<市原康インタビュー> <TRIO'特集> <TRIO'メンバーコメント>
今回、TRIO'メンバーの森泰人さん、福田重男さんからTRIO'への想いをご寄稿頂きました。 from 森泰人 今年2016年で結成12周年を迎えるTRIO'ですが、多くの方がご指摘して下さる通り、三人の個性や性格が三者三様です。 その様に異なった性格の人達が、リーダーの市原康さんの掛け声で集まり、ほぼ毎年、年に2回、春と秋のツアーを行い、録音アルバムも6作品発表しているというのは実に素晴らしい事だと思います。 これは言い換えるとアルバム第1作目の「What are you doing the rest of your life」と云う問いかけに対する市原さんの回答なのだと思います。 リーダーでドラム担当の市原さんは、言わずと知れた日本を代表するスタジオミュージシャンの一人ですし、ピアノ担当の福田重男さんは、ジョージ大塚さんのグループをはじめ、多くの日本ジャズ界の主流で常に活躍されて来ました。 僕自身は1980年に日本を去り、北欧の国スウェーデンに移り、スタン・ゲッツ、トゥーツ・シールマンス等、国内外のミュージシャンと演奏し、ボーヒュスレーン・ビッグバンド (Bohuslän Big Band)と云うビッグバンドに在籍して31年になります。 言い換えると僕がこの三人の中で一番不明なミュージシャンなのかも知れません。 市原さんは、常に「私達はたとえおじいさんになっても頑張ります。」と公言している訳ですが、来年で福田さんも還暦を迎え、僕自身、来年で前期高齢者の仲間入りです(笑)。 健康に注意をして、これからもズーッと続けて行きたいTRIO'です。 スウェーデン在住 コントラバス奏者 森 泰人 森 泰人(もりやすひと)プロフィール: 1952年(昭和27年)東京に生まれる。 青山学院高等部在学中よりコントラバスの演奏を始める。 当時NHK交響楽団の首席ベース奏者・小野崎充氏にクラッシック・コントラバス奏法を7年間に亘って師事。 青山学院大学に入学直後より、江夏健二(ウォン・ウィンツァン)トリオに加わり、「ピットイン」 「タロー」「オスカー」等の東京のジャズスポットで演奏を始める。 その後、青山学院大学時代は、沖至、坂田明、田村博、井上淑彦等多くのグループでも活動。 また、銀座ヤマハが主催していた、『リトル・ジャズコン』を4年にわたりプロデュース。 大学卒業後は、高柳昌行、北条直彦、八城一夫、、渋谷毅、中島政雄、阿川泰子、伊藤君子、中本マリ、有馬ススム、等数多くのプレーヤーと共演。 1981年、スウェーデンに移り住み、北欧を中心に活動を始める。 1989年、スタン・ゲッツのヨーロッパ・ツアーにケニー・バロン、ベン・ライリー等とともに参加。 1992年、トゥーツ・シールマンスのスカンジナビアン・カルテットに起用される。 スウェーデンに於いては、Bohuslän Big Band, Anders Persson Trio、Anders Persson「Personkrets II-V-I」 Ewan Svensson Trio、Maria Rylander Group、"Winduo" との活動を中心に、スウェーデンのみならず、北欧各国、欧州、中央アジアでも多くのセッション、プロジェクトで活躍している。 日本では、市原 康、福田重男との人気トリオ ”TRIO'"、その他、ウォン・ウィンツァン(p)、おおたか静流(voc)、鶴谷 智生(ds)、松本圭司 (p)、住友紀人(sax)、井上淑彦(ts)、さがゆき(voc)、中川昌三(fl)、齊藤徹(b)、と云った多くの アーティスト達とのセッションも精力的に行っている。 森が2002年10月からレーベル・プロデューサーとして協力して来たスカンジナビアン・コネクション・レーベル (Spice of Life.)は、2005年春までに15作品を発表し活動を終了。 