■大津 惇 インタビュー

---大津さんがTHE DOOODに参加することになったいきさつについて伺えますか?

大津:確か昨年の暮れ頃に、パーカッションのmatzzさんから3連投でfacebookのメッセンジャー通知があって、チラッと見たらすごく長文で。何か失礼をしてしまい、お叱りの文章かなとドキドキした憶えがあります(笑)。
開いてみたら、THE DOOODの音源リンクとバンド加入のお誘いでした。

もちろんその段階で既に二つ返事でYes!でしたが、今年の年明け頃に顔合わせをしバンドのイメージを伺った上で正式に加入意思をお伝えした次第です。

---THE DOOODのキーワード、"NuEthno-Dancebeat"について大津さんはどうお感じになっていますか?

大津:3人のメンバーの音楽背景・バンドのサウンドを形容するにはこれ以上の言葉がないくらいしっくりきています。

メンバー皆が新しい音楽への探究心に余念がなく(=Nu)
キューバを始めとした民族音楽への敬意を(=Ethno)
払いつつ、これらの素晴らしさをより多くの方に耳馴染み良く、身体が勝手に動いてしまうような音楽に融合・昇華し(=Dancebeat)提供させて頂く。

これぞまさに!といったキーワードですね。

---レコーディングはどのようなご様子でしたか?

大津:とにかく、キメや曲が難しい!と苦戦した憶えがあります(笑)。

少し専門的な話になるのですが、本作のレコーディングに向けて各曲のキメやノリなどアレンジを詰めるプリプロ作業をスタジオに入りおおよそ3ヶ月間行っておりました。
作業工程としては、タカヤさんが用意した譜面とトラック(打ち込みのカラオケトラック)に合わせながら演奏し、意見があれば都度提案していくというもの。
ですが、アイデア出し以前にタカヤさん考案のキメが難しく、ある部分では頭の拍すらわからない(笑)。
というのも、普段演奏しない『本物』のラテングルーヴを元に組み込まれたキメだったため、なかなか馴染みがなく慣れるのに一苦労(笑)。

でもレコーディングは上手くいったし、カッコよく仕上がったからオッケー!(笑)

---大津さんから、斎藤さん、松岡さんのお人柄についてご紹介お願い致します。

大津:タカヤさんは、大らかで温和なお人柄でありつつ新しいことを取り入れることにオープンな方だなと制作期間を共にして感じました。
大先輩お2人方と意見を対等な立場で交わすことができたのもそんなタカヤさんの人柄が作り上げた温かい空気感のおかげでした。

matzzさんは、タカヤさんとボクがアレンジについて話し合っている時、温かく見守りつつもバンドのコンセプトや聴き手側に立った際の意見をはっきり提示してくださる総合監督的な方だと感じました。
The DOOODとしての方向性やビジョンをブレさせないためのアツい信念とこだわりを持ちつつ、メンバーの長所が最大限に活きるよう全体を見て、時には、正してくれる良きお兄ちゃんだなと。

---今回のアルバムは全曲、斎藤タカヤさんが作曲されたとのこと。斎藤さんの作った曲を聴いた時にどのようにお感じになりましたか?アレンジについてはどのように関わっていかれましたか?ドラムについての指定はどのぐらいあったのでしょうか。

大津:タカヤさんの曲をまず聞いた感想は、『キメが難しい!でもカッコいい!すぐにはできないけど!』でした(笑)。

先述の通り、個人的にジャズと絡めたラテンなどは演奏する機会が多かったのですが所謂、現地のスタイルに忠実なラテンは馴染みがなく大変勉強になりました。

アレンジについては、プリプロの工程でタカヤさんが作った曲の大まかなスケッチを元にボクが音楽制作ソフトを使ってメロディーをつけたり、今っぽいシンセの音を追加したりすることで制作に携わってきました。(M6のHYPNORISHA等)

ドラムパターンの指定については、タカヤさん考案のキメ以外は基本的にボクのアイデアがそのままレコーディング音源に載っている感じです。

---アルバムの中では「Jack Rodriguez」でのドラムの迫力が特に印象に残りました。そしてラテンピアノとの絡み合い、(VOICEが入る前あたりから)複雑なパターンを叩いていらっしゃいます。大津さんのドラム、松岡さんのパーカッション、ピアノ、三位一体という感じでとてもテンション上がりました。大津さんの中で、アルバムでこの曲は苦労したとか、何かエピソードがあれば伺えますか?

