「夢も、嘘も、ときめきも、全部TOKYOの魔法」 シティポップの新しい決定盤が誕生!青野りえさんの3rdアルバム『TOKYO magic』がリリースされました。 先行シングルとして配信リリースされた「Never Can Say Goodbye」や「TOKYO スクランブル」を含む全10曲は日本のみならず海外のシティポップ・ファンにもぜひ聴いてほしい名曲ばかり。 プロデュース、作曲・編曲を担当したのは洞澤 徹さん(The Bookmarcs)。青野りえさんの新たな魅力を存分に引き出しています。 今回は青野さんへのインタビューに加えて、サウンド面を中心に洞澤さんへのインタビューも敢行!青野さんの美しい歌声と『TOKYO magic』の世界を存分に味わっていただきたく立体的な特集になっています。(2023年11月) 青野りえインタビュー 洞澤徹インタビュー ---このところ短めのスパンで意欲的にアルバムをリリースされていますね。 3rdアルバムを制作することになったいきさつについて教えて頂けますか? 青野:2021年10月に洞澤徹さんプロデュースの配信シングル「Never Can Say Goodbye」のリリースがありました。その後2022年3月に関美彦さんプロデュースのアルバム『Rain or Shine』が出るのですが、関さんから「Never Can Say Goodbye」も『Rain or Shine』に収録したほうがよいのでは、という話もあったんですけど、私としては関さんの作品と洞澤さんの作品はきちんと分けてパッケージしたい思いがあったので、敢えて入れませんでした。 そして「Never Can Say Goodbye」を収録するための洞澤さん作品は別で作ります!というのを、その時点で公言していましたので、あまり時間を空けずに作らなければいけないという使命感みたいなものがあったので、このタイミングでのリリースになりました。 ---『TOKYO magic』は”海外からみたTOKYO"がコンセプトとのことですが、ご自身で「こういうアルバムを作ってみたい!」とお決めになったのでしょうか。 青野:『TOKYO magic』のコンセプトは自分で考えました。 ここ数年盛り上がりを見せているシティ・ポップですが、海外の人達がシティ・ポップを聴きながら想像する東京はどんな街だろう、と、ふと思うことがあります。 きっとそれは、どこか幻想のフィルターがかかっていて、実際とは少し違う街だと思うんです。 そんなファンタジックなTOKYOをテーマにアルバムをつくりたいと思いました。 ---製作期間はどのぐらいかかりましたか? 青野:最初に洞澤さんと打ち合わせしたのが2022年10月。最初の曲のデモが届いたのが年末で、そこから少し間が空いて、本格的に制作モードになったのは2023年7月です。 そこから締め切りの8月末まで、2ヶ月くらいの間のラストスパートがなかなかハードでした。 この2ヶ月で9曲の歌詞を絞り出すように書きました。 歌のレコーディングの前日になっても歌詞が決まらなくて、徹夜で書いてほとんど寝ないで歌入れした曲もあります。 これに関しては、もっとベストな体調で歌えれば良かったと反省しています。 ---洞澤さんのプロデュースはどのような感じで進められたのでしょう。前作では曲先と伺いましたが、洞澤さんと組む場合も曲先ですか? 青野:洞澤さんとの制作は、まず洞澤さんからシンプルなアレンジのデモが送られてきて、それに私が仮詞と仮歌を録音して洞澤さんに返します。洞澤さんはそれを元にさらにアレンジを膨らませてゆき、仕上げていく感じです。 今作も全て曲先でした。 洞澤さんは作・編曲家としての幅が広いので、ジャンルや方向性についてはある程度話し合って相談しながら作品をまとめていくような感覚がありました。 私の要望にも応えてくださったり、私がこれまで歌ったことのないジャンルを試してくださったりしたことで、シンガーとして幅広い表現ができました。 洞澤さんはとにかく優しい方なので、私の歌詞が書けなくて遅れていても気長に待っていてくださいます。そのため制作がついつい遅れてしまいがちなので、先に〆切を決めてしまうのが良いと制作後半になって学習しました。 ---参加ミュージシャンは、前作『Rain or Shine』、ライブアルバム『Live in Tokyo 2022』とはまた違ったメンバーですね。どのような印象でしたか? 青野:今回はスケジュールがタイトだったこともあり、楽器のレコーディングには私はなかなか顔を出せなくて、リズム隊のお二人のレコーディングに1時間ほど立ち会ったのみです。 