♪平戸祐介インタビュー

---2015年に沖野修也さんからKYOTO JAZZ SEXTET(以下KJS)にお誘いを受けた時、どのようにお考えになりましたか?

平戸:正直、沖野さんには長年にわたって吉澤はじめさんという素晴らしいピアニストが沖野さんのプロジェクトを支えていたので本当に僕でいいんですか?というのが最初の気持ちでしたね。
沖野さんとはいろんなつながりから僕がデビューする前からのお付き合いでして、もう20年くらいになると思います。
でもライブは一度もご一緒した事がなかったので…
それで沖野さんから直に電話で「平戸君のジャズなサウンドが欲しいねん」と言われた時にすごく喜びとこのプロジェクトで頑張ってやってみようと思いましたね。

---全曲一発アナログ録音、コンピュータによる編集もなかったというこのアルバム。
レコーディング現場の雰囲気はいかがでしたか?
印象的なエピソードなどあれば教えて頂けますか?


平戸:ピリっとしてましたね。
ある意味「JAZZ」な現場でした。
でたとこ勝負のような…
この手のレコーディングでは何テイクも重ねるというのはメンバー全員良くないと心得ていたので、みんな1stテイクに全神経を集中してましたね。
ものの見事にほぼ1stテイクの演奏が収録されています。
みんな本当に豪腕なんで…(笑)

---今回のアルバムは全曲オリジナル。沖野さんの作曲なさった楽曲について、どのような印象を持ちましたか?アレンジについてはどのように関わっていかれましたか?

平戸:60年代のモーダルJAZZ,新主流派の演奏を研究なさっているなというのをすごく感じました。
それはうわべだけでなくという事です。
それは曲の構造であったりメロディであったりコードワークであったり…
沖野さんが長年現場で培ってきたエッセンスがふんだんに練り込まれた楽曲群でしたね。

僕はハーモニー奏者であるので、沖野さんに新たなコードワークの提案をさせて頂いたり、メンバー全員で沖野さんの曲を昇華させていった感じです。

---沖野さんから演奏についての指定は多いのですか?バッキングのリズムなど。
タイトルの意味や説明なども細かくお話し合いがあるのでしょうか?


平戸:いえ、比較的各メンバーの自由度を尊重してもらっています。
ただ、沖野さんがここは譲れないポイントはリハーサルの際に指定が入りますので、そこは厳重に守ります。偉大なボスなので(笑)
でもそんなに多くないですよ。

あっ…沖野さん無類のベース好きなんで、P(小泉P克人)には結構指定いってますね(笑)。

タイトルの意味や説明もある程度楽曲に慣れてきた時点で沖野さんから説明もあるし、メンバーからどんな意味ですか?と尋ねる事もありますね。
「Ancient Future」はメンバーの中では「マンモス」という別題がついてるくらいですから(笑)。

---平戸さんのピアノも力強くて(Missionなど)、スローテンポな部分では夢見心地になれて・・・平戸さんの魅力がたっぷり味わえて嬉しくなりました。

平戸:今回、力強い楽曲のみならず、バラード的な楽曲も収録しようというメンバー間の共通意識があったので自然な流れでしたね。
色々とお褒め頂き光栄です…

---平戸さんは、どのようなお気持ちでKJSに参加なさっているか教えて頂けますか?
また、ご自身にとって今回のアルバム『UNITY』はどのような存在でしょうか?


平戸:ファーストアルバムがBLUE NOTEのカバー集であった事実がわかるとおり、モダンJAZZへの敬意とこれからの新世代JAZZの融合のテーマがKJSの命題(MISSION)だと思っております。
ですので旧態依然な考えではなくフラットな耳を持ちつつ新しい事に心を開きながらKJSの現場には参加しております。

今回のアルバムはボス沖野さんが初めて全曲作曲で挑んだ問題作です(笑)。
『UNITY』は、全編にわたって僕らのこれからの指標と意思表示がしっかり打ち出せた作品になっているかと思います。
次回作は俺も作曲面においても参加しますよ。(ボスいいですか〜?w)

---沖野さんのおっしゃる「ジャズの現在」についてどうお考えになりますか?

