アルバム『Nostalgic hour』の制作に携わったアーティストの皆さんに、今回のアルバム制作エピソードやKARIMAの魅力についてミニインタビューさせていただきました。(順不同) 【GIRA MUNDO】【洞澤 徹】【高口大輔】【近藤健太郎】【PAX JAPONICA GROOVE】 KARIMAインタビュー 制作陣インタビュー 【GIRA MUNDO】---今回のアレンジやサウンドプロデュースではどのような事を心掛けられましたか? GIRA MUNDO:基本的にJPOPのサウンドプロデュースはメロディーと歌詞の一体感をより深める事によってリスナーにアーティストの描く景色を見せてあげれるかどうか?!ってのを常に意識して作ります。 KARIMA君の世界観は歌詞に置いてもメロディーに置いても主張がはっきりと全力で伝えてくるのでたまに入り組んだ部分もありましたが、全体のテーマやカラーは分かりやすいので楽しみながら作れました。 ---GIRA MUNDOさんが担当なさった「neon sign」や「アウトライン」ではベースの重低音がズゥンと身体に響いてくるのがたまらなくて!ベースはGIRA MUNDOさんご自身で演奏されているのでしょうか? GIRA MUNDO:はい、そうです。ベースもそうですし、全ての楽器を演奏してます。 こういったエレクトロ系のアレンジですと、ベースとリズムの音色はもっとも重要です。 ベースやキックの音色選びは何年やっててもいつも苦悩します。 ---「ノスタルジックミュージック」は比較的シンプルなアレンジですが、ピアノやギター、ドラムの音色の美しさが際立っていて。 GIRA MUNDOさんのサウンドはシンプルでいて、個々の楽器の響きがゴージャスに感じます。そのあたりいかがでしょうか? GIRA MUNDO:「ノスタルジックミュージック」の様に生楽器中心のアレンジの場合はそれぞれの楽器をアレンジ・演奏する時に楽器によって気持ちの持っていき方を変えて演奏してます。 で、全ての楽器が重なった時に初めて一つの大きな広がり(ハーモニー)に聞こえる様に心掛けてます。 言い換えると何人かの職人で建築物を作っていくような感覚ですかね。 シンプルにするのは音の隙間を作って生音の余韻を出したいからです。 ゴージャズに聞こえるのは恐らく自分が一番影響されたのがアントニオ カルロス ジョビンやマイケルナイマンといった巨匠のハーモニー感だからかなと思います。 ---今回のアルバム制作で印象的だったエピソードがあれば教えて頂けますか? GIRA MUNDO:お声がけもらった当初は2曲の予定だったんですが 作業も楽しくアレンジも自由にやらせてもらえて 結果4曲出来て楽しいひと時でした。 ---KARIMAさんの魅力についてどうお感じになりますか? GIRA MUNDO:KARIMA君はいいやつです。 いい奴ですが、若干の変態性もあって、まぁまぁの天然です(笑)。 それらが混じった唯一無二のKARIMAワールドがそのままコンポーズに出てるんではないでしょうか。 ■GIRA MUNDO プロフィール サウンド・プロデューサー、コンポーザー、劇伴作家。 1999 年、Sony Record より男女 2 人組 JPOP ユニット「beret(ベレイ)」としてデビュー。 2005 年より solo ユニット 「GIRA MUNDO」となり、2006 年にブラジル(サンパウロ、リオデジャネイロ)にて 2 枚のアルバムを制作、同時に作家活動もスタート。 【主な参加アーティスト(アレンジ/サウンドプロデュース/プロデュース)】 キマグレン , MayJ., ケツメイシ , ゆずぐれん , 嵐 , KisMyFt2, ナオトインティライミ , 河口恭吾 , daisuke Katayama, あいみょん , TEE, seven oops, HOMEMADE 家族 , Rake, Lil’B, 河西智美 , 吉川友 , Skoop On Somebody, 伊藤由奈 , MAX, hiro, bird, akiko, saigenji, カコイミク , orange pekoe, スポンテニア , レイルステレオ , シキドロップ , ZANPA, ISEKI, マシコタツロウ , KARIMA 他 https://twitter.com/gira329mundo https://www.instagram.com/gm329/ 【洞澤 徹】---今回のアレンジやサウンドプロデュースではどのような事を心掛けられましたか? 洞澤:KARIMAくんからいろいろアレンジの曲の資料を事前にいただいていて、「きっとこうしたいんだな」ということは掴めていたので、その方向から外れずに僕の好きなテイストにもしたいというところですかね。 ---アルバムタイトル『Nostalgic hour』のノスタルジックという部分は意識されましたか? 洞澤:結構僕のアレンジって普通にとりかかってもノスタルジック要素が出ていたりするのであえて意識せずに取り掛かりました。 たしか全部出来上がってからアルバムタイトル自体は聞いた気がします。 ---「Don't go away」のシタールのようなSEがとてもインパクトありました。 洞澤:エレキシタールのサウンドはけっこう昔からR&Bやソウル系の曲などで聴いてて好きだったので、ここぞと言う時に使ったりします。