足立さんと北村さんはThe Bookmarcsのライヴでも何度かご一緒していて、洞澤さん含め、皆さん和やかでほっこり安心できるお人柄だと思います。 フルートの吉田一夫さんとは昔、同じバンドでボッサやショーロを演奏していたこともあるのですが、今回はお会いできませんでした。 サックスの伊勢賢治さんは今回初めてですが、リモート録音のためお会いできず、「Sync of Stars」の伊勢さんのサックス・ソロが本当に素晴らしくて感動しました! ---ここからは1曲ずつお伺いします。 ◆1. TOKYO スクランブル ---軽快でワクワクするサウンドにのせて伸びやかに歌う青野さん。何度聴いても、普遍的な魅力を持つシティ・ポップらしさが切なくも楽しい気持ちを掻き立ててくれる名曲と感じます。青野さんの歌声が、まさに"TOKYO"なんですよね。 アルバム全体で、コーラスもまた美しいですね。セルフ・コーラスを録音される時に心がけていることなどありますか。 青野:ありがとうございます。コーラスの録音では、できるだけメイン・ヴォーカルとキャラを変えるようにしています。メインは大貫妙子さん風、コーラスは吉田美奈子さん風、みたいな感じで自分でキャラ設定を考えて歌い分けるようにしています。 もともとゴスペル・グループ出身なので、コーラスはゴスペル風に歌うことが多いです。 ◆2. Sync of Stars ---煌めいて溶けていくような歌声がとても心地良いです。SAXソロがまた70〜80年代ぽくてかっこいいですね。 青野:伊勢さんのサックスが本当に素晴らしくて主役級の存在感ですね。 一気にアルバムのリード曲に格上げされました。 ◆3. ジンライムの恋人 ---ビブラフォンの音色がムーディで、たちまち曲世界に惹き込まれます。夜が舞台だと感じました。自分の想い出がよみがえる人も多いかもしれませんね。 青野:夜のイメージなんですね。私は昼間のイメージで歌詞を書いたのですが、先入観なく聴かれた方の感想はとても興味深いです。 わたせせいぞうさんの「ハートカクテル」に出てきそうな、地方の爽やかな若者カップルのイメージで描きました。 ◆4. Night and Day ---哀しいストーリーの映画を観ているような…。このような歌詞を作るとき、実際に泣いていたりすることもありますか? 青野:歌詞を書くときに泣くことはないですね。歌詞になるのは、昔泣いたかもしれないけど今はもう浄化した後の気持ちだったりします。 ストーリーはフィクション、感情の部分はノン・フィクションというのがバランス良いと思っています。 ◆5. Sailing ---美しいメロディーにのせて青野さんが語り掛けるように歌うゆったりした曲。 歌詞を味わっていると、ディテールの描写が素晴らしいゆえ物語が浮かんでくるんだなあと強く感じました。 青野:ありがとうございます。この曲は今回作詞で一番苦戦しました。 メロディが強くキャッチーなので、歌詞や歌い方でJ-POPや歌謡曲のようにベタになり過ぎないように、さじ加減が難しかったです。 ◆6. ムーンライト・カクテル ---ミドルテンポの心弾むリズム、軽やかな歌。青野さんのアルバムにはいろいろなヒロインが出てきますが、キュートなヒロインの映像が浮かびました。 青野:この曲は、地方に住んでいて東京に憧れている女の子の妄想をイメージしました。 私が実際に地元にいた頃の気持ちも思い出しながら、シティ・ポップによく出てきそうなオーソドックスな言葉をあえて散りばめて、'80年代へのオマージュのような気持ちで描きました。 ◆7. Eyes ---ミステリアスでドラマティックな曲。何があったのか?と思うような歌詞。映画音楽を数多く手掛けている洞澤さんの本領発揮。フルートやハープも美しいです。 青野:この曲は大人の色香みたいなのが出せれば良いなと思いました。 色気のある音楽は大事だなあと思います。吉田さんの良い意味で少し変態性を感じるフルートが大好きです。 ◆8. ビタースウィート・アワー ---近藤健太郎さん(The Bookmarcs/The Sweet Onions)がさりげなくコーラスで参加されているんですね。その経緯について伺えますか?優しくてホッとするような、それでいて切ない曲調に近藤さんのコーラスがピッタリです。青野さんからみて、近藤さんはどんな方ですか? 青野:近藤さんに歌っていただいた部分は、「ビタースウィート・アワー」の中でも重要な部分です。一節だけですけど、近藤さんの声は存在感があって、とても素敵に仕上がりました。 