ヨシキさん、ありがとう。 出会いは2005年12月9日。 当時夢中になっていたmixiの中を散歩していたら、気になるバンド"Delaware"のメンバーだった彼のページにたどりついた。 そこには「HAPPY BIRTHDAY!」の大きな画像が表示されていた。 「はじめまして。Delaware気になってます。お誕生日なんですね。おめでとうございます!偶然、今日は弟に女の子が生まれたんです。姪と同じ誕生日ですね。」 思わず、そんなメッセージを送った。 彼からは、ほんわかしたフレンドリーな返信が届き、その日から彼とのメール文通が始まった。 内容はとりとめのない話ばかり。 音楽の話、仕事の話、日常の話。 「こーやってあんまり知らない同士でメールすんのも気が楽でいーですなぁ・・・」 と、喜んでくれていたようだった。 少しずつダークな部分も語り合うようになり、そのたび彼は「腑に落ちる」という言葉がぴったりな、心に寄り添う言葉の数々を贈ってくれた。 「ボクが最近好きな言葉 "YOU DON'T KNOW THE POWER OF THE DARK SIDE"」 「未来は背後にあり、過去は目の前にある と古代ローマ人は考えていた・・・ んー良くわからないけど そーゆーことなんじゃないですかー?」 「料理は良いねー、音楽作るのと似てるんだな。」 「別に24時間充実する必要は無いんではないかいなぁ〜♪」 「人生へこんだり、もりあがったりの繰り返しさー。 ペコンペコンってねー。」 今も忘れられない言葉の数々。 何かにつけて思い出す。 彼に唯一会ったのは、2007年夏のこと。 私の宇都宮出張が急きょ中止になり、「ここまで来たら、群馬に会いに行ってみようかな」ということになった。 乗り換えの度に「次は何線に乗ればいいの?」と電話して、指示されるとおりに電車に乗って、なんだかワクワクした。 首には赤いバンダナ、黒いTシャツには「PAFT DUNK」の文字。 会うなり思わず「パフトダンク!?」と笑ってしまった。 直接会えても、話したのはメール同様、とりとめのないことばかり。 彼のこれまでの人生について。 このころ悩んでばかりいる私への耳に痛いアドバイス。 洞察力の鋭さに驚かされることばかりだった。 なぜそんな話になったのか・・・突然彼が「時計じかけのオレンジ」のアレックスを演じ始めたことが、初夏の群馬の緑の瑞々しさと共に強く印象に残っている。 もっと早く出会って、いろんなことを語り合ってみたかった。 演奏する姿も見てみたかった。 彼と同じ誕生日の姪は、いま小学二年生。 毎年、彼女の誕生日を祝いながら、心の中で彼の誕生日も祝っている。 そしていろんなことを思い出す。 いつか、もうちょっと大きくなったら、「あなたの産まれた日に、こんな素敵な友達が出来たんだよ。とても素晴らしい出会いだった」と話してあげたい。 三嶋令子 プロフィール: 2000年〜2006年まで、仙台発・女の子5人で作るフリーペーパー"peppermint patty?"を発行。地元紙「河北新報」朝刊にpeppermint patty?メンバー持ち回りで食にまつわるエッセイを連載。 2009年フリー音楽マガジン"Cheer Up!"を発行。2011年より音楽WEBマガジン"Cheer Up!"としてリスタート。 |