平戸:沖野さんは常に今JAZZを意識して活動されている方ですので、常にシーンにアンテナを張っています。
ですので沖野さんが指摘する一言一言が重みを感じますね。
ですので、それを理解しようと、毎週水曜夜22時からの沖野さんの番組ひっそりと聞いてますよ(笑)。

---平戸さんにとって、沖野修也さんはどんな存在ですか?

平戸:何回も言いますが、ボスです。
愛すべきボスです。
人間的にも大好きです。

未だ憧れですね。

僕が2001年に東京に出てきて沖野さんが経営する渋谷The ROOMで夜な夜な腕利きのミュージシャンが集まりセッションをしていた「Sofa」というイベントでDJブースから鋭い眼光で演奏をチェックされていて、いつか沖野さんに認められたいなと思って活動してきたので…
それはメンバーの類家君、栗ちゃん、天倉君も一緒だと思いますよ。
Sofaに僕ら顔を出してましたからね。いや〜あの時はデビュー前のすごいメンツが集まってましたよ。

---ご自身の参加なさっている他のバンドやユニットと、KJSで何か違いを感じることがあれば教えて頂きたいです。

平戸:いえ、特にそれは感じません。
演奏するという事に関しては僕の中で同じフィルターを通してリスナーに届けたいという思いがあるので。
それはプロジェクトごとに分けるとか僕の中ではないですね。

---この夏のフジロックフェスティバル出演決定など、ますます盛り上がるKJS。
今後、ご自身がKJSに参加していく上での展望や夢、抱負などについてはいかがですか?


平戸:これからどんな道筋を作るかはボスが密かに色々と企んでると思います。
僕がこのKJSでできる事はモダンジャズにおけるマナーと新しいJAZZとの融合を試みる事だと思うので、それを見越して沖野さんは僕を起用してくれていると思います。そこをしっかり今後も"実験"していきたいと思います。


---どうもありがとうございました。






◆平戸祐介プロフィール:

長崎県生まれ。
ジャズ喫茶を経営する父親とクラシック・ピアノの教師をする 母親の間に生まれ、4歳の頃よりピアノを弾き始める。父親の所有する膨大なジャズ・レコードを聴きながら育ち、中学生の頃からジャズピアニストとして活動を開始。
高校時代にはNYマンハッタン音楽院のサマー・ ワーク・ショップで トップ・レベル・コンボに抜擢され、最優秀賞を獲得。高校卒業後渡米し、NYに あるニュースクール大学ジャズ科に進み、Walter Bishop Jr.に師事する。
1995 年にはRichard Davis (Bs), Winard Harper (Ds)と共演、ジャパン・ツアーで成功を収める。大学卒業後に帰国、上京し、quasimodeを結成。2012年には自身初となるソロ作品 「Speak Own Words」をリリース。好評を博す。
2015年2月をもってquasimodeが活動を休止、個人活動を充実させるべく、2015年4月に待望の2ndソロアルバム 「Voyage」をリリース。
2017年8月16日にCASIO×KADOKAWA共同レーベルMono Creationから新プロジェクト「Yusuke Hirado Prospect」の第一弾「Heritage」を満を持してリリース。


Yusuke Hirado Official Web Site
http://yusukehirado.net/

平戸祐介 公式facebookページ
https://www.facebook.com/yusukehirado.funpage

Twitter
https://twitter.com/hiradospree

FMレギュラー番組放送中!
「YUSUKE HIRADO Radio Mono Creation」
(FM長崎 毎週土曜 11:30〜11:55)
http://www.fmnagasaki.co.jp/



♪最新Liveインフォーメーション

2017年7月29日(土)
FUJI ROCK FESTIVAL '17
新潟県湯沢町苗場スキー場
※KYOTO JAZZ SEXTETはFIELD OF HEAVENステージに出演