コーラスは男性の声が入ると低音の厚みが出るので、他の部分も近藤さんに歌ってもらいたかったです。 近藤さんは細やかな気遣いができるジェントルマンだと思います。 ◆9. Never Can Say Goodbye ---配信リリースされ大きな話題となった先行シングルの曲。 リスナーからはどのような感想が届いていますか?切なく哀しい気持ちになると共に、美しいコード進行・メロディーに青野さんの歌声の魅力が相まって、何度も聴きたくなる曲と感じます。 青野:メロディとコードが美しいキャッチーな曲ですよね。デモで初めて聴いた時からすでに名曲でした。 リスナーさんからは「聴く映画」とおっしゃっていただけたり、少し大貫妙子さんを想像させる、と言っていただけるのも嬉しいです。 ◆10.夢のほとり ---洞澤さんのギターとのデュオが美しいですね。 このアルバムは、東京タワーだけでなくスカイツリーも登場するところに、「令和のシティ・ポップなんだな」と思わされました。 青野:この曲は隅田川沿いを散歩していて、永代橋の向こうにスカイツリーが見える辺りにインスパイアされて描きました。 他の曲は妄想、空想のTOKYOですが、この曲はリアルな今の東京の歌だと思います。 ---今回の特別企画として「青野りえさんにとってのTOKYO」と題していくつかお伺いします。 まず、青野さんにとって初めてのTOKYO体験はいつですか? 青野:今回のアルバムに関しては、妄想・空想のなかのTOKYOと、現実の東京をあえてわけて表記しているんですが、リアルな東京初体験は3歳の時に親戚の結婚式で訪れたようですが全く記憶になく、TOKYOとしての初体験は、高校3年の受験で訪れた時でしょうか。 ---TOKYOのなかで好きなエリアやスポットを教えて下さい。 青野:TOKYOを感じるのはお台場の夜景や東京タワーの見える風景。 リアルな東京で好きなのは、井の頭公園や多摩川沿いの自然を感じるスポットです。 ---もしもタイムスリップできるならば、どの時期のTOKYOに行ってみたいですか? 青野:バブル全盛期のTOKYO。トレンディー・ドラマのなかのTOKYOです。 ---ご自身の曲以外で、お好きなTOKYO SONGを教えて下さい。 青野: はっぴいえんど「風をあつめて」 荒井由実「中央フリーウェイ」 大貫妙子「都会」 ---青野りえさんの歌や、アルバム世界のとりこになっているリスナーもますます増えていると思います。 気が早いかもしれませんが次作の構想など浮かんでいますか?また近いうちのご予定を教えて下さい。 青野:ひとまずはこれまでのソロ3枚のアルバムを世界に届ける活動を頑張りたいと思います。 素晴らしいプロデューサーやメンバーの皆さんのお力で良い作品ができたので、もっともっと沢山の人に聴いてもらえますように! 『TOKYO magic』発売を記念してワンマンライブを行います。 今回のアルバムのプロデューサー洞澤徹さん、極上のリズム隊・伊賀航さんと北山ゆう子さん、The Bookmarcsのサポートでもお馴染みのジャズピアニスト佐藤真也さんという、新鮮なメンバー構成での特別なライブです! 2023年11月23日(祝・木) 「青野りえ『TOKYO magic』発売記念ワンマンライブ」 【会場】渋谷7th Floor(セブンスフロア) http://7th-floor.net/ 東京都渋谷区円山町2-3 O-WESTビル7F TEL 03-3462-4466 【時間】OPEN 18:30 / START 19:00 【料金】予約 3,500円 (+1drink)/当日 4,000円 (+1drink) 【ご予約フォーム】https://forms.gle/nAnPRJoKXxDWExRq7 【出演】 青野りえ(Vo.) 洞澤徹(G.) 伊賀航(B.) 北山ゆう子(Dr.) 佐藤真也(Pf.) ---どうもありがとうございました。一人でも多くの方にこの名盤が届いてほしいです。 『TOKYO magic』青野りえ 1. TOKYOスクランブル 2. Sync of Stars 3. ジンライムの恋人 4. Night and Day 5. Sailing 6. ムーンライト・カクテル 7. Eyes 8. ビタースウィート・アワー 9. Never Can Say Goodbye 10.