大津:ありがとうございます。「Jack Rodriguez」は、タカヤさんからRock魂全開のイントロを下さいと指定がありましたので自分でもびっくりするくらい叩きました(笑)。
三位一体に感じてもらえたのは、先述の『キメが難しい!でもカッコいい!すぐにはできないけど!』が上手くいったからだと思います(笑)。

個人的にチャレンジングだった曲は挙げていただいているM5の「Jack Rodriguez」とM3の「GangDingBop」でした。
難しく聞こえない仕上がりになりましたが、キメがたーくさん!(笑)

---THE DOOODで、普段大津さんがお使いのドラムセットと少し変えたとか、アイテムを足した等ございましたか?

大津:普段のドラムセットは特に変えてないですが、レコーディングの手法は少しこだわりました。
M6の「HYPNORISHA」につきましては、核となるリズムパターンを録り終えた後にアナログテープのノイズを人力で演出するためスティックからブラシに持ち替えたトラックをRECしました。
また近年のヒップホップジャズシーンの要素を取り入れるべく、全く音色も音程も違うスネアを3台使用しました。

---このWEBマガジンの恒例企画です。
大津さんにとってのCheer Up!ミュージックを教えて頂けますか?


In the Stone - Earth Wind & Fire (Live at Velfarre)

大津:Live at Verfarreはアルバム全体を通してお客さんの熱狂的な歓声がアースのタイトな演奏の奥から聴こえてくるとても元気の出るアルバムです。このアルバムを聴きながら大きなステージに向かうと身が引き締まります。
In the Stoneは特に、朝の弱いボクを全力で起こしてくれる『朝焼け』的なチューンです(笑)。

---大津さんの、THE DOOOD以外の最近の活動についてご紹介お願い致します。

大津:アニメ声優さんに楽曲提供しつつサポートドラマーでツアーに回ったり、ミュージカル楽曲のアレンジに携わったり、ジャズシンガーさんのレコーディングやツアーに参加したり最近のボクはあっちこっちにいます(笑)。

他に組んでいるバンドとしては、ダンスミュージックを前面に押し出したSax奏者、朝岡周くん率いる朝岡周 & the Jack Band。
人気アパレルブランドにご協力頂いたMVが最近リリースされたのでチェックしてみてください!

朝岡 周&The Jack Band PV ''Get Down''



---今後のTHE DOOODの展望、また個人の夢などについて教えて頂けますか?

大津:THE DOOODとしては、3人とも普段全く違うコミュニティに所属しているので、各コミュニティのアーティストを当バンドにお招きするコラボレーション企画を積極的に打っていきたいと考えます。
企画を通じてバンドを更に知ってもらいつつコミュニティ間の架け橋的な存在になり音楽シーン全体を盛り上げられればと思っております。

個人の活動としては、当バンドの制作クオリティを更にレベルアップさせるため新しい音楽に常にアンテナを張り続けジャンルの垣根なくドラム演奏、制作のお仕事に臨めればと考えております。

---どうもありがとうございました。コラボレーション企画なども含め今後のTHE DOOODを楽しみにしております!





◆プロフィール

大津 惇 (おおつ まこと)

1990年7月30日生まれ、29歳。
幼少期10年間を米国デトロイトで過ごす。
帰国後、Bill Watrous (tb)、Richie Cole(sax)、Randy Brecker (tp)らと共演。
慶応大学進学後、自身のバンド「大津カルテット」が六大学音楽FES' 2010決勝大会において最多動員賞受賞。
米国の文化を色濃く感じる強力なビートとテクニックで国内外のジャズ/R&B界のトップミュージシャンとの共演を続ける他、ロックやポップスに至るまでジャンル問わずアーティストのライブやレコーディングに多数参加し楽曲提供もこなすマルチプレイヤー。

【共演歴】
マリーン/Keith Middleton (STOMP N.Y.)/Aaron Marcellus(アメリカンアイドル)/Tea/日野'JINO'賢二/日野皓正/TOKU/田中晋吾(T-SQUARE)/ユッコ・ミラー/Randy Brecker/Richie Cole/井澤巧麻(ミュージカル:テニスの王子様) /小野友樹/梁邦彦 他多数

MAKOTO OTSU OFFICIAL WEBSITE
https://makotootsu.themedia.jp/
Twitter
https://twitter.com/freedomakoto_ds
Instagram
https://www.instagram.com/freedomakoto_ds/




(C)2009-2020 Cheer Up! Project All rights reserved.