この曲にはバッチリハマったと自分でも思っています。 ---「Blue velvet」のギターにグッときました。洞澤さんの演奏ですか? 洞澤:有難うございます。そうです。すこしネオソウル系を意識して弾いてみました。 ---「holiday」の多幸感あるサウンドが個人的にもとても好みで何度も聴き返しました。間奏のシンセ、面白い音色ですね。 洞澤:この曲のテイスト(基本ボサノヴァ)はわりと得意分野でして一番短期間で仕上がった曲です。 間奏のリードシンセはけっこう今聴くと攻めてますね(笑)。普通な感じにしたくなかったのでシンセにうねりを効かせてみました。アジムスというバンドが大好きで、たまに攻めたシンセの使い方をするのですがその影響かもしれません。 ---今回のアルバム制作で印象的だったエピソードなどあれば伺えますか? 洞澤:近藤くんがボーカルディレクションで入っていたので、僕がアレンジ担当の曲ではThe Bookmarcsと同じような感じでああだこうだ言い合いながら自宅スタジオでレコーディングしました。コーラスの重ね方はその場で決まったことも多かったのですが、うまくいくとみんなで嬉しさを共有したり。終了後の乾杯も含めて楽しく思い出深い制作になりました。 ---KARIMAさんについて、音楽的な魅力また人柄の魅力などどのように感じていますか? 洞澤:「こうしたい」というのが明確なので周囲の人もやりやすいしチームとしてまとまりが出ている感じがしました。また、本番ボーカルレコーディングの前は必ず近くのカラオケ店で発声練習して声を温めてくるところとかは、ボーカリストの姿勢としてとても信頼できる人だなと思いました。(もちろん音楽抜きでの人柄も含めて) あと、KARIMAくんはあまりお酒を飲まないのですが居酒屋で僕や近藤くんが酔っ払ってきてもテンション合わせて付き合ってくれるところが好きです。 ■洞澤徹 プロフィール 洞澤徹(ほらさわ とおる/作曲・編曲)配信専用レーベルsmall bird recordsを運営し、The Bookmarcsをはじめいくつかのユニットをプロデュース。作家活動としては映画音楽やJ-POP、ゲーム音楽、放送音楽まで幅広く手がける。アコースティック・ギターを軸にしたオーガニックな曲作りを得意とする。BS日テレ「深層ニュース」オープニング・エンディングテーマ作曲。「Oha!4 NEWS LIVE」(2006〜2015年)テーマ他BGM。 https://twitter.com/toru_bookmarcs ●The Bookmarcs https://www.thebookmarcs.net/ ●small bird records http://smallbirdrecords.com/ 【高口大輔】---今回、高口さんは「Twilight Rain」のVocal Recordingにクレジットされていらっしゃいます。 2019年のインタビューで、高口さんから以下のように伺いました。 「ボーカルレコーディングにもこだわりました。これまでの歌唱法をガラッと変えるような提案をしたのですが、刈間君もそれに応えてくれました。具体的には、日本語の発音、特に子音の発音です。」 その後のKARIMAさんのボーカルについて、どうお感じになっていますか? 高口:最近、アルバム特典CD収録曲のボーカルレコーディングをしたのですが、初期のようなディレクションは全く必要なく、既に自分の歌い方のスタイルを確立している印象を受けました。 自分の声のいい部分をちゃんと把握して、歌に反映できているなと思います。 力みがなくなったのが最大の理由かと思います。 ---KARIMAさんの魅力について、音楽面・人柄両方の視点で教えて頂けますか? 高口:音楽的には、何気ないコードの使い方がAOR的で、ある種の懐かしさと、80年代の豊かな時代のゴージャスさを兼ね備えていて、そこにどちらかというと男っぽいソウルフルな歌が乗るところも、彼の作る曲の大きな魅力だと思っています。 人柄的には、しっかりしてるんだけどどこか天然なところがあって、「おい」と突っ込みたくなるような言動が出てくるところが親しみやすくて面白いですね。 逆に向こうから鋭い突っ込みが来る時もあるので、気を抜けません。 とてもいい奴ですよ。個人的には「カリー」って呼んでます。 ■高口大輔 プロフィール the Sweet Onions(philia records)所属。 楽器演奏全般、アレンジ、ミックス、プロデュースなど、音楽制作やライブ活動に関わる全般的なプロセスを担う。 最近は自作曲も始め、更に活動の幅を広げようと画策中です。 ●philia records http://philiarecords.com/ ●philia records Twitter https://twitter.com/PhiliaRecords 【近藤健太郎】---今回近藤さんはKARIMAさんと共同プロデュースとのこと。 プロデュースするにあたり、どのようなアルバムにしたいとお考えになったか。またKARIMAさんとの話し合いはどのように進んだか?など、制作過程で印象的だったことを教えていただけますか? 近藤:共同でプロデュースをお願いしたいと正式にお話をいただき、しばらくして初めての打ち合わせ。場所はふらっと入った恵比寿のとあるビアバーのテラス席でした。 