♪平戸祐介インタビュー ---1stアルバムリリースが2017年8月。 結成から今までを振り返ってみて、現在どのようなお気持ちですか? また「バンドの進化」について、どうお感じになりますか? 平戸:メンバーお互い旧知の間柄でしたが、1stアルバムの時よりも、インタープレイがリハーサル、ライブを重ねる毎に進化していっているように思います。特にライブでは、「え〜ここまでいっちゃうの?」(笑) みたいな未知の領域までトリップしちゃいそうな瞬間も最近は出てきました。 ジャムバンドとして確実に成長、発展途上にあると思います。 ---今回のアルバムの楽曲は小川さんと平戸さんの共作がほとんど。 そして小泉さん、コスガさんが2曲ずつ作曲していらっしゃいます。 前回のインタビューで、小川さんとの曲の制作方法について教えて頂きましたが、この2年でその手法に変化はありましたか? 平戸:基本的に変わりはありません。基本的なメロディー、コード進行は私の方でアイディアを出し、小川さんと擦りよせをしながら曲のアウトラインを形成する感じです。 ---このアルバムは2019年4月10日渋谷「JZ Brat SOUND OF TOKYO」にてライヴ・レコーディングされたとのこと。 当日のお気持ちはいかがでしたか? 平戸:比較的、普段と何も変わらなかったです。ただ、私にとっては、quasimode、私個人のアルバムのリリースパーティーを開催したりさせて頂いているハコでしたので気合い入りました。 ---今回はどんなキーボードを使用したか教えて頂けますか? 平戸:Fender Rhodes MarkU Suit Case CASIO PX-5S CASIO CT-X5000 の3つの鍵盤を使ってます。 特にCASIOの2機種に関しては今後名機になりうる素質をもった素晴らしい楽器です。 ---今回のアルバムタイトルは『VOICE』。 マイルスは、父親からいつも「have your own voice」と言い聞かされて育ったことから、このアルバムタイトルを決めたとのこと。 平戸さんのソロアルバム『Speak Own Words』というタイトルに相通じるものを感じました。2012年、初めて平戸さんにインタビューさせて頂いたアルバムです。 平戸:そうですね(笑)。よく考えてみると、近いですね。 でもある意味、JAZZミュージシャンにとってMILESが特別とかではなく、いちミュージシャンとして、自分自身のボイスを持つという事は、大切な事ですよね。私も常日頃から考えて、意識している事がそのままタイトルになった気がします。 ---ここからは曲をピックアップしてお伺いします。 ◆「Remembering Isle of Wight」 ---盛り上がる曲ですね!キーボードとベースはひたすら同じパターンを繰り返しています。こういうパターンも平戸さんが作られたのでしょうか?ユニゾンもものすごくかっこいい。 平戸:ありがとうございます。私がパターンを考えました。1stアルバムの際はこのような曲の形態がなかったので、今回作曲する事ができてバンドの新境地が築けたと思います。 ---シングルバージョンとアルバム1曲目のバージョンとの違いはいかがですか? 平戸:たっぷりと各人のソロが堪能できるところでしょうか! ◆「One Punch」 ---印象に残るパターンから始まりますね。キーボードが「What You Say」同様に、ちょっと不思議な感じ。浮遊感というか。 そしてメンバーのソロたっぷり、聴かせどころたっぷりです。 平戸:そうですね。ホーンメロディーは幾何学的な雰囲気を出そうと思って作曲段階ではちょっと苦労しました。 キーボードは浮遊感は特に意識しました。不思議な抽象画を見ているような雰囲気が出ていればベストですね。 ◆「Angola」 ---アップテンポでかっこいいパーカッションから始まり、徐々にエキサイトしていきますね。 キーボードやギターなどにエフェクトがたっぷりかかっているようですが、こういったエフェクトは70年代マイルスの音楽で使われていたエフェクトと同じようなものなのでしょうか。 平戸:70年代マイルスの音楽で使われていたものと同じかどうかはわかりませんが、70年代マイルスバンドは、マイルスまでもがエフェクターを使用しており少々、SSEとは異なるのかもしれません。 この曲はアフリカの広大な大地をイメージして作った曲です。 ◆「Clouds」 ---涼し気なキーボードに、夏っぽさを感じました。Rhodesでしょうか。 涼し気なパーカッションも心地良かったです。 SSEの中ではちょっと珍しい曲ですね。 