2017年7月31日 (月)
SELIM SLIVE ELEMENTZ
@新宿PIT-INN (東京)
■MEMBER
小川隆夫 (g,Producer)
平戸祐介 (p)
元晴 (sax)
栗原 健 (sax)
コスガツヨシ (g)
小泉P克人 (el-b)
大竹重寿 (ds)
西岡ヒデロー (per)

2017年8月7日(月)
KYOTO JAZZ SEXTET 『UNITY』Special Live 2017
ビルボードライブ東京
KYOTO JAZZ SEXTET: 類家心平(tp) 栗原健(ts) 平戸祐介(p) 小泉P克人(b) 天倉正敬(ds) 沖野修也(vision)
【ゲスト】タブゾンビ(tp) Tomoki Sanders(ts) Navasha Daya(vo)


2017年8月16日(水)
Yusuke Hirado Prospect
〜Corona Extra presents〜 Mellow Trip in zushi surfers powered by CASIO Sound Tradition
@zushi surfers (神奈川)
■MEMBER
平戸祐介 (p)
元晴 (sax)
永田雄樹 (b)
藤井伸昭 (ds)


2017年8月20日(日)
Selim Slive Elementz
「Resurrection (復活)」発売記念試聴会
@ソニー・ミュージックスタジオ (東京)
※注意:演奏はありません
■司会
小川隆夫
平戸祐介


2017年8月28日(月)
TRIO from quasimode
@本厚木CABIN (神奈川)
■MEMBER
平戸祐介 (p)
須長和広 (b)
今泉総之輔 (ds)


2017年9月1日(金)
SELIM SLIVE ELEMENTZ
東京JAZZ 2017 The Club
@渋谷WWW X (東京)
■MEMBER
小川隆夫 (g,Producer)
平戸祐介 (p)
元晴 (sax)
栗原 健 (sax)
コスガツヨシ (g)
小泉P克人 (el-b)
大竹重寿 (ds)
西岡ヒデロー (per)


2017年9月2日(土)
The Room All Stars
東京JAZZ 2017 The Club
@渋谷WWW X (東京)
■MEMBER
沖野修也 (mc)
沖野好洋[KYOTO JAZZ MASSIVE/ESPECIAL RECORDS] (DJ)
池田憲一 (el-b)
元晴 (sax)
栗原 健 (sax)
西岡ヒデロー (tp)
平戸祐介 (p)
Tetta [JariBu Afrobeat Arkestra](g)
藤井伸昭 (ds)
Hanah Spring (vo)
■Special Guest
Monday満ちる (vo)


2017年9月16日(土)
平戸祐介ソロ
菅原聡アトリエ presents vol.1 JAZZ Lounge Music
@鶴岡 菅原聡アトリエ (山形)


ソロプロジェクト“Yusuke Hirado Prospect”
BARKSのニュースより
https://www.barks.jp/news/?id=1000145077

<全国大規模インストアLIVE>
8/24:タワーレコードららぽーと磐田店
8/25:ヴィレッジバンガード名古屋中央店
8/26:HMVグランフロント大阪店
8/27:タワーレコード広島店
9/2:タワーレコード横浜ビブレ店
9/8 :タワーレコード福岡天神店
9/18:タワーレコード渋谷店
9/23:タワーレコード仙台パルコ店
9/24:タワーレコード札幌ピヴォ店



<Cheer Up!関連リンク>

平戸祐介インタビュー(2017年)
http://www.cheerup777.com/hirado2016.html

KYOTO JAZZ SEXTET『MISSION』特集 コメント参加(2015年)
http://www.cheerup777.com/kjs2.html

『Voyage』インタビュー(2015年)
http://www.cheerup777.com/hirado_voyage.html

『Speak Own Words』インタビュー(2012年)
http://www.cheerup777.com/hirado.html




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