年の瀬、外はすっかり寒いのに、生ビールを口にしながらKARIMA君が作り溜めた曲を沢山聴かせてもらいました。 どの曲もメロディが綺麗で、ジャンルもバラエティ豊か。いつしかストーブのあたたかさも相まって、心が熱くなったことを思い出します。 様々なジャンルの音楽に影響を受けて生み出されたであろう、KARIMA君のピュアな楽曲、そして歌声は、コアな音楽好きやマニアだけにとどまらない、より多くの、あえて言うなら普段あまり音楽を聴かない人にもひっかかる、いい意味での大衆性を兼ね備えた音楽だなと思いました。だからそこを一番意識して、アルバム作りを進めてきたように思います。 曲決めの話し合いでは、僕はただ純粋に「この曲好きだなぁ、絶対入れたいなぁ」と、自分の好きの気持ちをストレートに伝えながら、10曲に絞っていきました。KARIMA君は自分の曲やコンセプトをきちんと説明できる人で準備も万端。そして何より自分の作品を愛してる人。僕はそこに強く共感して、「うん!いいと思うよ!」という確信の元、素晴らしい各アレンジャーさんのお力を借り、KARIMA君と一歩一歩作り上げていくことができました。 ---KARIMAさんの魅力について、音楽面・人柄両方の視点で教えて頂けますか? 近藤:とても純粋で真っ直ぐ、人懐っこくてつい色々してあげたくなっちゃう(笑)、そんな人です。可愛い弟みたいな存在。 かつ、努力家で吸収も早く、すごいなぁ、偉いなぁってリスペクトしてます。曲もまたしかりで、いい曲書くなぁっていつも思ってます。 あらためて「KARIMA君、1stアルバムリリースおめでとう!ついに出来たね!関わらせてくれてありがとう!」って、この場を借りてお伝えします。 ■近藤健太郎 プロフィール POPグループ the Sweet Onionsのヴォーカル/ギター、作詞・作曲を担当。The Bookmarcs(ヴォーカル/作詞)として、またソロ名義でも活動。横浜市中区のコミュニティFM局マリンFMにて、毎週火曜20時〜(再放送毎週日曜朝7時半〜)『The Bookmarcs Radio Marine Café』のナビゲーターをつとめる。自主レーベルphilia recordsを主宰。楽曲提供、プロデュース、カフェやホテルにてライヴ・イヴェント等を企画展開。 ●近藤健太郎 note https://note.com/kentarokondo ●philia records http://philiarecords.com/ ●philia records Twitter https://twitter.com/PhiliaRecords ●The Bookmarcs Twitter https://twitter.com/TheBookmarcs 【PAX JAPONICA GROOVE】---本アルバムにボーナストラックとして収録の「Gotta Feelin'」は、PAX JAPONICA GROOVEさんが作詞作曲、アレンジ、サウンドプロデュースをされた作品ですね。 KARIMAさんの声が、他の曲とはまた違った魅力を放っていて、心地良いサウンドの中にポジティブなメッセージを感じて、とても惹き込まれました。 この曲はKARIMAさんに対してどのようなイメージで作られたのでしょうか。 PAX JAPONICA GROOVE:カリマの本格的な活動の再開に当たって、純粋に一緒に何かやりたいというところから始まり、彼にしか出すことのできない魅力とは何か?どういうサウンドや世界観が似合うのか?を考えて、独断と偏見で(笑)5月に「Slow It Down」というシングルをリリースしました。 こちらはロックテイストのある楽曲で、一緒に音楽をやっていた頃のカリマに対して持っていたイメージを反映させて作りました。 「Gotta Feelin'」については、その次のシングルとして、あるいはこういった柔らかい表情を持ったサウンドもハマりそうだなという、これまた個人的な趣味といいますか(笑)、こういうカリマも聴いてみたいなというところからこのような仕上がりになりました。 ---KARIMAさんについて、出会いのきっかけや人柄の魅力などを教えて頂けますか? PAX JAPONICA GROOVE:学生の頃になりますが友達繋がりで紹介してもらいました。本当にお世辞抜きで素晴らしい人格者で、常に感謝の気持ちを持ち他人へのリスペクトがあり、悪口を絶対言わない、全く自慢しない、、挙げるとキリがないですが驚異的に良い人です(笑)。 これからライブ等されていくのでしょうが、この彼の人柄及びそこから生まれるオリジナル楽曲達が多くの人に愛されるものになるといいなと願っています。 ■PAX JAPONICA GROOVE プロフィール PAX JAPONICA GROOVE(パックスジャポニカグルーヴ) プロデューサー、ソングライター、レーベル「Office Premotion」主宰。 ピアノサウンドとエレクトロニックミュージックを中心とした黒坂修平によるソロプロジェクト。 ●Official Site https://www.paxjaponicagroove.com/ https://twitter.com/PAX_JAPONICA https://www.instagram.com/paxjaponicagroove/ |