリで吹いている様子が浮かびます!


島:このユニットでここ1年ガッツり活動しておりましたので、今回協力してもらいました。リーダーはギターの山内洋介くん。ここでドラムの福森康とも出会いました。オルガンはMako-T。アムロちゃんとかもやっちゃう多彩な男です。


12. My Cats Scream
---Playwrightオールスターズによる演奏。島さんの愛猫がテーマでしょうか。
島さんの曲はいつも、タイトルに想像をかきたてられますね。


島:僕の中で第3の猫曲です(笑)。うち2匹の猫(社長、ビヨンセ)が、ニャー!と叫んでる様子ですね(笑)。サウンドはその想像を超える、超ロックな楽曲ですが。1970年代マイルスのような、リフ一発で場面が変わるセッション曲を作りたかった、という曲ですね。


---読者へのメッセージや、島さんの今後のご予定、展望などを教えて下さい。


島:ジャズリスナーさんには、「SilentJazzCase1」から聴いていただくのが良いかもですね。5年前の「SilentJazzCase1」は、クラブジャズなど当時のトレンドに寄せた感のある作品作りをしましたが、「SilentJazzCase2」はかなり自己満足的に作りました。
なので「ジャズ」というよりは、「トランペット音楽の可能性」という視点で聴いていただけると楽しめるのではないかと思います!
また、今年7月には島裕介「名曲を吹く3〜ニニロッソとシネマ〜」という作品が全国リリースされます。「SilentJazzCase2」とは真逆の激渋・トラディショナルな作品となりますが、どちらも島裕介の音楽として楽しんでいただければ幸いです。


---どうもありがとうございました。今後のアルバムも楽しみです!






島裕介『SilentJazzCase2』

1. Sukhumvit Street
2. Run into the B feat: bohemianvoodoo
3. Line on the sea
4. Quiet Pho
5. Silentloop 2.7
6. 白州の夜(Hakushuu no yoru)
7. 涅槃和音(Newham chord)
8. Move on-off feat: 13souls
9. Thirteen Sources feat: 13souls
10. Steppin' the Doisuthep
11. Volvo in the Sky
12. My Cats Scream
13. Cradle feat: bohemianvoodoo(※bohemianvoodooのカヴァー)

発売日:2015/04/22
レーベル:Playwright
規格番号: PWT-015
価格:2,315円 (+税)









島裕介 プロフィール:

トランペット(その他金管楽器), プロデュース, 作編曲

2002年から本格的にプロ活動開始。”歌うように吹く”独特のスタイルと柔らかで熱い音色がすぐに業界で評判となり、これまでに300タイトルを超えるアルバムに参加している。
2013年、初の本人名義アルバム「名曲を吹く」2作をリリース。 全国津々浦々年間100本を超えるツアーを行った。 2014年夏に全国放送されたNHK-FMの1時間特番は大きく話題となる。 タイ(バンコク・チェンマイ)ツアーも敢行、地元メディアにも取り上げられ大盛況に終わる。
トランぺッター以外に、コンポーザー・プロデューサーとしても多くの作品をリリース。
トランペットピアノDUO編成のリーダーユニット"Shima&ShikouDUO"の過去4作ほとんどの楽曲を作曲。 トランペットピアノDUO編成としては異例の、FujiRock07出演、全国タワーレコードJ-JAZZチャート1位獲得、メジャーレーベルリリース、など快挙を果たした。
クラブ・グルーヴサウンドをベースにしたプロジェクト"SilentJazzCase"でもオリジナルアルバムをリリース。 2010年作品"Jazzin'R&B"は異例のロングヒットを記録(iTunes2010年間ジャズ部門1位)、それをきっかけに多くのジャズカヴァー作品を手掛けた。
その他、メジャーインディーズを問わず多くのアーチスト・バンドのツアー・録音・プロデュース、 CM「そうだ京都行こう」2011年秋バージョンでのトランペット演奏、 NHK紅白歌合戦での某アーチストのトランペットトロンボーンセクションをすべて演奏録音するなど、幅広い活動を行う。
他にも、「JazzJapan」の連載、管楽器と歌をコンセプトとしたレーベル"MOS Sound"を主宰、など日本ジャズの新たなシーンを築上げる日々が続く。


島裕介 Official Web Site
http://www.k5.dion.ne.jp/~ssduo/shima/

島ブログ
http://yusukeshima.blog18.fc2.com/

Facebook
https://www.facebook.com/yshima3


♪最新Live information
(内容は変更になる場合もございますので、島さんの公式サイトで最新情報をご確認の上ご予約下さい)


◆2015年5月11日(月)都立大ジャミン
ハードバップ”ジャムセッション
1stはホストメンバーでの演奏、
2ndはお客様参加型ジャムセッションとなります。
”ハードバップジャズ”の楽曲をご用意お願いします!
19:30スタート 23:00終了予定
セッション・フィー(税込) 2,000円 ホストメンバー
島裕介(tp)、石井裕太(ts)
北島佳乃子(p)、小川晋平(b)、金野遼太郎(dr)


◆2015年5月13日(水)目黒 東京倶楽部
Novie(vo) Jazz グループ
大坂昌彦(ds)高瀬裕(b)島裕介(tp)紅野智彦(p)
チャージ3,000円+税(当日:500円UP) オープン : 18:30
第1ステージ : 19:30 〜 20:10
第2ステージ : 21:00 〜 21:40
第3ステージ : 22:10 〜 22:50
クローズ : 23:30


◆2015年5月16日(土)昼 中目黒リロンデル
渚まいこ(p)& 島裕介(tp,flh)
1st 13:30- / 2nd 14:30-
投げ銭
03-6303-0963
東京都目黒区青葉台1-27-11 SEVEN VILLAGE 3F・4F
※お店狭いので、要予約お願いします


◆2015年5月17日(日)横浜 野毛ちぐさ
17時オープン 18時スタート
Live
島裕介(tp,flh) 山本剛(p)横田健斗(b)
DJ菊川悠一
\2,500- +1d \500-


◆2015年5月29日(金)渋谷 JzBrat
"SilentJazzCase2" リリース記念ライブ
島裕介(tp,flh,fl / SilentJazzCase, Shima&ShikouDUO)
タブゾンビ(tp / soil&"pimp" sessions)
kubota (g / JiLL-Decoy association)
木村イオリ(p / bohemianvoodoo, Primitive Art Orchestra)
森田晃平(b / Primitive Art Orchestra)
井上司(dr / fox capture plan, nhhmbase)
山本拓矢(dr / bohemianvoodoo)
1st open17:30- start19:30
2nd open21:00- start21:30
チャージ 1setのみ\3600 2set \4500


◆2015年6月3日(水)六本木一丁目 アークヒルズカフェ
中溝ひろみ(vo,p) 島裕介(tp,flh,fl)
1st 19:30〜 2nd 20:30〜
投げ銭
ARK HiLLS CAFE
03-6229-2666
東京都港区六本木1-3-40 アークヒルズ


◆2015年6月7日(日)富士 キトクラスカ
「名曲を吹く3」先行発売ライブ
島裕介(tp,flh,fl), 斉藤純一(g)


最新ライブ情報は下記にてチェック!
http://www.k5.dion.ne.jp/~ssduo/shima/schedule_shima.html


<Cheer Up! 関連リンク>
2013年秋の特集「この秋じっくり聴きたい音楽」
http://www.cheerup777.com/shima.html

【NEW RELEASE】Shima&ShikouDUO/呼吸
http://ameblo.jp/cheerup2009/entry-11203028266.html




(C)2011-2015 Cheer Up! Project All rights reserved.