---ここからは、矢部さんの音楽ヒストリーについてお伺いします。 子供の頃、どのぐらいから音楽を意識しましたか? 矢部:8つ上の姉がいまして、物心ついた頃には姉がいろいろ洋楽のレコードを持っていました。ビートルズ、サイモン&ガーファンクル、カーペンターズ、ミッシェル・ポルナレフとかそんな頃。。 ---歌謡曲では、どんな曲がお好きでしたか? 矢部:ちあきなおみの「喝采」とかね。小学校一年ぐらいの頃。 レコード大賞をもらうのをテレビで見てたのも覚えてます(笑)。 ---小1で「喝采」ですか?渋いですね! 矢部:バックのオルガンやストリングスの音やフレーズにすごく惹かれていた記憶があります。 作曲や曲の成り立ちに興味を持ったのも、そういった特性からかもですね。 ---楽器は習っていらしたのですか? 矢部:幼少の頃から家にオルガンがあったので、いじって遊んでました。ほどなくして兄がギターを買ったりしたので、それもいじってました。習ったことはなく、自分で好きな曲のコードをコピーしてただけですね。 --ドラムはいつ頃から始めたのですか? 矢部:中学2年ぐらいだったか、姉の知り合いにプロドラマーの方がいらして。その方がドラム教室をやっていて、そこで習ってみたら?ということになり、習いに行ったことがあります。 根性がないもので、続きませんでした。スティックの持ち方を教わったぐらいで。 ---ドラムセットは買ってもらったのですか? 音が大きいし、なかなか家庭に置けるものでもないですよね・・・ 矢部:安いものですが買ってもらったことがあります。 もちろん家の中では毛布とかで覆って消音しないと叩けなかったからつまらなくて(笑)、ほとんど触って無かったですけどね。 ---高校時代の音楽活動はどのような感じでしたか? 矢部:高校時代、吹奏楽部に入ってパーカッションをやっていました。 ドラムセットがあるので入部したって感じで、あまり真面目な部員ではなかったです・・・。 ---私も吹奏楽部でパーカッションをやっていましたが、シンバルが重いですよね!もう腕が疲れちゃって(笑)。 矢部:そう!重い割に出番少ない(笑)。ほとんど筋トレだよね。 ---吹奏楽コンクールには出場されましたか? 矢部:出ましたよ。流されるままにティンパニを担当したんですけど、チューニングの仕方がわからなくて。チューニングが全然合ってないまま本番やっちゃって(笑)。 ---ティンパニはチューニングが難しいですよね(笑)。 バンド活動はいつ頃から? 矢部:吹奏楽部の親しい先輩が先に東京に出て、私が一年遅れで東京に出まして。 それから一緒にバンドをやり始めたんです。 そのバンドでライブハウスに出ているうちにカーネーションと偶然対バンになって。 ちょうどその時期に「ドラマーが抜けるので、ライブを手伝ってくれないか」と誘われまして。 85年頃のことですね。 ---すごいご縁ですね。矢部さんといえば、やはりカーネーションが真っ先に思い浮かびます。 矢部:もちろんそうですよね。 せめて死ぬまでには、MUSEMENTを真っ先に思い浮かべてもらえるようになるだろうか?、、(笑)。 ---2009年にカーネーションを脱退されましたが、2014年にはカーネーションのツアー"31年目のカーネーション「タンジェリンとハイウェイ'14」"の大阪&東京公演にゲスト参加なさったそうですね。 矢部:そういったお祭り的な時に呼んでもらえるのは楽しいしありがたいですね。 アルバム「a Beautiful Day」20周年記念の再現ライブにも呼んでいただきました。 ---そういう機会は、ファンの皆さんは嬉しいですよね! 矢部:昔からのファンの方が喜んでくれると私も嬉しいです。でも飽きられちゃうから何年かに一回ぐらいにしとかないと(笑)。 矢部さんにとっての、ドラムの魅力について教えて頂けますか? 矢部:・・・なんだろう?身も蓋もないことを言えば、ストレス解消になる?(笑)。叩けば音が出るんで。 真面目なことを言うと、やっぱりドラムは歌と密接な関係があると思っていまして、「いいドラムを叩けばいい歌が聴ける」みたいなことですね。 「いいバンドは必ずドラムが良い」ってよく言いますし、音楽プロデューサー業などの方々は必ずドラムにうるさいし、非常にやりがいのあるパートではないかと思います(笑)。 ---ライブの時も歌を聴きながら叩くのでしょうか。 矢部:一番聴いてるのは歌ですね。 ---リスナーとして、好きなドラマーはいますか? 