夢のほとり 発売日:2023/11/15 レーベル:FLY HIGH RECORDS 規格品番:VSCF-1778(FRCD-073) 価格:3,000円(税込) 作詞:青野りえ 作編曲:洞澤 徹 Produced by 洞澤 徹(The Bookmarcs) [Recording Member] Vocal, Chorus:青野りえ All Guitars, Bass(M7):洞澤徹 Sax:伊勢賢治(M2) Flute:吉田一夫(M7) Bass:北村規夫(M2, M3, M4, M5, M6, M8, M9) Drums:足立浩(M1, M2, M3, M4, M5, M6, M8, M9) Harp:池田桂子(M7) Guest Chorus:近藤健太郎(The Bookmarcs)(M8) Sound Produced, Arrangements, Mixed by:洞澤徹 Mastering by:佐藤清喜(microstar) at catchball studio Recorded by:洞澤徹 , 水野敏宏(MOMO studio) 【作品情報】 1stアルバム『PASTORAL』、そして2022年3月リリースの2ndアルバム『Rain or Shine』(共に関美彦プロデュース)で、ジャパニーズ AOR /シティ・ポップ・シーンに新たな世界を確立した歌姫、青野りえのニュー・アルバムが完成! 今作は、先行シングルとして配信リリースされ、ラジオやネットを中心に大きな話題となった「Never Can Say Goodbye」や「TOKYO スクランブル」を手がけた洞澤 徹(The Bookmarcs)がプロデュース、作曲、編曲を担当して完成した全10曲を収録。TOKYO をキーワードに生み出されるファンタジックで煌びやかなシティ・ポップを、 理想的な形で体現できる自信作です。青野りえのクリアで伸びやかな歌声、詞の中に描かれる TOKYO の世界観にもご注目下さい。 海外からも視線が集まり、若いリスナーからも人気を誇るシティ・ポップですが、前作『Rain or Shine』、そしてThe Bookmarcs のアルバムや SPARKLING☆CHERRY などをリリースしてきた FLY HIGH RECORDS がイチ推しする、現代シティ・ポップ・シーンをリードする名盤の完成です。 ◆青野りえ プロフィール 都会的なメロウ感と、無垢な透明感を併せ持つ歌声のシンガー。 富山県出身。 1996年、亀渕友香率いるゴスペル・グループ“VOJA”のメンバーとしてデビュー。沖井礼二(TWEEDEES/ex.Cymbals)のソロ・プロジェクト“FROG”にゲスト・ヴォーカルとして参加。 またコナミ「pop'n music」「beatmania」等のゲーム音楽での歌唱や、資生堂、ユニクロの CMナレーション等、様々なレコーディング、ライヴ、TV、CM で活動している。 2017年、関美彦プロデュースによる1stアルバム『PASTORAL』(ヴィヴィド・サウンド)をリリース。 2022年、同じく関美彦プロデュースによる2ndアルバム『Rain or Shine』(FLY HIGH RECORDS)をリリースし、ジャパニーズAOR/シティ・ポップ・ファンの間で話題となっている。 さらに2021年にリリースした配信シングル「NeverCan Say Goodbye」(洞澤徹プロデュース)が話題となり、2023年11月、待望の3rdアルバム『TOKYO magic』をFLY HIGH RECORDSからリリース。 青野りえ Official Web Site https://aonorie.com/ X(旧Twitter) https://twitter.com/rie_aono https://www.facebook.com/aonorie.official https://www.instagram.com/aonorie/ YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UCsyQCI0Ecvg2D7PItoASRYw <Cheer Up!関連リンク> 新譜情報:青野りえ「TOKYO スクランブル」(2023年) https://ameblo.jp/cheerup2009/entry-12820849060.html 青野りえ『Live in Tokyo 2022』インタビュー(2023年) http://www.cheerup777.com/2023aono.html 青野りえ『Rain or Shine』インタビュー(2022年) http://www.cheerup777.com/2022aonorie.html |