<大塚広子インタビュー> <守家巧インタビュー> <メンバーコメント>
♪メンバーコメント 類家心平(Trumpet) ジャズとかポップミュージックとか様々なカテゴリーなどもうどうでもいい時代にやっと来ているような気がする。 演っている方はそんな事遥か遠い昔から関係無いのだけど。 "音楽とは際限なく素晴らしい力を持っているもの"、唯それだけでいいのでは無いだろうか。 このバンドでそんな思いを体現できていたら嬉しい。 類家心平 Official Web Site http://ruike.daa.jp/ 坪口昌恭(Piano, Keyboards) 守家巧が自分にとってフェイヴァリットなのは、まず音色。これは最初に『Rumba On The Corner』で彼と出逢った瞬間からそうだ。 Flatwoundというツルツルの弦を張っていて、「ブーン」ではなく「ンー」という発音をしている。 僕は元々ReggaeやDrum’n Bassにおけるシンセベース的なニュアンスが大好きなのだが、そんな発音のベーシストとなかなか出会えないので自分で弾くかシーケンサーで鳴らしていた。しかもそのタイプはジャズ的なインタープレイとは水と油になってしまいがち。 ところが守家君は僕がバリエイションすればするほど喜ぶし、かといって一緒になって過度なインタープレイはしない。 そんなセンスのベーシストとやっと巡り会えたわけだ。 1曲目の石若駿を交えたトリオを聴いてみて欲しい。よりシンプルかつグルーヴィーに進化した(かといって力みの全くない)『東京ザヴィヌルバッハ』と言っても過言ではない。 うーん、守家君に上手いこと引き出されてしまったな(笑)。 今作は、1stよりもダンサブルな方向性にシフトしている。 これは元々僕がRMというプロジェクトに思い描いていたアプローチそのものである。1stの方がジャジーな曲が挟まれていて意外だったのだ。 今作では類家心平(Tp)がほとんどメロディー役に専念している。アドリブソロが少ないと嘆くジャズファンの方もいらっしゃるかもしれないが、彼のメロディープレイは歌心に溢れ個性的で、より今を感じるフレージングだ。それだけワン&オンリーな声を持っていながらセクション(決まったリフ)を吹いてもバッチリ決まる。これってまるで山下達郎ではないか。 4人のドラマーはみな卓越したテクニックを持つ上で個性的でもあり、東京の音楽シーンの中でもスペシャルな面々である。 僕だったら一人づつ別のプロジェクトにお誘いしたいドラマー揃いなのだが、守家君はそれを一つの作品に落とし込んでしまうから驚きだ。 音楽に対して貪欲であり、かつ人なつっこい、彼にしかできない芸当かもしれない。 パーカッショニストはセネガルのオマール(Djembe)とThe日本人的な山北健一(Conga)さんという、対称的な二人を起用していて、まさに適材適所である。皮モノが入ると、潤滑油を得たようなGrooveになるなあ。 ギターの宮嶋洋輔もマイフェイヴァリット。今回はゆるめのバッキングのみのアプローチではあるが、指弾きにこだわってゴリっとしたニュアンスを出せる、希有なギタリストである。 僕はと言うと、2曲ほど原曲から譜面に起こすのを手伝ったほかは、完全に現場でのインスピレーションに任せて演奏した結果である。 なので、どの曲も概ね同じ展開を作っているところが自分でも苦笑してしまう。自己作品だったら、色々と考えて違ったアプローチをちりばめてしまうところだが、これはコレで悪くない。坪口は放っておくと必ずこうなる!という一つのキャラを残せたのではないかと思う。 とにかく、ゴキゲンでグルーヴィーなアルバムなので、身をゆだねて踊りながら聴いて頂きたい。 坪口昌恭 Official Web Site http://tzboguchi.com/ 芳垣安洋(Drums) アメリカの黒人音楽に脈々と受け継がれるDNAを、日本で継承するプロジェクトRM jazz Legacy。 DJの選択する、ジャズ的な音楽のミクスチャ、それを支える骨太のベースとジャズの歴史を分析し尽くした鍵盤奏者。 音楽が始まる動機がこの出会いにあることが、このプロジェクトの鍵。 この多様さ、変化自在の形態。 ジャズの世界にありそうで、実はあまりない、類を見ない方法論なのかもしれない。 芳垣安洋 Official Web Site http://y-yoshigaki.com/ |