矢部:ぱっと浮かぶのは、NRBQのトム・アルドリーノと、リトル・フィートのリッチー・ヘイワードです。 ---日本のドラマーではいかがですか? 矢部:敢えて言うと鈴木さえ子さんかなあ。女性ドラマーが好きです。 でも正直なとこ、自分以外のドラマーはみんな尊敬してます(笑)。 ---学生時代に影響を受けたり、好きな音楽について教えて頂けますか? 矢部:中学生高校生の頃にヒットしていた洋楽が大きいですね。 たとえばELO、クイーン、ABBA、10cc、アースウィンド&ファイア、サタデーナイトフィーバーのサントラなど。 高校生になるとAORとかシティポップの時代でしたね。 兄がカセットで持っていた山下達郎さんをたまたま聴いてどっぷりハマりまして。 アルバムでいうと、『CIRCUS TOWN』から『MELODIES』ぐらい。 あとスティーリー・ダンがやっぱり大きかったです。 ---お兄様も音楽をお好きだったんですか? 矢部:そうですね。兄はフォークも好きで、かぐや姫とか、風なんかのレコードを持っていました。 伊勢正三さんのメロディにはかなり影響されてる気がします。 ---このWEBマガジンでは皆さんのCheer Up!ミュージックを伺うのが恒例になっております。 矢部さんにとってのCheer Up!ミュージックを教えて頂けますか? ●PRINCE/HITnRUN Phase Two ●KT Tunstall/Drastic Fantastic ●Leon Russell & Marc Benno / Asylum Choir ll ---折角の機会なので、矢部さんのプライベートについてもお伺いしたいです。 ご趣味が映画鑑賞だそうで、特にお好きな映画は? 矢部:昔から好きなのは、スタンリー・キューブリックの作品や、「ゴッドファーザー」の三部作。 「ジャッカルの日」もすごい好きです。あと「刑事コロンボ」シリーズ。 最近観たものでは、クリント・イーストウッド監督の「ミリオンダラー・ベイビー」とか、PixarのCGアニメ「インサイド・ヘッド」がすごく良かったです。 ---日本の映画はいかがですか? 矢部:日本の映画には疎いです。宮崎駿アニメぐらいかなあ。 ---映画以外にプライベートなご趣味は? 矢部:うーん、ないですねえ。 あとは食べることぐらいですね。YouTubeでグルメ系や大食い系の動画をよく見ます。 ---どんな食べ物が特にお好きなんですか? 矢部:最後の晩餐に食べたいのを一つ決めるとすれば、インドカレーですね。 ---インドカレー!おすすめのお店は? 矢部:都心にあまり行かないのでね。 多摩川のほう、自宅の近くにはけっこう沢山インドカレー屋があって。どこもおいしいですよ。 ---そういえば昨日、新宿中村屋でキーマカレーを食べました。 矢部:いいですね!中村屋はレトルトも美味しくて、チキンカレーのファンです。ちょっと苦味が効いてる系。 ---そうなんですね!今度買ってみます。 ご多忙な日々と思いますが、健康法はありますか? 矢部:いや、そんなに多忙じゃないので、運動不足になりがちです。なので日課として軽い筋トレをやってるぐらいで。 欲望に勝てない性分なので、油断するとすぐ太ります。 ---人生で影響を受けた人はいますか? 矢部:重みのある質問(笑)。尊敬してる人ってことでは、チャップリンに尽きるかもしれません。 小さい頃に父がチャップリンの映画に連れていってくれて泣くほど笑って感動して、それからテレビでやる度に観てました。 いろんな意味でエンターテインメントの理想型をチャップリンの映画から擦り込まれた気がします。そういう意味ではキューブリックもそうかな。 ---今後、MUSEMENTでのライブの予定はあるのですか? 矢部:今のところは目下検討中、としか言えないんです。プロジェクトの性質上、いろいろとハードルがありまして。 ---今後MUSEMENTで一緒にやってみたい女性ヴォーカリストはいますか? 矢部:夢というか妄想としては、「赤い鳥」や「ハイ・ファイ・セット」の歌姫だった山本潤子さんとか、石川セリさん。 ---MUSEMENTについては、今は2枚目のアルバムを出されたばかりですけど、今後の展望はいかがですか? 矢部:なんせ長期にわたる産みの苦しみからやっと解放されたところなので、しばらくは頭ん中が真っ白なんじゃないかと(笑)。 また何かしら曲が出来たら考えます。 ---アルバムに入りきらなかったストックはあるのでしょうか? 