森泰人 Official Web Site http://www.morimusic.jp/ from 福田重男 TRIO'によせて 2004年の年明け早々、市原さんの呼びかけで結成されたTRIO'ですが、市原さんとはそれ以前何度かセッション等で共演経験があった程度、森さんにいたっては、初共演の日が一枚目の「What are you doing the rest of your life」のレコーディング当日という、極めてその日限りのセッション的な始まり方をしました。 まさか12年も続き、6枚のアルバムを同一メンバーでリリースするパーマネント・バンドになろうとは、初共演の日には夢にも思いませんでした。 初共演の日から間もなく、ツアーに出かけたのですが、そこから日本全国を車(市原さんのボルボのワゴン)で渡り歩きLIVE開場でCDを販売する、というこのバンドのツアースタイルが確立して行った訳です。 無論最初のツアーではCDはありませでしたが(笑)、数ヶ月後の発売記念ツアーからは、ずうっとこのスタイルで現在に至っています。 経済的=バンドを運営して行くために、このスタイルをとるしかなかったのですが、景気の良かった時代に新幹線や飛行機でツアーをするのが当たり前だった市原さんが、今から思うとよくぞこの過酷とも思える選択をしたなあ、と感心させられます。 それだけこのTRIO'に対する思い入れが強かったのでしょう。 結成当時、ベースの森さんは北欧のミュージシャンを日本に紹介するスカンジナビア・コネクションを主催し(現在も継続中)、日本全国津々浦々LIVE&コンサート活動を展開していたので、どこの土地にTRIO’で行っても、森さんを慕って沢山のファンが来てくれました。 TRIO'が始動した後、軌道に乗り継続してこれたのには、正に森さんの功績が大きかったとつくづく思いかえされます。 ボクもそれまでに長年ミュージシャンをやって来ましたから、全国に友人知人、業界関係者が少なからずいます。 そうした方々にTRIO'を応援してもらうなどなど、TRIO'は3人が各位それぞれの守備範囲で出来る事を力まず何気にしてきた。それがTRIO’を今まで存続させてきた最大の要因ではないでしょうか。 最年少のボクは(と言っても来年還暦ですが)、市原さん、森さんという二人の先輩方の中で、伸び伸びとプレーをさせてもらい、ツアーを楽しんで来れたのですから、幸せ者です。 改めてお二人と、ファンの皆さんにお礼を言いたいと思います。ありがとうございます。 そして今後ともTRIO'をよろしくお願いいたします。 福田重男 福田重男プロフィール: pf Shigeo Fukuda 1980 年プロ・デビュー。神崎オン・ザ・ロードをかわきりにジョージ・大塚マラカイボ、秋山一将グループ、鈴木良雄MATSURI、植松孝夫グループ、MALTA HIT&RUN、向井滋春グループ、PARADOX等のグループでの活動のほか、松本英彦、渡辺貞夫、日野皓正、日野元彦、山口真文、大友義雄、土岐英史、橋本信二、道下和彦、五十嵐一生、河原秀夫、布川俊樹他のミュージシャンと共演。 この間に5枚のリーダーアルバムを残し、数多くのアルバムに参加する。 またロン・カーター、アル・フォスター、ピーター・アースキン、マーク・ジョンソン、ジョー・チェンバース、アイラ・コールマン他海外のミュージシャンともレコーディング&ライブ等で共演する。 現在は自己のトリオの他、TRIO’(市原康、森泰人)、藤陵雅裕グループ、三木俊雄フロント・ページ・オーケストラを始め、数多くのボーカリストのサポート、セッション、作、編曲、スタジオワーク等で活動中。 また1997年よりヤマハミュージックの講師として後進の指導にあたっている。 執筆 Jazz Life 連載(1989〜2005)「月間スタンダード」「スペシャル・ピアノ・アレンジ」 2014年12月、パーマネント・トリオによるニューアルバム「Memories / 福田重男トリオ」をリリース。絶賛発売中! 福田重男 Official Web Site http://shigeofukuda.cool.coocan.jp/ |