RM jazz legacyが2ndアルバム、その名も『2』をリリースした。
2015年のフジロックフェスティバル、BLUE NOTE FES 2016でも大きな話題となったRM jazz legacyは、DJの大塚広子さんがプロデュースし、日本を代表するトッププレイヤーが集結した類を見ないスペシャル・ユニットだ。
3月22日には7インチ・シングルカットをするも早くも売り切れる人気ぶり。
今回は、大塚広子さん、RM jazz legacyのリーダー守家巧さん(b)にインタビューさせて頂いた。さらにメンバーの類家心平さん(tp)、坪口昌恭さん(p,key)、芳垣安洋さん(ds)からRM jazz legacyについてのコメントを頂き、大きな特集を組ませて頂いた。(2017年3月)


<大塚広子インタビュー>    <守家巧インタビュー>   <メンバーコメント>


♪大塚広子インタビュー

---RM jazz legacyという名前に込めた想いを教えて頂けますか?

大塚:過去の上質なジャズの遺産に習った妥協なきサウンドを、時流に合わせた形でもっともっとたくさんの人に知ってもらいたい、という想いでレガシーという単語を選ばせてもらいました。


---このユニットは、大塚さんのレーベルKey of Life+からコンピレーション『PIECE THE NEXT』をリリースされる際に1曲だけ録音したのがきっかけだったとか。
それがこのように2ndアルバムも出されて、どんどん大きなプロジェクトになっているのではないかと思いますが、いまどのようなお気持ちでしょうか?


大塚:素晴らしいミュージシャンもたくさんいますし、できる曲が全て想像を超えてくるので、ミュージシャンも自分だけ知っていてももったいない、いい曲も自分のDJだけでかけていてももったいないし、もっと多くの人に聴いて知って体感してもらわないともったいない、という気持ちですね。


---守家巧さんがリーダーになられた経緯や理由を教えて頂けますか?

大塚:自然な流れですね。もともと私は曲をつくったりプロデュースしたりする気持ちはなくて、いい曲を探して広める立場でいたいと思っていて、そのためのコンピレーションだったんです。

その話をしているなかで、守家さんはもともとレゲエとかスカのシーンで活動していて、一方で私はDJとしてジャズにアプローチしていて、場所は違えどクラブフィールドの出身で、ジャズの影響を受けているけれどジャズミュージシャンではない、自分にない憧れや尊敬を持っているのがジャズ、という2人ならではの、こいういうのあったらいいな、というモチベーションの部分が合致したからかと思います。


---今回はカヴァー曲4曲、オリジナル3曲の割合。
選曲についてはどのようにお決めになったのでしょうか?


大塚:カヴァー案は私(Scrabble、To Zion)と守家さん(Master of love)の提案、Don’t know whyは話し合って決めたような気がします。
カヴァー案は2人でいろんなパターンのものを色々出し合っていました。
作り込みはすべて守家さんを中心にした現場で作られています。


---前作とはまた違った聴きやすさを感じました。前作もとてもかっこ良くてワクワクしたのですが、今回は知ってる曲もあってさらに楽しく聴ける印象です。
このあたりはどのように企画されたのでしょうか。


大塚:ファーストに対する客観的な意見として、結構「まとまってるね」「ジャズだね」と、言われることが多かったように思います。
自分たちが思ってる以上に大人っぽいものになってたのかなって思ったので、『2』ではもうちょっと自由に、メロディーが際立ってたり、分かりやすいものにしたいと思いました。


---ジャケットが1st『RM jazz legacy』、2nd『2』共に色調が綺麗で、手にとりたくなる感じがありますね。デザインも大塚さんの意向が反映されているのですか?

大塚:いままでの私の制作物を手がけているデザイナーに、RMのメンバーのことを伝えながらお願いしています。


---大塚さんは、クラブジャズ、従来のジャズ(最近では和ジャズと呼ばれるあたり)との架け橋となっている存在という印象があります。
若手とベテランをつなぐ役目なのかな?と思うのですが、そのあたりどのようにお考えですか?


大塚:以前は、60〜70年代のレコード集めに没頭していましたが、レーベルのオフィシャルの監修CDを作るようになったころから、現役のミュージシャンとのジャズライブと共演することも増えていきました。
そんななかで出会った音楽をきくと、表現力がとても多彩なことに気づき、もしかしたらあのレコードのこのグッとくる部分を表現してくれるんじゃないか・・・。とかいろんな想像がどんどん生まれました。

RMもコンピレーションも、ミュージシャンとのライブ共演も、昔のもの、いまのもの、と分けているわけでなく、いままで探しに探したレコードと同じように、大切な音楽として紹介していくことが私のやりがいです。


---このWEBマガジン恒例の質問です。
大塚さんにとってのCheer Up!ミュージックを教えて頂けますか?



Max Roach / Equipoise



---どうもありがとうございました。RM jazz legacyのこれからのますますの展開を楽しみにしております。





RM jazz legacy/2

1. The Universe
2. Beyond Of The Night
3. Scrabble
4. Don't Know Why
5. Master Of Love
6. Move Your Red
7. To Zion

発売日 : 2016.12.21
レーベル:Key of Life+
価格:2,700円(税込み)


member
守家巧 (b)
坪口昌恭 (key)
類家心平 (tp)
宮嶋洋輔 (g)
芳垣安洋(ds)
石若駿(ds)
松下マサナオ(Yasei Collective)(ds)
横山和明(ds)
山北健一 (per)
Omar Gaindefall(djembe)








◆プロフィール:

大塚広子(DJ/音楽ライター/プロデューサー)
ワン&オンリーな“JAZZのGROOVE”を起こす DJ。2004年以降、“徹底したレコードの音源追求”と“繊細かつ大胆なプレイ”で全国的な現場の支持を得て、ニューヨーク、スペイン招聘、東京JAZZ、2度のFUJI ROCK FESTIVAL、Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN等出演。老舗ジャズ喫茶やジャズ・ライヴハウス、伊勢丹新宿店等のイベント音楽プロデュースを手掛ける他、選曲監修、メディアでの執筆、新世代ジャズ・ミュージシャンを取り上げた自身のレーベルKey of LIfe+を主宰。


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