矢部:そうですね、断片的な素材はいろいろありますけど、一曲としてまとまっているものはまだないです。 ---曲を作るのはじっくり時間をかけるほうでしょうか。 矢部:曲によってはパーっと出来るのもありますが、基本じっくり派です。まずサビから出来たりとか、まずイントロが出来たりとかで、ストックしておいたパーツを組み合わせて作ることが多いかな。プラモデルをじっくり作るのに似てるかも(笑)。 ---思いついたらレコーダーに吹き込む方も多いようですね。 矢部:ああ、鼻歌でね。時々やります。 ---出先だと忘れてしまいますものね。 矢部:よく起きがけに夢の中でものすごい音楽が聴こえて、ハッと目が覚めて、これメモらないと、、と思いながらまた寝ちゃって、起きたら完全に忘れてるっていう、そういうことがよくあります。大きな獲物を何度も逃してます(笑)。 ---もったいないです(泣)。枕元に何か! 矢部:何か用意しとくべきですね(笑)。 ---いまMUSEMENTとか、Controversial Sparkをやっていらっしゃるわけですけど、今後やってみたいこと、プロジェクトなどありますか? 矢部:今やっている色々な事が楽しく続くことが何よりで、新たに考えている事は今のところ特にないです。皆さんいろいろ誘ってください(笑)。 ---本日は貴重なお話を沢山お聞かせ頂きまして、どうもありがとうございました。 『Musement Fair』MUSEMENT 01. ぼくらが歌をうたう理由 feat. 野見山睦未 & 鈴木祥子 02. LEXICON feat. konore 03. ハーレクイン feat. konore 04. Space Surfer feat. konore 05. Hotel New Diorama (inst) 06. HAPPY BIRTHDAY (remix) feat. 武田カオリ 07. 僕の頭はF-WORD (remix) feat. 安藤裕子 08. ストーリーズ (remix) feat. 武田カオリ 09. RED CHERRY & STRAWBERRY (remix) feat. 鈴木祥子 10. Landslide feat. 野見山睦未 11. アンダースカート feat. 野見山睦未 12. JERUSALEM feat. 野見山睦未 13. Musement Fair feat. 野見山睦未 14. ジオラマ feat. 茂木ミユキ 発売日:2016/11/23 規格品番:PCD-25209 レーベル:P-VINE ◆プロフィール:
MUSEMENT = 矢部浩志ソロプロジェクト MUSEMENT http://www.musement.red/ P-Vine MUSEMENT特設サイト http://p-vine.jp/news/20161025-130900 https://twitter.com/_yabehiroshi_ Controversial Spark http://spaceshowermusic.com/ds/artist/11206786/ Controversial Spark Facebook https://www.facebook.com/ControversialSpark/ ♪最新Live information ★2016/12/28 LIVE SPOT TERRA Nishiogi Tokyo かんぱち × Local Bus かんぱち 小倉 英樹 (Vo.Ag) 小宮 勝昭 (Dr.Djembe) 村上こうよう(Tb) Local Bus 野見山睦未(Vo) with/ 矢部浩志(Dr & Key)from Controversial Spark, MUSEMENT 森有史(Key & Dr)from Å 津村知臣(Eg)from Å 松村悠史(B)from Å open 18:30 start 19:30 http://nomimumi.com/news/20161228wed/ ★2017/02/03(金)渋谷ラストワルツ BAND EXPO presents こまめに休憩を、気ままに音楽を!その七 【出演】 BAND EXPO【西村哲也/青木孝明/コーノカオルw/矢部浩志】 綿内克幸トリオ【綿内克幸/マーヴェラス田中(g)/安倍元彰(perc)】 開場19:00 開演19:30 全席自由 ご予約 ¥2,500 当日¥2,800 (税込み ドリンク別) http://bandexpo.exblog.jp/23693087/ |