平戸:SSEのライブステージは激しい曲が続くので、1stアルバムから小川さんから小休止的なバラード曲が欲しいと(笑)…言われていて、その要望にお応えした曲です。はい、使用楽器はRhodesです。メロディアスなSSEが楽しめるかと思います。 ◆「What You Say」 ---キーボードがおどろおどろしい感じですね。どうやって弾いてるのか?エフェクトは何だろう?って気になりました。 平戸:この曲もともとミディアムテンポでギターをフィーチャーしたくて作ったんですが、ライブを重ねる毎に今のテンポに落ちていったんです。テンポが落ちると同時に演奏にスペースが生まれるので、自然な流れでエフェクトを駆使しようかと思うようになったんです。CASIO PX-5SにVOXワウペダルとスペース系のエフェクターをかましてます。 ---Selim Slive Elementzについて、今後の展望や夢を教えて下さい。 平戸:メンバーみんなピンでライブできるくらいのバリューがある方ばかりなんで。忙しい合間を縫って出来る限り演奏をしたいですし、海外でも演奏したいなと夢がふつふつと湧いてきております。 ---どうもありがとうございました。SSEが海外でも活躍するご様子、見てみたいです! ◆平戸祐介(Yusuke Hirado) プロフィール 長崎県生まれ。 ジャズ喫茶を経営する父親とクラシック・ピアノの教師をする 母親の間に生まれ、4歳の頃よりピアノを弾き始める。父親の所有する膨大なジャズ・レコードを聴きながら育ち、中学生の頃からジャズピアニストとして活動を開始。 高校時代にはNYマンハッタン音楽院のサマー・ ワーク・ショップで トップ・レベル・コンボに抜擢され、最優秀賞を獲得。高校卒業後渡米し、NYに あるニュースクール大学ジャズ科に進み、Walter Bishop Jr.に師事する。 1995 年にはRichard Davis (Bs), Winard Harper (Ds)と共演、ジャパン・ツアーで成功を収める。大学卒業後に帰国、上京し、quasimodeを結成。2012年には自身初となるソロ作品 「Speak Own Words」をリリース。好評を博す。 2015年2月をもってquasimodeが活動を休止、個人活動を充実させるべく、2015年4月に待望の2ndソロアルバム 「Voyage」をリリース。 2017年8月16日に新プロジェクト「Yusuke Hirado Prospect」の第一弾「Heritage」を満を持してリリース。 Yusuke Hirado Official Web Site http://yusukehirado.net/ 平戸祐介 公式facebookページ https://www.facebook.com/yusukehirado.funpage https://twitter.com/hiradospree ♪最新Liveインフォーメーション 最新のLive情報は平戸さんのOfficial Siteで確認をお願い致します。 <Cheer Up!関連リンク> 『3年後、確実にジャズ・ピアノが弾ける練習法』インタビュー(2019年) http://www.cheerup777.com/hirado_text2019.html Yusuke Hirado Prospect『Heritage』インタビュー(2017年) http://www.cheerup777.com/heritage.html Selim Slive Elementz『Resurrection(復活)』インタビュー(2017年) http://www.cheerup777.com/selim2.html KYOTO JAZZ SEXTET『UNITY』インタビュー(2017年) http://www.cheerup777.com/unity2.html 平戸祐介インタビュー(2017年) http://www.cheerup777.com/hirado2016.html KYOTO JAZZ SEXTET『MISSION』特集 コメント参加(2015年) http://www.cheerup777.com/kjs2.html 『Voyage』インタビュー(2015年) http://www.cheerup777.com/hirado_voyage.html quasimode『My Favorite Songs』インタビュー(2014年) http://www.cheerup777.com/quasimode.html 『Speak Own Words』インタビュー(2012年) http://www.cheerup777.com/hirado.html |